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こども家庭庁は医療機関における患者(こども含むすべての年代)の性被害に関する初の実態調査の結果を4月28日公表しました。回答した医療機関のうち15.5%で患者への性的トラブルが発生、そのうち3分の1で実際に性被害が確認されたということです。

ことし12月25日には「こども性暴力防止法」が施行される予定で、学校や保育所などや認定を受けようとする塾やスポーツクラブなどで、こどもへの性被害を防ぐ対策が義務づけられます。この法律の対象に医療機関を今後追加すべきかを検討するにあたり、医療機関での性被害の実態を把握するため、こども家庭庁が初めて調査したということです。

アンケートには、全国の医療機関から1113件の回答がありました(単数回答)。「過去に医療従事者からこどもを含む患者への性的トラブルが発生したことがある」という問いに回答した903件のうち、「ある」が140件で15.5%にのぼりました。さらにこのうち3分の1にあたる36件は「調査や聴き取りの結果、性的な被害につながる行為が確認された」という回答でした。また「調査や聴き取りの結果、問題のある対応ではなかった」が33件、「調査や聴き取りの結果、不適切な対応はあったが、性的な被害につながる行為は確認されなかった」が29件、「調査や聴き取りをしていない」が3件、「その他」が5件でした。

「性的トラブルの発生」、「性的な被害と確認された」場合、いずれも場所として最も多かったのは「入院病室」で次いで「診察室」でした。「性的トラブル発生」の要因について(複数回答)は「1対1になっていた」がおよそ6割で、「密室や目の届かない空間」も3割近くにのぼりました。

診療科別では「内科」「心療内科・精神科」や「リハビリテーション科」が多くを占めました。

「性的トラブル発生」の場合の患者の年齢は6〜12歳が3.7%、13〜18歳が6.4%、19〜30代が42.2%で、40〜50代が18.3%、60歳以上が29.4%でした。また患者の性別は女性が多いものの、男性もいて、その割合は「性的トラブル」では20%、「性的な被害と確認された」場合では34.4%でした。

今回の調査結果について有識者研究会では「医療行為には、診察などに必要な身体接触などがあるため、医療行為か性加害行為か、患者側が判断しづらい」といった課題があげられました。また内科のほか、心療内科・精神科での事案が多い点については「信頼関係の中で会話を通じた治療を行うため、経験が浅いと患者との距離感を間違えてしまい、トラブルを起こしてしまうことがありうる」といった指摘もありました。

トラブルや性被害を防ぐ対策としては「医療従事者が医療行為の内容を適切に説明し、患者もそれを適切に理解すること」や「診療に第三者の同席を促すなど診療のあり方の改善につなげること」が重要だという意見が複数の構成員から出されたということです。

今回の調査結果では、確認された性被害のうち、未成年の患者は非常に少なかったものの、こども家庭庁は「1件でも起きていることは深刻に受け止めるべき」と話しています。また今回の結果を受けて、医療機関を「こども性暴力防止法」の対象に加えるかどうかについては、さらなる分析が必要だとして、検討を続けるということです。