ABS秋田放送

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私たちが普段口にする牛乳やチーズなど、乳製品の原料となる生乳を生産している酪農家の話題です。

かつて県内の酪農家の数は1,000戸以上でしたが、少子高齢化や後継ぎ不足を背景に20分の1以下に減少しています。

こうしたなか、廃業ではなく、第三者への事業の承継を模索している酪農家の男性が美郷町にいます。

家族同然のウシを誰かに引き継いでもらいたい。

50年間、妻と二人三脚で歩んできた男性の思いを取材しました。

■「家族と同然」365日ウシと向き合い続けて50年

奥羽山脈のふもと、田園地帯が広がる美郷町の浪花地区です。

長年、酪農を営んでいる男性がいます。

高橋幸夫さん80歳。

6頭の乳牛を飼育しています。

毎朝、1頭、1頭のウシに声をかけ体調を確認しながら乳しぼりの作業に入ります。

1日にとれる牛乳は6頭合わせて80リットルほど。

量は多くありませんが、月2回の品質検査をクリアできるよう気を配りながら作業しています。

ウシが病気をせずいい乳が出るよう飼料の配合を変えるなど今でも試行錯誤しながらの毎日です。

高橋幸夫さん
「まず十分自信をもって売れる牛乳だ、きょうのここまでは」

酪農家の2代目の高橋さん。

本格的に父親の手伝いを始めたのは20歳の時でした。

30歳の若さで父親から経営を引き継いでからは妻の孝子さんと二人三脚でウシの世話をしてきました。

妻・孝子さん
「丁寧だと思ったことなんてない。毎日こうだからおっくうになったことない」

2人で酪農を続けて50年。

365日、朝と夕方の2回の搾乳とウシのエサやりなどを欠かさず行ってきました。

幸夫さん
「いるやつは牛乳出ようが出まいが家族だからみなかわいい。家族と同然なんだ」

■「寂しいけれどまずここで」酪農を続けることをあきらめる決断

2人の子どもはそれぞれ別の仕事に就いていて、後継ぎはいません。

自分たちの年齢や体力も考え、去年、酪農を続けていくことをあきらめる決断をしました。

孝子さん
「十分に働いたからなんも心残りないな、すぱっと」
幸夫さん
「体のあれもある。金銭面で2、3年やればあれだなと思っていたが、やっぱりここでやめないとお互い体だめになっていくかなと思って、母さんに合わせたような格好」
孝子さん
「くも膜下やったことあるんですよ」
幸夫さん
「んだんだ」
孝子さん
「だからやっぱりな1回そういったことあれば」
幸夫さん
「難儀かけだ」

高橋さんのように事業の継続を断念する酪農家は年々増えています。

JA全農あきたによりますと、県内で1979年に1,090戸あった酪農家は、現在54戸と20分の1以下に減っています。

高齢化と後継者不足などが背景にあるとみられています。

幸夫さん
「もう2、3年ちょっとやりたかったけど、それ言えばずるずるずるずる自分は倒れるまでなってしまう。そうしてまでもやっていくべきではないかなと。寂しいけれどもまずここでいったん見切りをつけたいなということで踏み切った」

■「引き継いでくれる人がいれば頑張ってきた証も残る」第三者に継承へ

家族同然のウシを誰かに引き継いでもらいたい。

高橋さんは家族とも相談し、ウシをはじめ牛舎や土地などを第三者に承継することにしました。

今は美郷町をはじめ、地方の企業の事業承継に取り組む広告会社の協力を得ながらインターネットで後継者を募集していてます。

これまでに4組から問い合わせがあり、見学や面談などを行っています。

高橋幸夫さん
「もしやって継いでいってける人があれば、それは今までおら頑張ってきた証も逆に残ってくんだと」「ウシ、それからウシの子ども、自分の家族だと思って」「ウシを大事にやりながら引き継いでいってやってもらいたいなとそう思う」

半世紀にわたって積み重ねてきた酪農の日々。

高橋さんは後継者にバトンを託すその日まで、ウシたちに向き合い続けます。

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ウシたちはもちろん、牛舎や50年間培ってきた酪農の技術も貴重な財産ですね。

高橋さんは長年培ってきたその技術や知識もすべて後継者に伝えていきたいと話しています。

※5月28日午後6時15分のABS news every.でお伝えします