WF-1000XM6レビュー:音質は間違いなく優勝、ソニーがイヤホン最高記録をまた更新
まぁ、正直レビューするまでもない。レビューしなくても最高峰なのはわかる、と言いたいところですが、今年はデザインが大きく変わっていますからね。
先日発表されたソニーのワイヤレスイヤホン1000XMシリーズ新モデルとなるWF-1000XM6。発売前に米Gizmodoがレビューしました。昨年リリースされたヘッドホンWH-1000XM6は大絶賛レビューされてますが、その姉妹となるイヤホンは…。
WF-1000XM6は2月27日発売。価格は4万4550円。
王者になるのは簡単なことではありませんが、それだけに王者だけが手に入れられる特権もあります。その特権のひとつは、将来のさらなる成功を手にしやすいことでしょうね。だって、王者になれるだけのベースはすでに出来上がっているわけですから。
そういう意味では、ソニーのイヤホン新モデルWF-1000XM6は前モデル(WF-1000XM5)がイヤホン界の王者ということもあり、その恩恵を一身に受けて誕生したことになります。一方で、王者の後継機として、発表前から高いハードルを突きつけられた端末でもあります。
WF-1000XM5がリリースされた2023年、私たちはこれを今買えるイヤホンの最高峰だと絶賛しました。なにしろコンパクトになって、アクティブノイキャン機能(ANC)は向上し、音もよくなっていたので、こうした絶賛は当然の結果だったわけで。
そしてWF-1000XM6はその前モデルの結果を…、見事に超えてきました。
サウンド優勝!
WF-1000Xシリーズはとにかく音がいい。もはや音がいいことが大前提として約束しているシリーズと言っても過言ではなく、ゆえに音楽やポッドキャストを日常的に聞く人から支持されています。
新モデルWF-1000XM6では、グラミー賞受賞のトップクラスのサウンドエンジニアと音作りをしたというだけあって、間違いない音の良さ。グラミー賞をいつどの作品でとったの?なんて細かいことは知らなくてもいいんです。聞けばわかる。本当に素晴らしい音なんです。
個人的に音質が気に入っているパナソニックのTechnics EAH-AZ100よりも、サウンドクオリティは高いと感じました。
オーガニックでクリア、ジャンル問わずニュアンスを再現したサウンド。ソニーの専用アプリのイコライザーで調整することはできますが、それさえ必要ないと思うほど箱から出したデフォの状態がすでにトップクラスの音。
ロックのジャンルだと、中音が特にいい感じです。ギターの音のクリアさ、存在感、音のテクスチャー、そして全体的なバランス、お見事!
もちろん低音もいい。やりすぎな人工的ブーストを感じさせず、パワフルな存在感を放つまさに理想的な音。Technics EAH-AZ100と交互に聞いてみると、若干Technicsの方が平坦な音に感じられました。重箱の隅を突くような違いとも思いますが、でも、ソニーのチューニングには隅を突く隙すらないんです。
この音を実現しているのはドライバーなのか、トップサウンドエンジニアによるチューニングなのか、その両方か。
WF-1000XM6は、ソニー独自技術のDSEE Extremeに対応。これは、圧縮音源をアップスケールする技術です。もうね、音がいい。Bluetooth経由で失われる音が補完されています。
音の良さでは優勝決定ですが、あえて言うとしたら音量かな。ただ、それも僕が常にうるさいニューヨークという街に住んでいるからそう感じるのかもしれません。もっとも、この一点が足を引っ張ることもないほどのサウンドクオリティではありますが。
新たなデザイン
WF-1000Xシリーズとして、今回は外観デザインのアップデートが行なわれています。前モデルのWF-1000XM5から11%スリムになって、楕円形状に。
見た目での耳馴染みは良くなったと思いますが、個人的にはこの新デザインはまぁ普通。前述のTechnics EAH-AZ100の方が見た目は好きかな。まぁ、デザインなので個人の好みの問題です。
ケースもデザイン変更。イヤホンと同じマット仕上げで、前モデルの丸みをカット。前々モデルに近く、そこからさらに丸みを排除したデザイン。
充電用のUSB-Cポートとペアリングボタンは後ろにあります。個人的にはこのケーストップを閉めるときのクリック感、けっこう好きです。
WF-1000XM6の新デザインで、ソニーは装着感の向上をアピールしていますが、どうかな…。期待しすぎたのかそれほど感じませんでした。もちろん、悪いわけではないです。いいんです。でも、装着感がよくなった!と特筆するほどではないかな。
