この記事をまとめると

■人気モデルにはファイナルモデルなる最終限定車が設定されることがある

■ファイナルモデルには専用装備が多く取り入れられる

■中古車相場は通常モデルと比較して高値になる傾向が目立つ

名車の最後を飾る花はどれもスペシャル

 多くのファンを擁しながらも惜しまれつつ終売となるモデルに設定されることのあるファイナルモデル。最近ではZC33S型スイフトスポーツやGRスープラにも設定され、どちらも販売終了期間を待たずに完売となる人気となっている。

 そこで今回は過去にリリースされたファイナルモデルの現在の中古車相場をチェックし、その人気を確認してみたい。

三菱 ランサーエボリューション ファイナルエディション

 ラリーベース車として長きに渡って愛されつづけたランサーエボリューションは、10世代目のランエボXを最後に現在姿を消すこととなっている。

 そんなランエボXをベースにリリースされたファイナルエディションは、GSRの5速MT車をベースにナトリウム封入エキゾーストバルブを採用することで最高出力を313馬力まで高め、本来メーカーオプションのハイパフォーマンスパッケージを標準装備したほか、内外装に特別な加飾を備えた1000台限定モデルだ。

 新車当時は429万8400円の価格となっていたファイナルエディションだが、中古車となった現在では、もっとも安いものでも500万円弱、高いものでは900万円台の価格が付けられるプレミアモデルとなっている。

スバル WRX STI ファイナルエディション

 前述のランエボと共に、主にラリーフィールドをメインに切磋琢磨を続けたのがスバル・インプレッサ、そしてその後継車であるWRXだ。そのWRXのSTIモデルにはスバルの名機であるEJ20が搭載されていたが、WRX STIの終売と共にEJ20も終了することになり、ファイナルエディションが設定された。

 555台限定でリリースされたファイナルエディションは、WRX STI Type Sをベースに、回転系パーツの重量公差・回転バランス公差を低減したバランスドエンジンを採用したほか、19インチのBBSアルミホイールやシルバーのシートベルトなどの専用装備を備えて411万円〜441万円の価格となっていた。

 ただこちらも中古車としてはプレミア価格となっており、安いもので600万円弱、高いものでは800万円台の価格が付けられている。

定価以上の価格で取引されるケースが目立つ

トヨタ FJクルーザー ファイナルエディション

 当初は北米向けに企画されて販売されたものの、日本でも需要が高まって並行輸入車が多く入れられたことで遅れてカタログモデルとなったという逸話のあるFJクルーザー

 結局日本向けは2010年12月から正式に販売が開始され、北米向けが終売となったあとも販売を継続。そして終売直前となる2017年10月に設定されたファイナルエディションには、特別設定色のベージュのボディカラーと、同じトーンのベージュカラーをあしらったシートやインパネガーニッシュ、20インチアルミホイールやサイドステップが標準装備となっていた。

 当時の価格は349万2720円で、とくに台数限定などはなかったが、中古車では340万円〜500万円ほどと、極端なプレミア価格とまではいかないものの高値安定となっている。

トヨタ MR-S Vエディション ファイナルバージョン

 MR2を祖とし、現在のところトヨタブランド最後のミッドシップスポーツとして知られるMR-S。2007年夏の生産終了に先立って発表されたファイナルバージョンは、最上級グレードのVエディションをベースに、レッドの本革シートやステアリングホイール、ドアトリム、ソフトトップを備え、通常オプション設定のヘリカルLSDを標準化したもの。

 それ以外の走りにまつわる部分はベース車と同等となっているが、6速MTのほか、SMTと呼ばれる2ペダルMTもベース車と同じく設定されていた。

 そんなMR-Sファイナルバージョンだが、近年ライトウエイトオープン2シーターとしてMR-Sが再評価されつつあることもあって、高いものでは260万円ほどと新車時の232万円(SMTは240万円)を超える価格のものも存在し、最安値のものでも100万円ほどの価格となっている。