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「デザインプレゼンテーションホール」

2023年10月3日、日産自動車(以下、日産)は、神奈川県厚木市のグローバルデザインセンター内に、リアルとデジタルを融合させることでデザインプロセスの革新を目指す「デザインプレゼンテーションホール」を新設し、メディア向けに公開した。

【画像】初公開の「デザインプレゼンテーションホール」 発表の現場より【未来感】 全24枚

このホールは以前からニューモデルなどのデザインをプレゼンテーションする場所として使用されていた。今回のリニューアルで、幅が約40mにもわたる湾曲した24Kの高精細LEDスクリーン、フルカラー天井スクリーン、リモート照明技術、7.1ch音響システムなどを設置。世界中でユーザーが実際にクルマを使用するさまざまな環境を高い精度で再現することが可能となった。


日産は、神奈川県厚木市のグローバルデザインセンター内に、リアルとデジタルを融合させることでデザインプロセスの革新を目指す「デザインプレゼンテーションホール」を新設した。    日産

スクリーンが平面ではなくアーク(湾曲)状になっているのは、画像を歪みにくくするためだという。

日産は本ホールを中心にデザインプロセスのデジタル化をより一層推進し、デザインの質や検討の幅をさらに向上させることで、ユーザーの多様なニーズを満たす商品をよりタイムリーに開発することを目指していくという。

ソニーと共同開発 ゲーミングエンジン

従来、クルマのデザイン開発では、デザインの検証をおこなうために縮小スケールから実寸サイズまで、複数のモデルを製作してきた。

しかし、製作期間の長さとコストの課題が伴うため、製作可能なモデルのバリエーション数は限られる。


投影するコンテンツの製作にはソニーと共同開発したゲーミングエンジンを使う。時間による光の変化、天候や自然の要素もリアルタイムに高い臨場感と没入感で再現することができる。    日産

そこで、日産のデザイン部門では5年以上前からVR(バーチャルリアリティ)を活用するなど、デザインプロセスのデジタル化を推進してきた。

つまり、ゴーグルを通して360°の画像を見ながらデザインを検討することで、モデルを製作せずにデザインを決めることができる。

しかも日本だけでなく、アメリカ/イギリス/中国といった海外のデザインセンターとも、オンラインでリアルタイムで協議することもできるようになった。

それをさらに進化させたのが、このホールだ。

投影するコンテンツの製作にはソニーと共同開発したゲーミングエンジンを使う。時間による光の変化、天候や自然の要素もリアルタイムに高い臨場感と没入感で再現することができるのだ。

デジタル上で製作したモデルをさまざまな市場環境に合わせて検証、確認することが可能になる。

デザインを決定するプロセスにおいては、複数のデジタルモデルをフルサイズ(実物大)で24K LEDスクリーン上に並べ、デザインやカラーの微妙な違いを高精度で再現し比較することができる。

また、モデルの位置やアングルをリアルタイムに素早く切り替えることができるため、より迅速な意思決定が可能となる。

コストはもちろん、時間の節約も

ニューモデルを開発するためのコストはもちろん、時間の節約もできるというわけだ。

グローバルデザインを担当する専務執行役員のアルフォンソ・アルバイサ氏によれば、少なくとも35%くらいは時間を節約できるという。


グローバルデザインを担当する専務執行役員のアルフォンソ・アルバイサ氏によれば、少なくとも35%くらいは時間を節約できるという。    日産

さらに、実物大のモデルをスクリーンの前に並べて比較検討することも可能だ。24K LEDスクリーンとフルカラー天井スクリーンの映像がモデルを包み込み、あたかもリアルとデジタルの境界のない空間をつくり出し、デザイナーのイマジネーションを広げることができる。

当然ながら前述のようにオンラインでどこからでもアクセスできるため、デザインを生み出す場所や時間の制約がない新しいクリエーティブ。ハブとなる。

世界中のデザイナーがリアルタイムでアイデアの共有ができる、インクルーシブでインタラクティブ、柔軟でクリエイティブな環境を実現し、より創造的で魅力的なデザイン開発を目指していくという。