2代目王者は? SV男子チャンピオンシップ出場チーム解説

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 「2025-26 大同生命SV.LEAGUE MEN チャンピオンシップ」が、いよいよ1日(金)から始まる。レギュラーシーズンの上位6チームが進出するチャンピオンシップ。そのチャンピオンシップに出場する6チームの特徴と注目選手を紹介していく。

サントリーサンバーズ大阪(レギュラーシーズン1位)

[写真]=Photoraid ※2025年12月27日撮影

 サントリーは昨季王者で今季レギュラーシーズン1位のSVリーグ最強チームだ。

 そのサントリーを一言で表すなら「最強の矛と盾」だ。

 「最強の矛」は世界最強OPのドミトリー・ムセルスキー。彼の218cmの身長を活かしたスパイクは、ブロックの上から放たれ、レシーブを吹き飛ばす威力を誇る。さらに身長はジャンプ力と違い、日によって変わることが無いので、常に高さを出せるので安定感がある。

 「最強の盾」は、それぞれのポジションで世界一のブロッカーとレシーバーたちだ。まずムセルスキーとイゴール・クリュカは、SVリーグのOPとOHでブロックが最高レベル。身長はそれぞれ218cmと207cmで高さはもちろんだが、駆け引きも上手い。わざとブロックを空けて敵のスパイクを誘い、打たれる瞬間に腕を振って塞ぐことで相手のスパイクをドシャットする。

 さらに日本代表の小川智大、髙橋藍、関田誠大は各ポジションで世界最高峰のディグ力を誇る。どんな強打にも跳びつき、ただではスパイクを落とさない。

 つまりサントリーは、「最強の盾」であるロシアコンビのブロックと日本代表のディグでスパイクを阻み、「最強の矛」であるムセルスキーで仕留めるチームだ。

注目選手:ドミトリー・ムセルスキー

[写真]=Photoraid

 注目選手はムセルスキー。今季限りでの引退を発表した世界最強OPだ。

 最強の矛であり盾でもある彼は、今季も八面六臂の大活躍。レギュラーシーズンのスタッツランキングでは総得点2位(821得点)、アタック決定率3位(53.3%)、サーブ効果率4位(13.4%)、1セットあたりのブロック本数2位(0.66本)を記録。つまり攻撃部門は全てTOP4に入っている。

 これでレシーブ力が低かったら可愛げもあるが、彼はパスも上手くて、チャンスボールの返球は丁寧でミスをするのはごくまれ。レセプション返球率も通算で41.2%と高い上に、巨体をペンギンのように滑らせて見せるパンケーキレシーブもお手の物だ。

 アタック、サーブ、ブロック、レシーブと全てにおいて隙が無く、世界トップと評されるのも納得の選手。さらに年齢を重ねるにつれて、コンディションのコントロールが上手くなったことで安定感も増していて、今が全盛期なんじゃないかと声が上がるほどの仕上がりようだ。

 それだけの選手が引退を発表している状態なので、有終の美を飾るべくモチベーションも充実した状態でCSに挑んでくるだろう。レジェンドの最後の輝きを見逃すな。

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大阪ブルテオン(レギュラーシーズン2位)

大阪ブルテオン(レギュラーシーズン2位)

[写真]=Photoraid

 レギュラーシーズンを2位で終えた大阪Bの特徴を解説する。

 一言で表すなら「レシーブ力最強」のチームだ。

 SVリーグの公式記録にはディグの項目は無いので、最もスパイクを上げたチームがどこかは正確には分からない。しかし試合を観れば一目瞭然で、大阪Bで間違いないと言い切れるほど、コートに全くボールが落ちない。

 選手全員が最後の最後までレシーブを諦めずに、ボールに飛びつく。SVリーグに限らず、レシーブ力は世界一のクラブと言い切ってもいいほどだ。

 それもそのはずで、各ポジションのレシーブ力ナンバーワンの選手が大阪Bには揃っている。

 リベロの山本智大は国際大会で2度ベストディガーを記録し、ベストリベロにも選出されている。OHの富田将馬は今季もSVリーグのOHでNo.1のサーブレシーブ成功率を記録。OPの西田有志も同ポジションでは世界一と言っていいディグ力を誇る選手だ。

