50代・川上麻衣子さん流「老い」との向き合い方。白髪染めをやめて1年で気づいた楽しみ:10月に読みたい記事
ESSEonlineに掲載された記事のなかから、10月に読みたいベストヒット記事をピックアップ!
女優・川上麻衣子さん(58歳)の暮らしのエッセー。一般社団法人「ねこと今日」の理事長を務め、愛猫家としても知られる川上さんが、猫のこと、50代の暮らしのこと、食のこと、出生地でありその後も定期的に訪れるスウェーデンのことなどを写真と文章でつづります。今回は「加齢と前向きに向き合うコツ」について。川上さん流の運動の続け方や、白髪を含めた加齢を楽しむアイデアについて語ります。
※ 記事の初出は2024年10月。年齢を含め内容は執筆時の状況です。

50代、なにかを始めるならまずは「5日間」!

10月に入り、ようやく秋めいた風を感じる今日この頃。本当に「今年の夏は長かった」そんな印象です。年齢的には更年期は卒業したものと思っていましたが、この夏タオルハンカチでどれほどの汗を拭ったかを振り返れば、まだ更年期の最中なのかな、と思うこともあります。
まだ更年期症状があるのは、意外と若い! と思うあたりが年を取った証拠とも言えそうですが…。今年の夏の沖縄旅行をきっかけに復活したジム通いはすっかり習慣化され、最近は週5日のペースで短い時間ではありますが体力づくりに励んでいます。
なにかを始めるとき、まずは手取り早い方法として、「とにかく、5日間続けてみること」。それが私の中の小さなルールです。これはジョギングを始めるときにいちばん効果を発揮してくれたのですが、なにはともあれ、言い訳をつくらず5日間続けてみると、6日目には不思議なくらい、その行動を続けないと気持ちが悪くなってきます。
三日坊主で終わらなかった達成感もあってか続けなければもったいない感覚が芽生えてくるようです。
少しでも運動を続けることで体に変化も

まだ学生の頃ですが、私が通っていた学校には真冬の2月になると生徒全員が参加必須とされた寒稽古がありました。ほんの1週間の訓練ではありましたが、朝5時台に家を出て、授業が始まる前の時間をマラソンで鍛えるというものでした。
1キロから始まり少しづつ距離を伸ばし、6日目の最終日には10キロを走った記憶があります。マラソン嫌いの私には当時地獄のような1週間でしたが、その1週間を経てから走る3キロがまったく苦にならずに、余裕で走りきれた感動が今も、要所要所で思い出されます。
最近のジム通いも、以前は息ぎれをしていた駅の階段が、思いのほかラクに感じることで自分の体の変化を感じることができています。なにかを始めたいと考えている方は、まずは5日間ルールをぜひチャレンジしてみてください。
自分時間をもつことも大事に
そして私の次なる目標は「毎朝しっかりと新聞を読むこと」。
忙しい朝の時間を効率よく有意義に過ごす工夫と、「自分の頭で物事を考える」という本来当たり前であった行為をきちんと取り戻すこと。SNSなどを開くと、すべてがワイドショー化された形でしか入って来ない情報を一旦閉じて、自分の頭で考えたいと思うことが増えてきました。
なんだかとってもまじめ人間になったように映るかも知れませんが、昨年の秋に白髪染めをやめてから起きている変化の1つだなあと思うのです。

白髪染めをやめてから約1年の中で、自分の体に起きている変化を目の当たりにしながら「白髪と共存していくには凛とした姿が大切だ」と気づかされる場面が多くあります。隠さないと決めたのであれば、まずは背筋を伸ばし、自分という軸をしっかりと意識しながら、過去と未来に向き合うこと。
グレーへアに移行する自分がだんだんと楽しく
先日下町の祭りに参加した際に、新調してまだ2年目の「はんてん」を着て神輿(みこし)を担がせてもらいました(1枚目の写真)。まだまだ新入りの私を温かく迎え入れてくださる、地元の方々に感謝しながらの祭りは大いに興奮しました。そしてベテランの皆さんの年季の入った藍染のはんてんがなんと粋なこと! 自分のピカピカのはんてんと見比べて「新しいことが恥ずかしい」気分を久しぶりに味わいました。
年季、粋、凛。
日本にはいい響きの言葉がたくさんあります。「百年に一年たらぬつくも髪 われを恋ふらしおもかげに見ゆ」(伊勢物語より)。
白髪を、百から一を引いて白となることからくる「九十九髪(つくもがみ)」。なかなかおもしろい表現だと感心してしまいます。ただ、こちらは意味をたどると「百歳に1年足りない年を取ったボサボサの白髪の老婆が、私を恋しく思っているらしい。まぼろしになって見える」という意味とされています。

いやいや。ボサボサはいけませんね。というわけで、グレーヘアー現在移行中の私も「つや」をなにより心がけています。髪をかきあげてみるとかなり白くなってきました。しかし道のりはまだ長そうです。
