散策途中、ふと時計を見れば15時。よし、おやつの時間だ!東京・谷根千にはケーキにアイス、和菓子などを提供するお店がそこかしこ。迷わないように谷根千おすすめおやつ、集めました。

食感や香りをとことん追求したチュロスに感動!『pasele(パセレ)』@谷中

店主・稲垣侑香さんとチュロスの出合いはスペイン。仕事や旅で訪れた際、出勤前の男性が毎朝ホットチョコレートにチュロスを浸して食べている光景を見てから、チュロスへの思いをずっと温めて来たそう。

そんな彼女のチュロスは、外側はカリッとして中はもちっ。噛むほどに生地のおいしさがじゅわ〜。チュロスの生地自体のおいしさに感動したのは初めて。さらにホットチョコレートに浸して食べると甘みが増すと思いきや、チョコレートの華やかな酸味が重なって後味が爽やかで上品!4種類の味が揃うチュロスはそれぞれの風味が引き立つように粉のブレンドを変えているそう。

チュロス・コン・チョコラテ1310円

『pasele(パセレ)』チュロス・コン・チョコラテ1310円 噛むほどに甘みが滲み出る(手前)プレーン(奥)ホットチョコレート(ブレンド)900円

また、夏はサクサク感を高め、冬はモチモチ感が増すように表面のギザギザの深さを調整するなど、細部に至る工夫に稲垣さんのチュロス愛を感じる。一般的なチュロスとはまったくの別物。庭の木々が目にやさしく、静けさに満ちた空間も非日常感を盛り上げてくれる。

『pasele(パセレ)』店主 稲垣侑香さん

店主:稲垣侑香さん「産地で異なるショコラの味の違いを楽しんでください」

『pasele(パセレ)』

[店名]『pasele(パセレ)』

[住所]東京都台東区谷中2-15-5

[電話]非公開

[営業時間]10〜18時、土・日・祝9〜19時

[休日]月・火(祝の場合は営業)

[交通]地下鉄千代田線千駄木駅1番出口から徒歩4分

自家焙煎コーヒーと繊細なお菓子の相乗で互いの味わいが奥深く『トイロ珈琲店』@千駄木

「いつか喫茶店がやれたら……」と20代から考えていたという店主の中村美穂子さん。その夢のためにカフェで焙煎を学び、焙煎機メーカーの「フジローヤル」で働き、経験を積んでようやく2024年8月に独立。

生豆の点数をつけられる国際資格の「Qアラビカグレーダー」の資格も持つ。お菓子は会社の休みに作って食べてもらうことを10年以上続けて腕を磨いてきたそうだ。

ケーキセット1150円(オレンジケーキ、ブレンドコーヒー)

『トイロ珈琲店』ケーキセット1150円(オレンジケーキ、ブレンドコーヒー) 食べ疲れしないように、やさしい甘さに

訪れるたびに新しい味を楽しめるように、ケーキは万人受けするものと個性的なものを週替わりで2種用意。この日はひとつがオレンジケーキで、オレンジの洋酒がたっぷり染み込んだ芳醇なしっとり感が抜群。柑橘系の酸味を感じるブレンドの「マイルド」とすっと馴染む。チョコレート系やキャラメルなどと合う「ビター」はほろ苦さが絶妙で、あとから広がる甘みの表現が見事。コーヒー単体でも十分おいしいが、お菓子と合わせると、圧倒的な焙煎の腕を実感する。

『トイロ珈琲店』店主 中村美穂子さん

店主:中村美穂子さん「コーヒー豆やお菓子の購入だけでも気軽にお越しください」

『トイロ珈琲店』

[店名]『トイロ珈琲店』

[住所]東京都文京区千駄木2-28-9

[電話]非公開

[営業時間]11時半〜18時

[休日]月・火

[交通]地下鉄千代田線千駄木駅1番出口から徒歩2分

季節に合わせた和と洋の甘味でほっとひと息『雨音(あまね)茶寮』@千駄木

築70年以上という古民家に雲のようなフォルムの白い暖簾が映えるかわいらしい店構え。「丸い気持ちで過ごしてほしいという気持ちを込めて、棚やカウンターなど角を丸くしてるんです」と話す、オーナーの那須野浩美さん。ほっこりとした雰囲気の中で味わえるおやつは、和菓子と洋菓子のふたつのセット。和菓子は那須野さんが今まで食べたお気に入りからセレクトされ、「ちょっとしょっぱいものも欲しくなるでしょ」と、ミニおばんざいが付いているのも心憎い。

フルーツ豆かんてん900円(ミニおばんざい付き)、緑茶750円

『雨音(あまね)茶寮』(手前)フルーツ豆かんてん900円(ミニおばんざい付き) この日のフルーツはイチゴとモロッコオレンジ (奥)緑茶750円

豆かんは那須野さんが太鼓判を押す老舗から仕入れていて、絶妙な硬さの食感は納得のおいしさ。「季節に合わせてころころ変わって、2〜3品を少しずつ組み合わせるときも。その時々の出合いを楽しんでもらえたら」と話す。洋菓子はパティシエの手作りで、チョコレートやバタークリームを重ねた季節のオペラはファンの多いケーキ。やわらかな味わいの丸子紅茶と相性もぴったりだ。

