ファンを魅了する池山ヤクルト “評論家予想”をはねのけるシーズン期待
ヤクルトの池山隆寛監督と話をしていると、取材しているこちらも思わず笑顔になる。
神宮球場での試合前の練習中。池山監督はわざわざスタンドまでやって来て、担当記者らと話をする時間を設けてくれる。目の前の試合のことはもちろん、他愛のない雑談も。そういえば亡くなった野村克也監督も、練習中のベンチで記者に囲まれて話をするのが常だった。独特の「ぼやき」を聞いていた日々を思い出す。
そんな池山監督の優しさに甘えて、開幕前の評論家予想について質問してみた。スポニチは26人が予想して全員がヤクルトの最下位。他のスポーツ紙やテレビなども予想は軒並み下位だった。
怒られるかな、と思いつつ「予想は見ましたか?」と聞いた。「見るでしょ、そりゃ。私も(評論家として順位予想を)やっていた方だから」。そして「(最下位予想は)当然じゃない?3冠王(ホワイトソックスに移籍した村上宗隆)が抜けてるんだから。普通に考えるとそうやわ」と言って笑っていた。
試合中のベンチでも大きなアクションで喜怒哀楽を表す。肩肘を張らない自然体が池山監督の魅力であり、その姿に若い選手は背中を押されているんだと思う。
指揮官によっては「新聞の予想を見返そう!」と選手にゲキを飛ばす人もいるだろう。池山監督も現役時代、当時の監督に言われたことがあるという。
ただ、自分からは選手には言っていない。「見返すも何も、長いシーズンはどうなるか分からへんから。こっからコケるかも分からんし。とりあえず今は順位が(最下位の予想と)変わってるから。それが長く続くように」。指揮官1年目ながら泰然としており、そして実は腹が据わっている。
チームは現在、14勝5敗で堂々のリーグ首位。快進撃の中で池山監督が何よりも大切にしていることがある。「選手に気持ち良くプレーしてもらうのが一番大事」――。一緒に笑い、悔しがり…。そんなヤクルトの試合は見ていて面白いし、ファンを魅了している。ぜひとも評論家陣の予想をはねのけるシーズンにしてほしい。(記者コラム・鈴木 勝巳)
