65歳の私は年金「月13万円」なのに友人は「月20万円」。現役時代の友人はどれくらい稼いでいたのでしょうか……?
年金額から年収を求める方法
現役時代の収入水準の目安は、厚生年金の受給額のうち「報酬比例部分」の金額を加入期間や計算式を逆算して推定できます。日本年金機構によると、報酬比例部分とは、加入期間や現役時代の給与・ボーナスの多さに応じて決まる、老齢厚生年金などの基礎となる部分のことです。
日本の公的年金は、保険料納付済期間などに応じて決まる「老齢基礎年金」と、加入期間や現役時代の収入に連動する「老齢厚生年金」の2階建て構造になっています。そのため、年収を推定する際は、まず手元のねんきん定期便や年金振込通知書などで「老齢厚生年金」の額を特定しましょう。
具体的な計算には、以下の式を用います。
平均標準報酬額の目安=報酬比例部分の年額÷(加入月数×0.005481)
上記で求められるのは実際の年収ではなく、年金計算の基礎となる「平均標準報酬額の目安」です。この式の「0.005481」は給付乗数と呼ばれ、月給とボーナスを合算した平均額を算出するために使用します。正確には、2003年3月以前の期間は、現在よりも高い「0.007125」という数字が使われていました。
しかし、現在の受給者が当時の正確な月収とボーナス比率を分けて逆算するのは難しいため、全期間を現在の基準(0.005481)で計算することで、収入水準の目安を把握することができます。
年金月13万円と月20万円なら年収の差はいくらになる?
受給している年金額が月13万円の人と月20万円の人では、現役時代の年収にどの程度の差があるのかを詳しくみていきましょう。ここでは加入期間を42年間(504ヶ月)と想定し、それぞれの年収をシミュレーションします。
便宜上、今回は受給している年金額から老齢基礎年金を差し引いた額を報酬比例部分と仮定します。また、老齢基礎年金額は月約6万8000円として計算します。
月13万円の年金を受け取っている場合、老齢基礎年金を差し引いた報酬比例部分は、年間で約74万4000円です。この金額から逆算すると、42年間を通じた平均標準報酬額に基づく収入水準は323万円前後であったと推定できます。
対して、月20万円を受給している方の報酬比例部分は、年間で約158万4000円に達します。同様の条件で計算を進めると、この金額を積み上げるために必要な42年間を通じた平均標準報酬額ベースの収入水準は688万円ほどになります。
月々の受給額に7万円の差があることは、現役時代の収入水準に一定の差があった可能性を示していますが、実際の年収差をそのまま表すものではありません。
年金を増やす方法について
将来受け取る年金額を増やす方法は、加入している制度によって異なります。会社員や公務員など厚生年金に加入している人の場合は、厚生年金の加入期間を延ばしたり、受給開始時期を繰り下げたりすることが主な方法です。
例えば、60歳以降も厚生年金に加入しながら働けば、その分だけ老齢厚生年金に反映される可能性があります。また、老齢年金の受給開始を66歳以降に繰り下げると、1ヶ月あたり0.7%ずつ年金額が増額される仕組みです。
一方、自営業者やフリーランスなど国民年金の第1号被保険者であれば、60歳以降の任意加入によって老齢基礎年金を満額に近づけたり、付加年金や国民年金基金を活用したりする方法もあります。
なお、どの方法が使えるかは働き方や加入状況によって異なるため、自身がどの年金制度に加入しているかを確認したうえで検討することが大切です。
友人は現役時代に平均して年収688万円ほど稼いでいた可能性がある
年金受給額のうち、現役時代の稼ぎが反映されるのは「報酬比例部分」です。今回のシミュレーションによれば、月13万円と月20万円受給している人には、42年間を通じた平均的な年収水準としておよそ365万円もの開きがある可能性があることが分かりました。
ただし、今回の試算はあくまで平均標準報酬額を基にした目安です。実際の年収や働き方によって大きく異なる点に注意しましょう。
正確な年収を導き出すには、まず手元の年金振込通知書などで自身の老齢厚生年金の額を把握する必要があります。
老後資金に不安を感じている方は、厚生年金の加入期間を延ばしたり、受給開始時期の繰り下げを検討したりする方法があります。なお、自営業者やフリーランスであれば、任意加入や付加年金などを活用できる場合もあります。
出典
日本年金機構 年金用語集 は行 報酬比例部分
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