 バレーボールで最も歓声が上がる瞬間はスーパーレシーブが起きた時。つまり大阪Bは、世界一会場を沸かすことが出来る、レシーブ最強のクラブチームだ。

注目選手:アントワーヌ・ブリザール

[写真]=Photoraid

 そんなレシーブ最強の大阪Bの攻撃を加速させるキーマンが、セッターのアントワーヌ・ブリザールだ。

 超攻撃型のセッターで、アタックやサーブで自ら得点を重ねる華麗なプレースタイルで、観客の心を奪う。大阪Bでユニフォームが最も売れているのは外国籍選手の彼とのことだ。

 セッターでは世界トップクラスの攻撃力に加え、セッターの本業と言えるトスも秀逸。自身の攻撃力も計算したトスワークで敵のブロックを翻弄し、ノーブロックの場面を何度も創り出す。

 そのトスワークもあり、大阪Bは全10チーム中アタック決定率1位を記録している。

 一時はアタック決定率1位を記録していた、大阪BのMBのエバデダンラリーアイケーは、「クイックが決まるかはセッターが9割で僕は打たせてもらってるだけ」と語る。

 流石に謙虚過ぎるコメントだとは思うが、そんなコメントが出るほどブリザールのクイックを使うタイミングは完璧ということだ。

 最強のレシーブ力で、攻撃力満点セッターのポテンシャルを引き出した結果、「ボールが落ちない上に、セッターが自在にスパイカーを操る」観ていて痛快なチームが完成した。

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ジェイテクトSTNGS愛知(レギュラーシーズン3位)

ジェイテクトSTNGS愛知(レギュラーシーズン3位)

[写真]=須田康暉

 今季のSTINGS愛知は、「最強の保険屋」だ。

 STINGS愛知の主要スタッツは、実はブロックを除いてすべて5位以下。そんな強みが数値に出ないSTINGS愛知がレギュラーシーズンで3位だった要因は、「トリー・デファルコ&リカルド・ルカレッリ・ソウザの最強保険」だ。

 世界トップクラスのOHの2人のどちらかが常にベンチに控えていて、追い詰められたらどちらかが交代で出場。流れを変えて逆転勝利へと導く。

 実際にSTINGS愛知のフルセットの勝率は8勝1敗で、途中交代のデファルコかルカレッリのどちらかがゲームチェンジャーとなっていた。

 「最強の保険」が上手くハマってる理由は大きく2つ。1つ目はそれぞれ武器が違うことだ。2人は似たタイプのOHだが、デファルコの武器はパワーで弾き飛ばすブロックアウト、ルカレッリの武器はクロスへの強打。異なる武器を持つため、敵にディフェンスでの適応を強要させる。

 2つ目はフレッシュな状態で出られることだ。敵が2セット以上戦って疲労が蓄積している中、体力満タンでベンチから敵を観察して得点パターンを何通りか持った状態で出場してくる。

 CSでも最後の最後まで大逆転の可能性を秘めたSTINGS愛知から目が離せない。

注目選手:ステファン・ボワイエ

[写真]=須田康暉

 そのSTNGS愛知の注目選手は、最強保険2人に次ぐ3人目の外国籍選手のステファン・ボワイエだ。

 2026年のフランス代表に選出されたOPで、世界屈指の高さとパワーに、安定感を両立した選手だ。196cmと世界のOPとしてはやや小柄だが、全身がバネのようにしなる肉体でよく跳び、限界まで弦を引っ張った弓が弾かれるように、腕を高速で振りスパイクを放っていた。

 ボワイエは今季のSVリーグの得点王(869得点)だ。トップスコアラーの称号は得点力の高さはもちろんだが、シーズンを通してケガをしないフィジカルの強さと安定感の証明となる。

