髪に長寿の発想を ヘアケア の新トレンド「ヘア・ロンジェビティ」

記事のポイント
ヘアケア市場はスキンケア化が進み、消費者は成分や頭皮ケアを重視している。
「ヘア・ロンジェビティ」が新トレンドとなり、老化や長期的な健康維持が焦点になっている。
臨床的エビデンスや高機能成分の有無が、市場拡大や高価格設定の鍵になっている。
ヘアケア市場は、新たなテクノロジーや変化する消費者の嗜好によって急速に進化しており、それが新製品の投入や売上の伸長を後押ししている。
「ナイアシンアミドやペプチド、セラミドといった成分は、6年前にスキンケアで登場したものだが、いまヘアケアに取り入れられはじめている」。
こうした動きは「ヘアケアのスキンケア化」と呼ばれ、抜け毛や薄毛の抑制にフォーカスする流れも含まれる。多くのブランドがスクラブやセラムを展開しているが、フルゴー氏は「スカルプケアのブームは始まりに過ぎない」と指摘する。
消費者は高度なヘアケアと長期的な健康維持を求めている
市場調査企業ミンテル(Mintel)の米国ビューティ&パーソナルケア部門プリンシパルアナリスト、カーソン・キッツミラー氏によれば、消費者はより高度なヘアケアを求める準備ができているという。
たとえば、米国のヘアケア消費者の47%が「頭皮の健康が髪全体の健康や見た目に影響する」と考え、34%は「抜け毛が大きな懸念である」と答えている。
「いまでもスカルプケアや発毛に関する効果は求められている。ただしブランドは、そうしたメリットをトリートメントのような特定のアイテムだけでなく、あらゆるヘアケアルーティンに組み込もうとしている」とキッツミラー氏は語る。
「消費者は長期的なヘアヘルスを重視するようになっており、『ロンジェビティ(長寿・持続性)』という概念がヘアケアにも浸透しつつある。これはスキンケアでの健康重視の流れを反映したものだ」。
そのため、シャンプーやコンディショナーといった基本的なアイテムも、単に洗浄や柔らかさを追求するだけでなく進化している。キッツミラー氏によれば、ヘアケアにおけるペプチド、ヒアルロン酸、コラーゲン、プロバイオティクス、幹細胞といった成分の需要が高まっており、オンライン検索でもその傾向が顕著だという。
「スキンケアと同じように、ヘアケアでも成分に関するリサーチが活発化しており、ユーザーの約8割がこうしたサブカテゴリーを調べている」とキッツミラー氏は語る。
「つまり、成分やソリューションに基づくアプローチがスキンケアからヘアケアに確実に移行しているのだ」。
「ヘア・ロンジェビティ」が新たなトレンドとして台頭
スキンケアの歩みと同様に、フルゴー氏は「ヘア・ロンジェビティ」が今年の新製品開発やローンチを牽引する大きなトレンドになると予測している。
「いま注目されているのは、エクソソームを用いたトリートメントやペプチドセラムであり、これが将来の臨床的ヘアケアといえるだろう」と同氏は語る。
「頭皮の赤色光療法のように、外部から頭皮内部を刺激する技術と並行して発展していく可能性がある」。この「ヘア・ロンジェビティ」領域では、頭皮や髪の生物学的な老化が主なテーマとなっている。
現在、アクト+エーカー(Act+Acre)を筆頭に、ハークリニッケン(Hårklinikken)、モンプレ(Monpure)、ヴェガモア(Vegamour)といったブランドが「ロンジェビティ」を前面に押し出したプロダクト教育やマーケティングを展開している。
臨床的エビデンスと大衆市場への拡大が今後の成長を左右
一方でフルゴー氏は、臨床的ヘアケアには依然として空白が残っていると強調する。「もっと臨床的に証明された機能性ヘアケアが必要だ。ホリスティックなアプローチが広がるなか、なぜもっと多くの臨床的証拠がないのか不思議でならない」と述べる。
さらに、ボンドリペアやスカルプケア製品がマスマーケットに広がっていることも大きな変化だ。オラプレックス(Olaplex)が支配していたカテゴリーは、K-18によって揺さぶられ、過去1年間でシアモイスチャー(Shea Moisture)やダヴ(Dove)といったユニリーバ傘下ブランドに加え、スアーヴ(Suave)、パンテーン(Pantene)、ロレアルなどによって大衆市場に拡大している。
とはいえ、カテゴリー全体が一気にマスへ移行するとは限らない。フルゴー氏は、消費者はたしかな効果がある場合に「ロンジェビティ」を重視したヘアケアへ投資する姿勢をみせていると指摘する。
「髪や頭皮の健康を改善するプロダクトであれば、ブランドは高価格を設定できる。ただし、その科学が真に革新的で、かつ臨床的に証明されていることが前提である」とフルゴー氏は語った。
[原文:The ‘hair longevity’ trend is set to drive sales and innovation this year]
Lexy Lebsack(翻訳、編集:藏西隆介)
