美容外科医・高須幹弥氏が解説、62億円申告漏れの背景にある「MS法人スキーム」とは？美容業界の構造と盲点

美容外科医の高須幹弥氏が、自身のYouTubeチャンネルで「【脱税】麻生美容クリニックグループの６２億円申告漏れについて解説します【所得隠し】」と題した動画を公開。某大手美容クリニックグループの巨額申告漏れ問題について、同業者としての視点からその手口や背景を鋭く解説した。

動画の冒頭で高須氏は、自身が美容クリニックの経営者兼プレイヤーである立場から、この問題について解説すると表明。まず自身のスタンスとして「納税は日本国民の義務」と述べ、「僕は脱税は一切しておりません」と力強く断言した。グレーゾーンな節税についても基本的には納税する方針だと語り、クリーンな経営姿勢を強調した。

その上で、今回の申告漏れで指摘された手口を解説。医療法人とは別に設立したMS法人（メディカル・サービス法人）を介し、医療機器などを実際よりはるかに高い価格で仕入れたように見せかける「過大計上」や、患者からの前受金を売上に計上しない「所得隠し」といった具体的なスキームを説明した。特にMS法人の仕組みは、配当を出せない医療法人の利益を外部に移転させる目的で使われることがあると指摘した。

さらに高須氏は、なぜこのような脱税が発覚するのかという点にも言及。「税務署は見せしめに吊し上げたい」という考えがあるのではないかと推測し、特にSNSなどで派手な生活をアピールする経営者が調査対象になりやすいとの見方を示した。また、従業員の不満が内部告発につながるリスクも挙げ、最後に「若いお医者さんは勘違いしている人が多い」と述べ、承認欲求を満たすための過度なアピールは逆効果だと警鐘を鳴らした。