「ZF」のアフターマーケット事業、5つのブランドなの知ってる? メガサプライヤーが進む新時代
総売上5兆円級 巨大サプライヤー
今週、東京ビッグサイトで開催された「国際オートアフターマーケットEXPO 2023」。
【画像】ZFグループの5ブランド アフターパーツ製品群 全14枚
ここに出展していたZFジャパン(ゼット・エフ・ジャパン)では、アフターマーケット事業部の柴田英紀 事業部長が、今後の事業方針などについて発表を行った。

ゼット・エフ・ジャパン株式会社アフターマーケット事業部の柴田英紀 事業部長が、同グループのアフターマーケット製品郡と今後の方針についてプレゼンテーションを行った。 AUTOCAR JAPAN
「ゼットエフ(ZF)」という社名は、クルマに少し詳しい読者諸氏なら、その名を知っていることだろう。そしておそらくは「ああ、トランスミッションの会社だよね」と答えるかもしれない。
たしかに、モータースポーツをはじめとしてZFのトランスミッションは有名だ。だが、いまやZFはトランスミッションだけのメーカーではなく、自動車パーツの世界市場で5本の指に入るメガサプライヤーになっているのだ。
1915年に、ドイツで飛行船の歯車を作る会社として創業されたZF。
「ZF」とはドイツ語の「歯車工場(Zahnrad Fabrik)」の略字から名づけられた。
1984年にレムフォルダー(サスペンション)、2001年にザックス(ダンパー)、2015年にTRW(ブレーキ)、そして2020年にワブコ(大型商用車のブレーキ/制御)といった会社を買収して、現在にいたっている。
つまり、現在のZFは上記の5ブランドで、世界中の自動車および機械メーカーにパーツをOE供給したり、またアフターマーケットで展開している。
2021年には、その総売上げは383億ユーロ(約5兆円)に達しているほどなのだ。
「CASE」+「サステナビリティ」
ZFが携わっている主なテクノロジー領域は、大きく分けて4つある。
まず、トランスミッションやダンパーといった「車両制御」。

ZFのトランスミッションオイルと、8速オートマティック(8HP)。 AUTOCAR JAPAN
次にエアバッグなどの「統合安全」。また、ADASなどの「自動運転」。
そして、トランスミッションに代わるEVドライブユニットのような「Eモビリティ」。
これらの分野で、ZFは“先頭”に立って、この業界を牽引していきたいという。
さて、世界的に変化しているモビリティにおいて、「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)の4領域が注目されているが、ZFではこれに「S:サステナビリティ」をプラスして、アフターマーケットの変革をリードしていく。
それが、ZFが「CASE」+「S」と呼ぶ取り組みだ。
今回の発表でアナウンスされたのは、このうちコネクテッド/電動化/サステナビリティについてだった。
変革の時代をリードする5ブランドに
「コネクテッド」においては、商用車を中心に最先端のテレマティクス・ソリューションを展開する。
具体的には、トレーラーの動態管理など、アフターマーケット業界のデジタル化で、物流・貿易のグローバル化を推進。費用対効果の高い、追跡可能なロジスティクスを実現する。

TRWのブレーキパッドとセミコンパウンド・ディスクローター。 AUTOCAR JAPAN
「電動化」においては、トランスミッションに代わるEVドライブユニットの開発や、高圧システムのトレーニングなどによるEV専用パーツの取り扱いを可能にする。
「サステナビリティ」においては、2030年までに2019年比でCO2排出量を80%に削減し、さらなる持続可能性を目指すため、グリーン・アフターマーケットのソリューション開発に取り組む。
また、スペアパーツに関しても今後も力を入れ、アフターマーケット向けの専用品開発やOE品質改善を図る。
そして先に紹介した5つのブランドでは、以下のように展開する。
ZF
日本ではBMWのATをOE供給しているが、乗用車向けのトランスミッションや交換キット、商用車向けトランスミッションパーツ、オイルやフィルター、そしてEV用高圧部品などの開・改善を進める。
レムフォルダー
スタビライザーリンク、コントロールアーム、ボールジョイント、タイロッド、マウントなど、ドイツ車の足まわりにOE供給されている多くのパーツの開発・改善を進める。
ザックス
モータースポーツからフィードバックされた、ダンパーやクラッチなどで、より高品質の製品を目指す。
TRW
世界で初めてキャリパーを導入した、ブレーキプロバイダーとして、ブレーキを中心とした足まわりのプレミアム・アフターマーケット市場をリードする。アジア車やアメリカ車では、サスペンションも供給しているが、こうしたパーツの開発・改善を進める。
ワブコ
大型商用車のエアブレーキ/サスペンションのトップブランドとして、安全と効率的な運用を実現するため高品質のアフターサービス製品をラインナップする。
そして、日本のマーケットでも…
日本国内においても、今後の方向性として次の3つのポイントを挙げた。
1. 日本車向け製品ラインナップのさらなる拡充
2. 5ブランドのシナジーを活かした部品流通の最適化
3. EV普及に備えたアフターサービス体制の整備

左上から時計回りに、ザックスのエアスプリング、TRWのブラックペインテッド・ディスクローター、レムフォルダーのミッションマウント、ワブコのリマン品(EBSアクスルモジュレーターGen 2)。 AUTOCAR JAPAN
そう、もはやZFはトランスミッションだけの会社ではない。
電動化が進み、クルマの仕組みが大きく変わっても、ZFはさまざまなパーツを提供し続けることで、メガサプライヤーとしての地位を確立し続けることは間違いないのだ。