 デファルコやルカレッリが頻繁に交代してもチームが崩れなかったのは、どんな時でもボワイエが安定した大砲でいたおかげもあるだろう。

 またアタック以外でも、ブロックの決定本数も全選手中4位(87得点)だった。

 さらにサーブのギアはもう一段上がる可能性がある。昨季まで所属していたプルスリーガ(ポーランド1部)では2年連続でサービスエースランキングTOP5に入っていて、2022-23シーズンは1位だった。

 CSでも安定感のあるスパイクに加え、SVリーグで数値を残したブロック、プルスリーガでトップだったサーブにも注目だ。

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ウルフドッグス名古屋(レギュラーシーズン4位)

ウルフドッグス名古屋(レギュラーシーズン4位)

[写真]=吉川はる※2025年11月13日撮影

 WD名古屋は「サーブ最強」のチームだ。

 全10チームの中でサーブ効果率ランキングは3位で、サントリーや大阪Bの方が上位だが、個々のサーブ得点能力はWD名古屋の方が高い。コートに立つ6選手全員がサービスエースを狙えるビッグサーバーだからだ。

 今季トップサーバーの水町泰杜、世界屈指のジャンプサーバー宮浦健人、サーブ効果率セッターNo.1の深津英臣の3選手を中心としつつ、他の主力選手も全員がジャンプサーブを放つ。

 常にサービスエースを狙える布陣のためブレイク率が高く、点差がついても巻き返しを狙える爆発力が特徴だ。

 さらにWD名古屋がCSで戦う可能性のある2チーム(広島TH、サントリー)は両チームともにブロックが強み。(1セットあたりのブロック決定本数がサントリー1位、広島TH2位)

 WD名古屋が強みとしているサーブは、2チームの強みであるブロックに阻まれない唯一の攻撃手段。サーブが走れば敵の得意な土俵にも上がらずに立ち回れるため、相性が良い相手と言える。

 CSでは全ローテーションで敵にプレッシャーをかけ続けるWD名古屋のサーブに注目だ。

注目選手:宮浦健人

[写真]=吉川はる

 そのWD名古屋の注目選手は宮浦健人だ。

 レギュラーシーズンで日本人選手トップスコアラーのエースだ。

 注目ポイントは彼の新たな武器である「速さ」だ。2025年の日本代表シーズンはネーションズリーグで全試合スタメン出場し、宮浦の武器である「高さ×パワー×コース打ち」を活かす比較的高いトスを打ち切ることで大活躍を見せた。

 しかしその後の壮行試合と世界選手権では、VNLでデータを取られたことと、チームで取り組んだ「速い」トスにフィットしきれずアタック決定率が落ちた。(VNL52.06%→世界選手権44.12%)

 そこで宮浦はVNLで通用した、比較的高いトスからの「高さ×パワー×コース打ち」という武器を一度手放すことを決断。WD名古屋では徹底して「速い」コンビに挑戦し続けた。

 しかしリーグ序盤はコンビが合わず苦戦。速いトスでブロックは躱せるものの、打点は下がり、ボールに体重が乗らず、コース打ちの余裕も無く本来の強みが失われていた。

 それでも12月の天皇杯を勝ち抜く中で徐々にコンビが噛み合いだし、「速さ」と本来の強みである「高さ×パワー×コース打ち」を両立。天皇杯の決勝戦ではチーム最多の23得点(決定率67.7%)で優勝&MVPに輝いた。

 新生宮浦のパワフルかつスピーディなアタックに注目だ。

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広島サンダーズ(レギュラーシーズン5位)

広島サンダーズ(レギュラーシーズン5位)

[写真]=須田康暉

 広島THは「ブロック最強」のチームだ。全チームの中で最もブロックに隙が無い。

 ブロックランキング(1セットあたりの決定本数)でも全チーム中2位を記録。1位はサントリーだが、身長170cm代の関田誠大がいるため、ブロックの隙の無さでは広島THが上回ると言っても過言ではない。

 サイドアタッカーは最高到達点355cmの新井雄大、OHの中で2位のブロック成績を誇るクーパー・ロビンソン、身長212cmのフェリペ・モレイラ・ロケが揃う。加えてMBには昨季トップブロッカーの西本圭吾、今季はその西本を越えて日本人トップブロッカーの三輪大将の2人が世界最高峰のブロック技術を振るう。

