記事のポイント 楽天ファッション・ウィーク東京2025 A/Wが3月17〜22日に開催され、新規11ブランドを含む37ブランドが参加する。参加ブランドの審査基準が厳格化。クオリティ管理を重視し、国際競争力のあるブランドを選出している。10回目を迎える「by R」はポール・スミスとの協業を発表。アジア市場との接続を強化するため「TRANOÏ TOKYO」も開催する。
日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)が主催する「楽天ファッション・ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO) 2025 A/W」が、2025年3月17〜22日に都内で開催される。参加ブランドは全37ブランドで、アワード受賞ブランドをはじめ、東京のファッションシーンを支える実力派ブランドが出揃った。国内外のバイヤーとのビジネス機会を拡大する。加えて、アジア市場への発信も強化し、東京発のファッションがより広い市場へ届くことを目指す。楽天によるby Rプロジェクトは、ポール・スミス(Paul Smith)とのコラボレーションを実施する。国際的なブランドとの連携を通じて、東京から世界への発信力を高める試みを行う。

実力派ブランドが集結、新規11ブランドが参加

今回の楽天ファッション・ウィーク東京には、全37ブランドが参加する。そのうち32ブランドがフィジカルショー、5ブランドがデジタル発表を行い、初参加は11ブランド、海外からの参加は4ブランドとなる。「TOKYO FASHION AWARD 2025」の受賞ブランドであるHATRA(ハトラ)、KANEMASA PHIL.(カネマサ フィル)、RIV NOBUHIKO(リヴ ノブヒコ)などが公式会場でコレクションを発表。Hyke(ハイク)は5年ぶりにフィジカルショーを開催する。初参加ブランドの中では、スポーツブランドhummelの新ラインであるHUMMEL 00(ヒュンメル オー)に注目が集まる。「クリスチャンダダ(CHRISTIAN DADA)」の創設者であり、新クリエイティブディレクターに就任した森川マサノリ氏が、初のコレクションを披露する。そのほか、音楽カルチャーを背景に持つMSML(エムエスエムエル)、文学やクラシック音楽をインスピレーション源とするYOUJIYOUNG(ユ・ジヨン)など、独自の視点で注目されるブランドも最新コレクションを発表する。

Rakuten Fashion Week TOKYO 2025 A/W シーズンのキービジュアル

厳格化する審査基準

JFWOは近年、参加ブランドの審査基準を厳格化しており、今回もその方針を継続した。事務局長の古茂田博氏は、「単なる芸術作品ではなく、ビジネス視点が求められる」と述べ、クオリティ管理やショー制作の基盤を重視した選考を行ったと説明する。特に海外ブランドに対しては、事前に商品の実物を送付してもらい、縫製技術や品質をチェックするプロセスを導入。デザイン性だけでなく、実際の製品クオリティが基準に達しているかを厳しく審査することで、イベント全体のブランド価値を維持・向上させる狙いがある。

楽天「by R」はポール・スミスとコラボ

冠スポンサーである楽天のファッション支援プロジェクト「by R」は、10回目の節目を迎え、ポール・スミス(Paul Smith)とのコラボレーションを発表した。イベント期間中にはランウェイショーを実施し、限定商品の販売も予定している。「by R」はこれまで、日本の新進デザイナーを中心に支援を行ってきたが、海外ブランドとのコラボレーションは、2024秋冬シーズン以来2回目となる。楽天グループの松村亮・常務執行役員(コマース&マーケティングカンパニー・シニアヴァイスプレジデント)は、「東京のファッションシーンを国際的に盛り上げるには、影響力のあるブランドとの連携が重要」とコメント。ポール・スミスは2024年12月、楽天のファッションEC「Rakuten Fashion」に出店しており、今回の協業はその流れを踏まえたものだ。

国際市場との接続を強化、TRANOÏ TOKYOを開催

楽天ファッション・ウィーク東京はまた、国内ブランドにとって国際市場への足がかりとなる場としての役割を強めている。その一環として、JFWOと提携したフランス発の国際合同展示会「TRANOÏ(トラノイ)TOKYO A/W 25-26」が3月18日・19日にベルサール渋谷ファーストで開催される。TRANOÏ TOKYOは、昨年9月の2025年春夏シーズンに東京で初開催され、約3500人が来場した。今回は、国内外170以上のブランドが参加し、仏ブランドJEANNE FRIOT(ジャンフリオ)とGAUCHERE(ゴシェール)をゲストブランドに迎える。日本ブランドにとっては、アジア市場のバイヤーと直接つながる機会となる。

会場は渋谷から京橋へ

今回の楽天ファッション・ウィーク東京は、主会場を例年の渋谷ヒカリエから東京・京橋の「TODA HALL & CONFERENCE TOKYO」に変更した。パリ・ファッションウィークの日程変更により、従来のスケジュールでは開催が難しくなったことが主な理由だ。さらに、調整後の日程では渋谷ヒカリエの確保が困難となったため、京橋での開催が決定した。なお、2026年春夏シーズンには、再び渋谷ヒカリエに戻る予定となっている。

アジア市場とつながる場に

ファッションウィーク東京は、2025年で25周年を迎える。立ち上げ当初から運営に携わるJFWO理事の太田伸之氏は、「東京で発表したい」と考えるデザイナーが韓国や中国などアジア各国で増えており、そこに継続してやってきたことの成果があると指摘する。「プロ野球やJリーグの選手が海外リーグに挑戦するように、日本のデザイナーが世界に出ていく環境を整えることが重要」とし、「東京から海外に進出するデザイナーが増えることは、日本のファッション業界全体にとってプラスになる。若手が成長し、また東京に戻ってくるサイクルを生み出すことがJFWの目指す姿」と述べた。取材・文/戸田美子