というのも、4サイズあるイヤーチップが、僕にはどうもどれも合わないみたいで…。どのサイズも、きゅっとはまらないんです。ゆえに、どうしても周辺音が漏れるのでパッシブノイキャン力は下がります。もっとも、イヤホンが落ちそうなほど緩いことはないので、これはあくまでノイキャンの話。詳しくは後述します。
もちろん、フィットには個人差があるので、WF-1000XM6でシンデレラフィットした!という人もいるはず。
優れたANC、でも最高峰ではない
WF-1000XM6は新たなノイズキャンセル処理チップQN3eを搭載、内蔵マイクの数も増やしてノイキャン性能を向上。ソニーいわく、前モデルWF-1000XM5からさらにノイズを25%も低減しており、特に中低音が強いとのこと。
僕は数々のイヤホン・ヘッドホンをレビューするので、ノイキャン性能比較には自信があります。それでいうと、WF-1000XM6のノイキャン性能は当然平均を超えてきます。が、最高峰とは言い難いかな。
最近リリースされたものだと、Nothing Ear (3)やGoogleのPixel Buds 2aよりは、もちろんノイキャン性能が高いです。でも、個人的1位のBose QuietComfort Ultra Earbuds (第2世代) には及ばず。現状、ANC王者はBoseですね。ニューヨークの地下鉄でも周辺の音がほぼ聞こえないほどなので。
ただし、これって先述したフィット感、イヤーチップの影響もあるのかなと思います。どうしてもギュっとしたフィット感のチップがなくて、ゆえに周辺音がはいってくる。だからANCにも影響する。
つまり、チップのフィット感が高い人は、WF-1000XM6のANC性能について、僕とまた違った意見になるかと思います。
あくまで僕のレビューでは、WF-1000XM6のANC性能は高いがベストではない。サウンドクオリティほどの圧倒的王者ではないということです。
通話品質サイコー!
ANCで触れたマイク増設、これで通話品質も向上しています。この非常に高い通話品質はサウンドクオリティに次ぐWF-1000XM6の魅力となっています。
これを実現するのは、まず骨伝導センサー。通話品質をソフトで強化しようと思えば、まずユーザーの声を認識することからでしょう。てことで、骨伝導によって、イヤホンを装着しているユーザーの声を認識、他の声・音と切り離すことができます。
これに加え、AIビームフォーミングノイズリダクションアルゴリズムによって、ユーザーの声と周囲のノイズをさらに分離。その結果、通話がクリアに聞こえるだけでなく、自分の声を通話相手にクリアに届けることもできます。
WF-1000XM6で、3人とFaceTime通話してみましたが、通話スコアは10点満点中8点。これ、けっこういい方なんです。
機能は?
音楽を聴いている時間や通話時間が長い人に朗報なのが、WF-1000XM6のバッテリーもち。ANCありで8時間となっていますが、レビューでも同等でした。比較対象のTechnics EAH-AZ100は10時間ですが、8時間でも平均以上です。
機能面ではWF-1000XM5と同じ。イヤホンのタッチ操作(再生・停止、曲送り、ANCオンオフ)も同じだし、専用アプリのイコライザーも同じだし、装着した時に日時を流すかどうかのオプション的カスタマイズも同じです。
ソニーのアプリには「Scene-based Listening」という、ユーザーの行動パターンによって音楽などを自動再生する機能があります。あるのですが、これはユーザーの行動を機械学習する必要があるため、レビュー執筆前までに試すことはできませんでした。
購入の決め手になるかはさておき、ユニークな機能ではあります。
総評
WF-1000XM5の後継機として期待を裏切らない素晴らしいイヤホン。しかし、イヤホンの機能すべてのジャンルにおいてトップかと言われると、そうではありません。ANCならBoseが上だし、バッテリーもちならTechnicsが上。
ただ、イヤホンとして絶対外せない音質の面では絶対的王者。通話品質も最高。イヤホンの基本性能はすべて王者また最高クラス。選んで後悔しないイヤホンであることは間違いありません。
いいところ:音が素晴らしすぎる、ANCが(1位じゃないけど)いい、バッテリーもちがいい
残念なところ:デザインが単調、思ってたより装着感がよくなかった

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