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ノイエ・クラッセの第2弾

BMWは、新型EV『i3』を正式発表した。主力の『3シリーズ』で初となるフル電動モデルであり、革新的なデザインと、市販EV最長クラスの航続距離を実現した。

【画像】日本には2027年以降導入予定! 新世代3シリーズのデザインは?【BMW i3セダンを詳しく見る】 全43枚

次世代EVラインナップであるノイエ・クラッセの第2弾となる新型i3は、半年前に公開されたSUV『iX3』と基本構造の大部分を共有しており、EV専用設計の800V Gen6プラットフォームをベースとする。


BMW i3セダン    AUTOCAR

i3という名称は、2022年に生産終了した先駆的な電動ハッチバックから受け継いでいる。

特筆すべきは、BMWがライバルのメルセデス・ベンツに先んじてi3を市場投入した点だ。メルセデスの次期Cクラス with EQテクノロジーは今後数か月以内に登場する予定で、さらに2020年代後半にはアウディからA4 eトロンも加わる。

BMWは2021年から同様のサイズを持つ『i4』を販売しているが、内燃機関モデルと同等の性能の実現を目指し、EV版3シリーズの導入を遅らせていた。

i3と並行して、BMWは現行のCLARプラットフォームを採用した内燃機関搭載の3シリーズも販売を継続する。同車はまもなく大幅な改良が施され、デザインとテクノロジーの両面で8代目モデルに歩調を合わせる予定だ。BMWのエンジニアはAUTOCARに対し、「実質的には新型車」だと語った。

当初はセダンのみで販売されるが、ツーリング(ステーションワゴン)仕様も登場する予定だ。高性能のMモデルは2028年に登場予定であり、EVの走行性能において「新たな基準を打ち立てる」とされている。

市販車最長クラスの航続距離

発売当初は四輪駆動の『i3 50 xドライブ』仕様のみが用意されるが、他のバリエーションも計画されている。

108kWhのニッケル・マンガン・コバルト(NMC)バッテリーを採用し、最大900kmの航続距離を実現した。これは欧州で販売されるEVの中で最長であり、メルセデス・ベンツEQSをも凌駕する。


BMW i3セダン    AUTOCAR

バッテリー自体はiX3と同じだが、空気抵抗の少ないセダンのボディ形状により、航続距離は95kmも長くなっている。アンダーボディを完全に密閉している点も大きい。また、Gen6(第6世代)と呼ばれるプラットフォームでは、前部座席をバッテリーパックに直接固定できるため、ルーフラインを可能な限り低く抑え、空力性能を向上させることができる。

バッテリー残量が減った場合、最大400kWのDC急速充電に対応し、わずか10分で400km分の充電が可能だ。AC充電の最大出力は22kW。

i3 50 xドライブでは、2基の電気モーターを使用する。リアに326psの同期モーター、フロントに168psの非同期モーターを搭載し、合計出力469psと最大トルク65.8kg-mを発揮する。

新型3シリーズならではキャラクター

BMWは0-100km/h加速タイムをまだ公表していないが、車重が2.3トンあるにもかかわらず、約4.0秒になると予想される。

i3とiX3はプラットフォームを共有しているが、足回りのセッティングには大きな違いがある。例えば、i3のスプリングは柔らかめで、トップマウントブッシュの剛性は低く設定され、異なるアンチロールバーが装着されている。その結果、ヨーやロールの慣性が小さくなっているという。

エンジニアはAUTOCARに対し、「iX3よりもi3の方が、良好なロール特性と快適性を得やすい」と語り、さらにクイックなステアリングレシオと高速域での空力性能向上により「新型3シリーズならではキャラクター」を生み出していると付け加えた。

前後重量配分は50:50。

現行型よりややサイズアップ

i3のボディサイズは全長4760mm、全幅1865mm、全高1480mmと、現行3シリーズよりも全体的に大型化している。それでも「典型的なBMWセダンのプロポーション」、すなわちロングボディとショートオーバーハングを維持していると、BMWのコンパクトカーデザイン責任者であるオリバー・ハイルマー氏はAUTOCARに語った。

ハイルマー氏によると、最大の特徴は新しいフロントデザインであり、これは「3シリーズの顔の新たな解釈」だという。iX3と同じノイエ・クラッセの理念を踏襲し、ヘッドライトとキドニーグリルを一体化したものだ。


BMW i3セダン    AUTOCAR

しかし、iX3のグリルが車高を強調するために縦長で細いデザインであるのに対し、i3のグリルは車幅を強調するためにワイドに設定されている。

デザイナーのフェリックス・シュタウダッハー氏はAUTOCARの取材に対し、3シリーズに「まったく新しいデザイン言語」をもたらしたと語った。その理由は、「アイコンを自由に操ることが許された」からだと説明。大きく変化を遂げたものの、「一目で3シリーズとわかる」デザインだという。シュタウダッハー氏は、3シリーズこそが「BMWを定義する原点」であるため、i3が「新世代のBMWの基準」になると語った。

従来のインパネは廃止

インテリアも一新されている。中心となるのは、最新のiドライブを搭載し、車内のほとんどの機能を制御する、平行四辺形の17.9インチタッチスクリーンだ。

インストゥルメントパネルはなく、その代わりに全長43.3インチの「パノラミックiドライブ」ディスプレイが搭載されている。フロントガラス底面、ドライバーの視線よりやや下に配置され、車速やバッテリー残量などの主要な情報を表示する。


BMW i3セダン    BMW

インストゥルメントパネルの廃止により、ステアリング設計を見直すことが可能になった。シュタウダッハー氏によると、このステアリングホイールはBMW史上「最高のエルゴノミクス(人間工学)」を実現しているという。実際、従来より太く厚みが増し、初めてハプティック(触覚フィードバック付き)コントロールを採用している。

内燃機関搭載の改良型3シリーズも、こうした変更点を反映する予定だ。

i3はBMWのミュンヘン本工場で生産される。価格はまだ発表されていないが、BMWによると、ハイブリッドの3シリーズと同程度になるようだ。

日本への導入は2027年以降を予定している。