山岡和雅が2026年為替相場を大胆予測! <新春特別企画>
●2025年の為替市場、ドル全面安から円全面安へ
2025年は第2次トランプ政権の誕生もあり、波乱の1年となった。2024年11月の米大統領選におけるトランプ氏の勝利を受け、公約に掲げられた関税強化や規制緩和、減税などの影響により米国内の物価が上昇するとの思惑が先行。2024年終盤にかけてドル高が進み、2025年もドル高圏でのスタートとなった。ドル円は1月10日に、1ドル=158円87銭という2025年の年間高値(12月23日時点)を記録している。
しかし、1月の日銀金融政策決定会合での利上げ(0.25%から0.5%へ)に向けた円買いもあり、ドル円は高値から反転した。2月に入り、トランプ米大統領がカナダ・メキシコ・中国への追加関税を発表すると、世界経済の先行き不透明感からドルは全面安の流れとなった。さらに4月2日、「リベレーション・デー(解放の日)関税」と呼ばれる広範な関税パッケージが発表されたことで、ドル売りが加速。ドル円が年間安値となる139円89銭を付けた4月22日時点の通貨ペアの騰落率を見ると、年初来でドル円が11%のドル安・円高、ユーロドルが10.3%のユーロ高・ドル安、ポンドドルが6.5%のポンド高・ドル安となっており、ドルは主要通貨に対して大きく売られた。
その後、夏にかけてはドル安に加え、円安が広がる展開となった。1月に利上げを行った日銀の追加利上げは当面先との見方が強まった一方、2024年後半に計1%の利下げを行った米連邦準備制度理事会(FRB)が2025年に入って政策金利を据え置いたことが、日米金利差を意識したドル買い・円売りを誘発した。ドル円は145円を中心とした推移を経て、8月1日には150円92銭まで上昇。150円台の維持には失敗したものの、10月初めまでは145~150円のレンジ取引が続いた。一方、対ドルでは他通貨の強さが目立ち、ユーロドルは9月に年間高値となる1.1919ドルを記録している。
ユーロ円は、ユーロ高・ドル安とドル高・円安の両面から押し上げられた。2月28日の安値154円80銭から、9月には175円05銭と20円超も上昇。ポンド円や豪ドル円なども、春の安値から右肩上がりの推移となった。
10月に入ると円安がさらに加速する。10月4日の自民党総裁選で下馬評を覆し、高市早苗氏が新総裁に選出され、その後首相に就任した。同氏の積極財政路線を背景に株高が進む一方、財政赤字拡大懸念などによる円売りが進行し、「高市トレード」と呼ばれる動きとなった。ドル円は11月20日に157円89銭まで上昇し、4月までの円高分をほぼ解消した。円が全面安となる中、ユーロ円は連日のように史上最高値を更新し、12月22日には184円92銭に到達。スイスフラン円も史上最高値を更新し、ポンド円は2008年以来の高値を付けるに至っている。
●2026年の注目材料、FRB金融政策と議長人事
次に、2026年の相場展開に影響を与えるとみられる主要なポイントを整理してみよう。
最大の注目材料は、FRBの金融政策となる。2025年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で示されたドットプロット(FOMCメンバーによる政策金利見通し)では、2026年末の政策金利見通しの中央値は3.25~3.50%となった。これは現状(3.50~3.75%)から年1回の利下げを示唆するものとなっている。しかし、短期金利市場などでの織り込みは年2回以上の利下げが主流であり、当局と市場の見通しには乖離が生じている。
この乖離を埋める鍵となるのが、米国の雇用情勢である。12月16日に発表された11月の米雇用統計では失業率が4.6%と、9月の4.4%から悪化した(10月分は連邦政府機関閉鎖の影響で欠測)。米労働省(DOL)公表の6種の失業率のうち最も広義の失業率であるU6失業率も8.0%から8.7%へ大幅に悪化している。こうした労働市場の冷え込みが2026年も継続すれば、FRBは想定以上の利下げを迫られる可能性が高い。
