台日関係をテーマとしたシンポジウムであいさつする蔡英文総統=総統府の公式サイトより

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(台北中央社)蔡英文(さいえいぶん)総統は31日、台北市内で李登輝基金会などが主催する台日関係をテーマとしたシンポジウムに出席した。あいさつで台湾と日本の将来への期待を語り、経済面や教育、文化面での協力深化に加え、「より常態化した方法で、地域の安全保障において連携していくことを願う」との考えを示した。

蔡総統は、2年前に死去した李登輝元総統が台湾の民主化に尽力したことや、安倍晋三元首相が李元総統と30年近くにわたり、政治や国際情勢について意見を交わしてきたことに言及。シンポジウムを通じ台湾と日本間の過去を振り返り、今後の展望が示せればと語った。

経済面の協力について、台湾と日本は「パートナーであり、競争相手ではない」とし、国際分業において優位性を発揮できるはずだと述べた。

安全保障については、台湾と日本が共に第1列島線上で重要な防衛線上に位置することに触れた上で、「協力をより深化させる必要がある」と指摘。共にインド太平洋地域の平和と安定を維持していくべきだと呼び掛けた。

▽泉駐台代表「台湾の民主化、より豊かに」

日本台湾交流協会台北事務所の泉裕泰代表(大使に相当)は講演で、台湾で安倍元首相を惜しむ声が多く上がったことに触れ、その理由として、安倍元首相が李元総統と同様に、国際社会に台湾の重要性を訴えかけ続け、台湾の民主主義の支援を呼び掛け続けたからだと指摘した。

また、安倍元首相は環太平洋経済連携協定(TPP)への台湾の加盟を見据えていたはずだとの見解を示した。安倍元首相には「自由と民主を崇高の理念として徹底的に追求しようという堅い政治信条があった」とし、李元総統がまいた台湾の民主主義の種をより一層豊かにできるよう尽力していく姿勢を示した。

▽「台日関係次の50年」がテーマ 当初は安倍氏登壇予定

同シンポジウムは、台湾と日本の関係の「次の50年」について考えることをテーマとし、安倍元首相の登壇を予定していた。

会場では安倍元首相の死去を受け、1分間の黙とうがささげられた。

(葉素萍/編集:楊千慧)