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2022年に実施された学習到達度調査(PISA)において、日本の15歳の読解力は81カ国中3位となり、2018年調査の15位から回復しました。そのようななか、「『読む力』があるだけで、人生は変わる。勉強はもちろん、仕事の理解力にも、人間関係にも、情報選別にも、すべての土台になる力なのです」と語るのは、5人に1人を東大合格に導いた経験を持つ、市野瀬教育研究所所長・市野瀬早織さんです。そこで今回は、市野瀬さんの初の著書『東大合格者が身につけた 一生使える「読み方スキル」』より一部を抜粋し、読解力の大切さをお届けします。

【イラスト】同じフレーズを繰り返して演説する政治家。その狙いは…

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何度も言うのにはワケがある「繰り返し表現」は必ず拾う!

スピーチでも活用できる「大切なことを伝えるためのコツ」

本などで、書き手が言いたいことを伝えるために、頻繁に使っている文法表現が「繰り返し表現」です。

これは、政治家の演説をイメージしていただくとわかりやすいかと思います。

政治家は選挙前、街頭に立ち、または新聞やテレビなどのメディアで、自らが政治の一翼を担った際どんなことを実現するのか、声高らかに宣言しますね。

至難の業

本当に多種多様な手段を使って、国民から共感を得られるように、自分に投票してもらえるように、最後まで、汗水たらして工夫しつづけるわけです。

しかし、候補者の一人ひとりの主張をすべて正しく理解したうえで、投票用紙を握るということは、じつはそんなに簡単なことではないはずです。


『東大合格者が身につけた 一生使える「読み方スキル」』(著:市野瀬早織/東洋経済新報社)

「日々慌ただしくて、なかなか選挙演説を聞けない」「新聞すらまともに読む時間がない」という多くの社会人にとって、この政治家がいったい何をしてくれるのかについて理解することは、じつは至難の業とも言えることなのです。

政治家もそれをわかっています。

ポイントを繰り返し伝えること

そこで工夫しているのが、まさに政策のポイントを繰り返し伝えることなのです。

「減税によって、企業の成長を促進します。減税によって、家庭の負担を軽減します。減税によって、地域経済を元気にします」

何度も同じフレーズや、同じ内容を主張することによって、はじめて私たち国民も、

「そういえば、この人は駅前で**税をなくすと言っていたな」

「いまテレビでもう一度、**税の話をしてくれたおかげで、この人のポイントを思い出した」

という具合に、その政治家が実現に向かわせようとする政策を理解するということです。

繰り返される書き手の主張

これは文章でもまったく同じことが起こっています。

私が現代文の教員として、定期テストの問題を作成したり、大学入試問題を解説したりするに当たり、重点的にまず見るのも、本文の「繰り返し表現」です。

そして、たとえば問題をつくる際には、その繰り返し表現に着目して、「書き手が言いたいことを理解できているか?」という点を重視します。

繰り返し表現と言える箇所を「*文字以内で抜き出しなさい」とか、「この部分で言っていることはどういうことか? 選択肢から選びなさい」とか、設問のあり方はさまざまですが、何度も繰り返し問うことが少なくありません。

このような問いは「書き手の主張が理解できていますか?」、もっと直接的にいえば「繰り返し表現に注目していますか?」という問いなのです。

※本稿は、『東大合格者が身につけた 一生使える「読み方スキル」』(東洋経済新報社)の一部を再編集したものです。