『雨音(あまね)茶寮』

[店名]『雨音(あまね)茶寮』

[住所]東京都文京区千駄木2-44-19

[電話]03-6876-8402

[営業時間]11時〜18時(17時LO)

[休日]火・水

[交通]地下鉄千代田線千駄木駅1番出口から徒歩4分

朗らかな雰囲気と工夫を凝らしたおやつに心も体も癒やされる『百舌(もず)珈琲店』@千駄木

高齢のご近所さんから親子連れ、学生など幅広い年代のおしゃべりでにぎわう店内。常連や一見など関係なく気さくに話しかけてくれる店主・三隅一亘俐さんのおかげで、自然と心がゆるむのだ。調理や焙煎を担当するのは、独立前に働いたカフェで三隅さんと意気投合したという佐々木雄大さん。

定番の中でリピート率の高いキャロットケーキは、細かく刻んだニンジンがぎっしり。佐々木さんの出身地・岩手県の南部小麦で作り出すふかふかでもっちりとした独特な食感がクセになる。

キャロットケーキ800円

『百舌(もず)珈琲店』キャロットケーキ800円 たっぷりのニンジンとシナモンやアニスなど甘い香りのスパイスを効かせて砂糖は控えめ

コーヒーは急須で淹れるのがこの店ならでは。ペーパーやネルを通さないためまろやかさが増し、香りの個性が際立つという。収穫したコーヒーチェリーをそのまま乾燥させた、希少なナチュラルプロセスのガテマラ産はぜひ急須珈琲で。爽やかな果実味のある香りがより強く感じられる。苦みはほとんどなく、紅茶を思わせる軽やかな味わいで何杯でも飲めそうだ。

『百舌(もず)珈琲店』店主 三隅一亘俐さん(左)、佐々木雄大さん(右)

店主:三隅一亘俐さん(左)、佐々木雄大さん(右)「オープンサンドやフレンチトーストもご用意しています」

『百舌(もず)珈琲店』

[店名]『百舌(もず)珈琲店』

[住所]東京都文京区千駄木3-36-7

[電話]非公開

[営業時間]8時〜18時

[休日]月(祝は営業、翌休)

[交通]地下鉄千代田線千駄木駅EV出口から徒歩すぐ

買い食い天国は甘いものも高レベル!

谷根千エリアの楽しみのひとつが、買い食い。谷中銀座を歩くと、あちこちからいい匂いの誘惑が。行列ができていたり、道端でもぐもぐ食べている人がいたりして、まるで食のテーマパークのような盛り上がり!食欲が刺激されて、つい目に入ったものに飛びついてしまいがちだけど、周りの雰囲気に飲み込まれて手当たり次第に食べていたら、あとで「これも食べたかったのにお腹に入らない!」なんてことになりかねない。買い食いでの制覇が難しいエリアと言える。

そこで今回は桜のきれいな季節ということで、谷中霊園から巡ることをおすすめしたい。谷中霊園の桜並木を愛でたあとは、すぐ近くに位置する「YANAKAapartment」内にある『spiq』へ。繊細でシンプルなお菓子は甘いもの好きの注目を集めている。

続いて三崎坂を歩いて不忍通りを目指すと、ヘビのようにくねくね曲がっていることから“へび道”と呼ばれているおもしろい路地が。曲がり角の手前にある『ataruBAKE』でマフィンを買ったあと、奥に少し進むと『LOG&LOG』を発見。

その先にチュロスカフェの『pasele』が住宅地に溶け込むように立っていて隠れ家を見つけた気分で歩くのも楽しい。『pasele』はチュロスがメインというチャレンジャーな店だが、地元の常連客も多いとか。そんな地元民に支持されるレベルの高い店が生き残っていくのだ。

ここでひと休みもいいし、ランチを兼ねるなら千駄木駅周辺の『雨音茶寮』や『百舌珈琲店』がおすすめ。自家焙煎コーヒーとお菓子の『トイロ珈琲店』もすぐ近くだ。カフェでゆっくり過ごしたら、不忍通り沿いの『APPLEPOCKETS』に立ち寄るのも忘れずに。

最後は、満を持しての谷中銀座で買い食い!まだ甘いものがいけるなら、『asatteのジェラート』へ。商店街から逸れた小路にある民家の雰囲気にも和む。『CHAYA松緒』のお餅もあるし、名物のコロッケやいか焼き、立ち飲みにも惹かれる。もうほかのスイーツを気にしなくていいから、おなかの許す限り食べ尽くせるのだ。皆様の買い食い成功を祈ります!

※画像ギャラリーでは、カリッともっちりなチュロスの画像がご覧いただけます。

撮影/小澤晶子(『pasele(パセレ)』、『トイロ珈琲店』、『雨音(あまね)茶寮』)、大西 陽(『百舌(もず)珈琲店』)取材/井島加恵

※月刊情報誌『おとなの週末』2025年5月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

…つづく

【画像】谷根千の喫茶店4選・自慢のスイーツ一覧(28枚)