インタビュー:菊地凛子「恐怖や怖さを捨てて誰かを愛そうよ」
アカデミー賞(R)助演女優賞ノミネートによって、世界の“RINKO”となった菊地凛子。アレハンドロ監督、ブラッド・ピットら全ての出演陣、また世界中のマスコミから絶賛を浴び、日本人俳優のポテンシャルを知らしめてくれた彼女が語る映画『バベル』の魅力とは?衝撃のヌードシーンへの想い、そして女優としての自身のこれからについて、率直に語ってくれた。
■鮮烈な“世界”デビューを果たしましたね。『バベル』への出演経緯、また出演を決めた理由は?
こんなワールドワイドな作品に出演できるなんて、夢にも思ってませんでした。そもそも日本で女優としてずっとやれるかどうかもわからなかったですし…。正直不安でした。「いつまでやれるのかな、この仕事」って。そんなときに、私がとってもリスペクトしてる監督が、日本で映画を撮る、かつ英語が必要ない、そんなチャンス二度とない!と思いましたね。16歳という役柄の難しさや、監督が本当の聾唖(ろうあ)者を求めていたことも理解できました。だから「私がやれることをやるしかない!きっと最初で最後の機会だから」、ともう飛び込んでいく感じでしたね。1年間のオーディションを経たのですが、そのプロセスの中で、どっちに転んでも意味があるんじゃないかと思いましたし、落ちてもいいという覚悟がありました。とても良い時期を過ごせたし、いろんなことを経験させてもらいましたね。
■アカデミー賞助演女優賞ノミネートはじめ、世界中のたくさんの映画賞受賞&ノミネート、おめでとうございます。
大変光栄なことだと思います。私はとてもラッキーだったんです。この映画は素晴らしいスタッフさんたち、俳優さんたちで、バランスよく成り立っています。そういった皆さんの苦労だったり、映画が好きな情熱だったりが、この私の評価にすべて関わっている訳です。だから、皆のものであり、皆で喜びたい!そんな気持ちです。
■観客に衝撃を与えるヌードシーンにも挑戦されましたが?
ヌードに対しての抵抗はありませんでした。それだけ夢中だったし、集中してました。あのシーンで脱ぐ意味は絶対にあったと、それは観ていただければ分かるかと思います。あのシーンはチエコの全てが現れている、美しいシーンです。セクシャリティだけじゃない、動物的に“求める”方法のひとつとして、裸があったんだと思います。だからそんなシーンに抵抗があるといったら「何しに来たの?」ってことになりますよね。
私は女の人の裸ってきれいだと思うんです。これまで多くの画家が描いてきているように。人間は一枚一枚服をまとうことで感覚がずれてったんじゃないかとも思いますね、言語と同じで。本質的な人間の美しさだと思います。女優として自分がもっている道具は使うしかなかった、そんな感じです。