 セッターの永露元稀も192cmの長身で、全ポジションに穴が無い。広島THは強みであるブロックを活かした、サーブ&ブロックとブロックでワンタッチを取ってからのエース勝負が基本となる。

 逆に弱点は全10チーム中最下位のサーブレシーブだ。Aパスさえ返ればSVリーグでもトップクラスの決定力を誇る三輪と西本の強力なクイックが使える。レセプション返球率の安定がCSのキーになる。

注目選手:クーパー・ロビンソン

[写真]=須田康暉

 アメリカ代表の23歳のOHで、広島THの中で最多得点のエースだ。

 その最大の強みは「高さ」と「若さ」だ。「高さ」については身長202cmを活かしたアタックとブロックで結果を残している。アタックの決定率は全選手中10位、1セットあたりのブロック決定本数も11位だ。

 「若さ」については、一度エンジンがかかると止まらない勢いがある。アタックもサーブもフェイントなどの搦め手の頻度が低いが、その分迷わず腕を振り切るので、一度ノったら手が付けられない。

 その一方でサーブレシーブ返球率ランキングは規定回数以上受けている中では最下位だ。しかし全くの苦手ということではなく、中強度のサーブならしっかりAパスを入れることができる。

 アタックでもマークされて、サーブでも狙われるのはエースの宿命。大卒一年目で初めてのクラブシーズンを過ごしたアメリカの若き才能の、集大成となるCSでの活躍に期待だ。

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東京グレートベアーズ(レギュラーシーズン6位)

東京グレートベアーズ(レギュラーシーズン6位)

[写真]=市川雄大※写真は2026年2月28日撮影

 東京GBを一言で表すなら「メタチーム」だ。

 頻繁に交代することで、敵の弱点を突いていくスタイル。この戦術は理論的には強いが、ハイリスクハイリターン。実際に国際試合でも2枚替えをするが、上手くいかずにすぐに元に戻したり、重要な試合ではそもそも2枚替えを使わないチームがほとんどだ。

 しかし東京GBはベンチメンバーを含めた12人全員がスタメンのバレーで、常日頃から選手を入れ替えているため、交代してすぐに力を発揮出来る。

 例えばサーブを武器にするMBの伊藤吏玖は、ピンチサーバーで出場した際には当然のようにブレイクを奪う。

 終盤の2枚替えで出場するヤン・コザメルニクと柳田将洋もそれぞれ強みを活かしてサイドアウト率を高めて試合を畳む。コザメルニクは高さのあるクイックでAパスが返った時は確実に得点を決める。柳田は交代先であるルチアーノ・ヴィセンティンよりも安定したサーブレシーブと、得意のパイプでサイドアウトを切る。

 このように交代した選手が活躍することで、強豪クラブとも渡り合って勝利を納めてきた。

 CSでもSVリーグで最も選手を入れ替える東京GBの多彩な戦略に注目だ。

注目選手:古賀太一郎

[写真]=市川雄大

 選手交代が多い東京GBが総崩れしないのは、古賀の安定感抜群の守備があるおかげだ。

 古賀は今季のSVリーグのリベロで唯一サーブレシーブの受け数が1000本を超えた選手だ。ルール改定(サーブトス後のポジションチェンジ可能)を最も活かしたリベロで、積極的に味方とレシーブ位置を入れ替えることで受け数を増やした。

 東京GBは全10チームで唯一、サーブレシーブ受け数がリベロ>OHのチームだ。

 古賀がサーブレシーブの多くを請け負ったことで、攻撃型のOHが多い東京GBが、サーブレシーブ成功率ランキングは全チーム中4位(40.6%)と好成績を記録した。

 また古賀はサーブレシーブ以外にもディグも取りこぼしの無い選手。日本代表リベロの山本智大のように静のレシーブで、ブロックの脇を抜けたアタックは逃さず確実に上げる。

 東京GBの多彩な戦略を支える、キャプテン古賀の守備範囲の広いサーブレシーブと堅実なディグに注目だ。