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恋愛・婚活コンサルタントの田中亜依です。700万円の費用を投じた10年間の婚活で、600人以上の男性とデートを重ねた末に結婚しました。“本気の婚活経験”を活かし、年間1000人以上の男女の恋愛サポートを行ってきた筆者が、婚活に「リアルに役立つ情報」をお伝えします。

婚活をしていると、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうこともあります。「これって相手のことを訴えられるのかな?」と疑問を抱いて、私に相談してくれる相談者さんもいます。そこで今回は、弁護士の内山悠太郎先生に、婚活にまつわるトラブルについて話を聞きました。

◆「真剣交際のつもりが遊ばれた!」元恋人を訴えたい女性たち

――婚活や恋愛がらみの相談で、多いのはどんな内容ですか?

「まず、貞操権侵害が挙げられます。これは、『自分が誰と肉体関係を持つか選択する自由を侵害された』ということで、慰謝料を請求するものです。男女の交際において、自分は結婚を前提としたお付き合いであると信じて付き合い始めて肉体関係を持ったのに、実際のところ相手は結婚を考えていなかったケースですね」(内山悠太郎弁護士※以下、カギカッコ内同)

――つまり、自分は真剣に付き合っているつもりだったけれど、相手にとっては遊びだったということですかね?

「そうですね。相談としてはこのケースが多いです。でも、この貞操権侵害で慰謝料を請求できるケースは、実は少ないんです。というのも、まず『結婚を前提とした真剣な交際をしていると思っていた』という前提が必要で、さらに『それを裏切られた』という事実も必要なので、フラれたから請求できるってものではないんです」

◆結婚するつもりで、上司と肉体関係を持ったのに

「例えば、次のようなケースで考えてみましょう。

ある女性が会社の上司と仕事のやりとりをする中で距離が縮まり、上司が既婚者であることを知っていたけれども交際するようになりました。この女性は、上司がいずれは離婚して自分と家庭を築いてくれると約束をしてくれたので、それを信じて交際を続けていました。ところが、どこかのタイミングで上司の奥さんが夫の不倫に気付き、その女性に対して慰謝料を請求してきました。

これに対して、信じていた上司はというと、彼女の味方をしてくれませんでした。

そこで初めて、女性は上司には奥さんと離婚をして自分と家庭を築く気がなかったということに気付きます。このような場合に、『貞操権侵害に基づいて、慰謝料を請求できないか』という相談が少なくありません。

でも、そもそもこの上司が既婚者だと知って交際をしている時点で、こういったケースの慰謝料請求が認められることはほぼないんですよね」

◆不倫相手との「結婚前提の交際」は認められない

――なぜ慰謝料請求が認められないのでしょうか?

「日本では重婚は認められないので、既婚者の方と結婚を前提にした交際は想定されておらず、『今の奥さんと離婚をしてあなたと結婚をする』という約束は無効であると考えられます。結婚を前提とした交際がない以上、信頼を裏切られたとしても貞操権に基づく慰謝料の請求はできないということになります」

――では、もしお相手が結婚していることを知らなかった場合はどうでしょうか?

「そうですね、例えば、相手が既婚者であるのを隠して交際していて、途中で相手方が既婚者だということが発覚した場合、請求できる可能性はあります。

ただ、既婚者だということを知らなかったというのも、裁判所の認定は厳しいんですよ。指輪をしていなかったからとか、彼女がいるかどうか聞いたことがあるくらいだとダメなんです。『相手が独身だと言っていて、実際に結婚しようという話を積極的にしていた』くらいの事実がないと難しいんです」