内田篤人氏が、ここまでの日本代表の戦いぶりについて語る【写真:荒川祐史】

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サッカー日本代表のW杯最終予選が11日と16日にアウェイで開催

 いつの時代もアウェイでの戦いは厳しい。こと、サッカーに関してはホームの利が大きいと言われている。1998年フランス大会に初出場してから、サッカー日本代表は2002年日韓開催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2014年ブラジル、2018年ロシアと6大会連続ワールドカップ(W杯)出場を果たしてきた。そして2022年カタール大会の出場権を懸けた道のりは今、アジア最終予選で厳しい戦いを強いられている。

 2勝2敗で迎える、11月のアウェイ2連戦。11日(21時開始)にベトナム、16日(25時開始)にオマーンと対戦する日本代表戦はDAZNで独占生配信される。両試合の“裏チャンネル”で解説を務める元日本代表の内田篤人氏が、ここまでの日本代表の戦いぶりとアウェイ2連戦の見どころについて語ってくれた。(取材・文=THE ANSWER編集部)

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「勝ち負けに一喜一憂しないというのが大事だと思うんです。W杯に出られればいいので。圧倒して勝つとか、予選で1位になることが目標ではない。W杯に出るために、チームとしてどういった準備ができているのか、どういった戦いができたかが大事。最終予選の1試合という位置づけで、戦っている選手たちが取り組むことが大事だと思います」

 9月にスタートしたアジア最終予選、オマーンとの初戦を0-1で落とした日本代表は続く中国戦で1-0と勝利したものの、10月のサウジアラビア戦ではまたしても0-1で敗戦。ホームでのオーストラリア戦で2-1と勝利したが、4試合を終えて2勝2敗と苦しんでいる。

「オーストラリアやオマーンは現代のサッカーがちゃんと落とし込まれている感じがします。立ち位置だったり、ボールの回し方だったり。さらにヨーロッパで活躍している日本の選手が増えてきたことによって、スカウトがしやすくなっていて、日本の研究がしやすくなっていると感じましたね」

 1998年フランス大会の初出場以来、6大会連続出場を果たしている日本代表にとって、いまやW杯は出て当たり前の大会になった。だからといってラクに突破できるほど、最終予選は簡単ではない。

「相手のこともあるし、自分たちがしっかりと準備ができる時間がなかったなかで、試合自体はやっぱり難しい。最終予選は今までも『よく勝ってきたな』というゲームが多かったので、そんなに大きくは変わっていないなと思いました。本当に今までも、負けても不思議ではないゲームはいくつもありましたから」

 勝てば楽勝ムードが漂い、負ければ揶揄される。周囲の声や報道、そして勝って当たり前というプレッシャーや重責が選手たちを苦しめたりはしないのだろうか。「追い込まれてあたふたするような選手たちではないですし、僕自身も『まずいまずい』ってあんまり思ったことはないので、楽しんでやってもらいたい」と内田氏。

「もちろんスタートはいいほうがいいので、スタートをこけると、その分ズルズルといくこともある。見てる側としても、お客さんやメディアの『大丈夫?』という声が多くなる。でも、それに惑わされずにチームが一つになることが大事。最終予選は難しい部分はあるけど、まだまだ自分たちで盛り返すことができる。オーストラリア戦で勝利という結果を出したので、ここからいいようにチームとして上がっていってもらったらと思います」

アウェイ2連戦は勝ち点6が必要「ベトナム戦で得失点差を稼ぎたい」

 4日には11月のアウェイ2連戦に臨む日本代表メンバーが発表された。内田氏は11日のベトナム戦で鹿島アントラーズ時代にともに汗を流した岩政大樹氏と、17日には第2戦の中国戦でも共演した矢部浩之(ナインティナイン)とDAZNの“裏チャンネル”解説に登場する。

 すでに“裏チャンネル”解説には独自ファンがつくほど人気コンテンツとなっているが、「“表”はちゃんとしようかなという感じで、“裏”はちゃんとするけど、ある程度リラックスして、楽しく試合を見れたらいいかなという感じでやっています」と語る内田氏。そのリラックスした様子と元日本代表選手ならではの的確な視点、旧知の間柄の岩政氏、やべっちとの絡みがファンを釘づけにする。

「矢部さんは本当に素直にサッカーが大好きで、日本代表をすごく応援してくれていますよね。前回も一緒に裏解説をやりましたけど、今回もまた非常に楽しみにしています。そして岩政さんは戦術にすごく詳しいですし、非常にいい言葉選びで伝えたり、教えたりしてくれるので、僕も勉強したい気持ちで臨みます」

 アウェイながら勝ち点6がマストになる日本代表にとって、対戦相手のベトナム、オマーンとの試合の見どころはどこにあるのだろうか。

「ベトナムは体が特段大きいわけでもなく、その分クイックネスで技術があるので、どちらかというと日本と似たタイプ。ただ、負ける相手じゃないですから。アウェイでも勝ち点3が必要。どういったフォーメーションで、どういった選手を配置してチャレンジするのか分からないですけど、それを踏まえても勝ち点3を取らなければ。オマーンには初戦で負けていますし、チームとしても日本の研究をしっかりとして戦ってきていたので、やっぱり初戦の借りを返してほしいなと思います。

 この2試合で勝点6が必要ですし、欲を言えば、ベトナム戦ではできるだけたくさん点を取って得失点差を稼ぎたいですね。仮にオマーンと勝ち点で並んだ場合、得失点、直接対決の勝ち負けで順位が決まってしまう場合もあるので、その辺も考慮すると欲しいです。あとはオマーンが日本戦の前に中国と対戦するので、その結果によって相手の戦い方も変わってくるのかなと思います」

 勝って当たり前も、ラクな戦いも、最終予選にはない。日本代表はこれまでも幾度となく厳しい戦いを強いられ、逆境を跳ね除けてW杯出場を勝ち取ってきた。プレッシャーや批判に怯むことなく突き進む日本代表の戦いを見届けることも、最終予選の楽しみ方の一つかもしれない。すべては2022年、カタールで開催されるW杯出場権獲得のために。

「僕は日本人として日本代表を応援していますし、試合を見ていて選手が考えていることや心理状態が分かるので、裏チャンネルではその辺をうまくお伝えできればと思っています。まあ、選手たちは……評価されるのがプロ選手ですから。僕もそうやって生きてきましたし、みんな強いから大丈夫でしょう! 最終予選は難しいですし、W杯に出るために選手と監督、スタッフがいろいろな作戦を練って試合に臨みますけど、そういうところを視聴者の方と一緒に楽しく見たいですね。裏解説なのでちょっと緩く楽しく、皆さんと一緒にゲームを楽しめればと思います」

 年内の最終予選は、11月のアウェイ2連戦で最後となる。2勝2敗で現在グループ4位につける日本代表の戦いを、内田さんはどう解説するのか。DAZNで日本代表を応援しつつ、“裏”解説の内田さんのコメントにも注目だ。(THE ANSWER編集部)