イギリス英語を話すヨウム。4年間失踪した後、スペイン語を話すようになって帰還
2010年、カリフォルニア州ロサンゼルス近郊のトーランスに住むイギリス人男性が飼っていたナイジェルという名のヨウム(アフリカハイイロオウム)が、行方不明になってしまいました。
何年待っても戻らず、再会はもう無理だろうと諦めかけていたところ、4年後に別の場所で保護されました。男性は再会を喜びましたが、何かがオカシイ。
そのヨウムは、イギリス英語ではなくスペイン語を話すようになっていたそうなのです。
IFLSが伝えました。
ヨウムは言語エキスパート
ヨウムの賢さは有名です。例えばアポロという名のヨウムは、2023年に「3分間で最も多くの物を識別したオウム」としてギネス世界記録に認定されています。
飼い主によれば、アポロの知能は人間の幼児レベルに匹敵し、色や単語、物体を認識できるだけでなく、数を数えたり、複雑な質問に答えたりする能力もあるのだとか。
好奇心も旺盛で、周囲のことを理解しようとする姿も見られるそう。
ナイジェルがスペイン語を話すようになったのは、失踪中の4年間をスペイン語話者の家庭で過ごしていたからでした。日常的に耳にする言葉を、そのまま吸収していった結果です。ヨウムは暮らしている場所や一緒に過ごす相手を「社会的な環境」として捉え、その中で使われている音や言葉を、自分のコミュニケーション手段として取り込もうとします。
そのため言語だけでなく、話し方やアクセントまで変わってしまうことがあるのです。
暴言を覚えるほど環境の影響を受けやすい
ヨウムの賢さは、別のエピソードでも話題になっています。イギリスのリンカンシャー・ワイルドライフパークに寄贈された5羽のヨウムは、なぜかとても汚い言葉で人々を罵るやさぐれた個体でした。
ペットのヨウムは、生活音やテレビ、ラジオ、オーナーの話している内容などを真似るようになります。おそらく、最初は意味も分からず真似していたのに、オーナーが笑ったり慌てたりするリアクションをするので、ヨウムは喜ばれていると理解して、どんどん汚い言葉を発するようになったのでしょう。
暴言ヨウムたちは来園者に「うせろ」などと言うため、園内の治安を乱すとしてバックヤードに移動されました。しかし、ずっと隠しているわけにもいかず、無害な言葉や音を発せられるように、大きなグループの中に入れて、彼らからクルマや電子レンジの音を学んでもらうようにしました。ところがグループの中のヨウムが、逆に暴言ヨウム側から学び始めてしまったため、リハビリは難航中とのこと。
この出来事ひとつとっても、ヨウムが単に言葉を繰り返す存在ではなく、周囲との関係性の中で言葉を使おうとする、非常に社会的な鳥だということを示しています。
さて、イギリス英語からスペイン語話者に変貌を遂げたナイジェルですが、これはヨウムという生き物がどれほど柔軟で、環境に敏感な存在なのかを改めて教えてくれたと同時に、イギリスの暴言ヨウムにも希望の光が残っていると示唆しているとも考えられるかもしれません。
それにしても、4年間で異なる言語を習得するなんて、少なくとも私より賢い気が…すごいなぁ。
Source: IFLS, Lincolnshire WILDLIFE PARK, THE TRAVEL, Guinness World Record

