なぜ寝てもだるいの? チェックリストで判明する「貧血・甲状腺・糖尿病」の可能性

倦怠感の原因を効率よく整理するには、チェックリストの活用が有効です。事前に情報をまとめておくことで、医療機関での診察もスムーズになります。本章では、受診前に整理すべきポイントやチェック結果から考えられる疾患について解説します。自分の状態を正確に伝えるための準備として役立てましょう。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

倦怠感チェックリストの活用法

倦怠感の原因を絞り込むために、構造化されたチェックリストを用いることで、受診前の整理や医師への情報提供がスムーズになります。

医療機関受診前に整理すべき情報

受診前には、倦怠感の持続期間、発症のきっかけ、日内変動、症状の程度、随伴症状、服用中の薬剤、既往歴、家族歴、生活習慣、最近の体重変化、女性の場合は月経の状態を整理しておきます。倦怠感が急に始まったのか、徐々に悪化したのか、特定の活動後に増悪するのかといった経過も診断の手がかりとなります。また、過去に受けた健康診断や血液検査の結果があれば持参することで、比較検討が可能となります。服用中の薬剤には、倦怠感を副作用として引き起こすものがあるため、お薬手帳や薬剤情報提供書を持参すると有用です。

チェック結果から考えられる疾患

チェックリストの結果から、貧血、甲状腺機能異常、糖尿病、肝臓疾患、心疾患、うつ病、更年期障害、慢性疲労症候群などの疾患が推定されます。たとえば、寒がり、体重増加、便秘、むくみが伴う場合には甲状腺機能低下症、動悸、息切れ、めまい、顔色不良が伴う場合には貧血、抑うつ気分、意欲低下、集中力低下が伴う場合にはうつ病の可能性が考えられます。また、多飲、多尿、口渇、体重減少がある場合には糖尿病、黄疸、腹部膨満、右上腹部痛がある場合には肝臓疾患、息切れ、下肢のむくみ、夜間の呼吸困難がある場合には心不全を疑います。これらはあくまで推定であり、確定診断には医療機関での詳細な検査が必要です。

まとめ

倦怠感は日常生活の質を大きく低下させる症状であり、その背景には多様な要因が存在します。睡眠の質の低下、更年期におけるホルモン変動、心理的ストレス、貧血や甲状腺機能異常といった身体疾患など、原因を特定するためには症状の詳細な観察と血液検査が不可欠です。生活習慣の見直しやストレスマネジメントにより改善が期待できる場合もありますが、症状が持続する場合には医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

参考文献

厚生労働省慢性疲労症候群

日本甲状腺学会甲状腺の病気について

国立がん研究センター がん情報サービス「倦怠感(だるさ)」