また、インフレ懸念も依然として継続しており、FRBが重視する「PCEデフレーター」といった指標が大きく動けば、テーパリングのスケジュールにも変化があるかもしれません。為替市場にも当然大きな影響を与えます。

 ――中国恒大集団のデフォルト懸念が世界の株価に影響しています。為替への影響は?

 中国大手の不動産デベロッパー「中国恒大集団」の債務問題は、この9月29日にグループが保有する銀行の株式を国有企業に100億元(約1700億円)で売却するという発表があり、とりあえず資金繰りにめどが立った状況になっています。

 ただ、連結ベースでのバランスシートの規模は33兆円にも上り、その規模の大きさから、世界経済にも影響を及ぼすのではないかと懸念されています。とりあえず利払いができなくなる状況を回避できたとしても、今後の展開次第では不透明な部分が多いと思います。また、同集団以外の不動産デベロッパーなども債務危機に陥る可能性があり、政府の救済策が注目されています。

 とはいえ、中国の不動産会社のほとんどは、国内の国有銀行で資金調達しており、世界の金融機関に影響を与える可能性は少ないと考えられます。唯一、債券を保有している個人や金融機関は影響を受けるかもしれません。いずれにしても、株式市場には多少の影響があっても、為替市場に大きな影響が及ぶとは考えにくいと思います。

 ――10月相場の予想レンジを教えてください。

 日本では今後、岸田新政権が誕生してどんな政策を打ち出してくるかが注目されますが、あまり為替市場には影響がないように思われます。また米国では、債務上限問題というリスクが持ち上がっていますが、共和党と民主党がどこで折り合いをつけるかで、解決が長引くかどうかの分かれ目になるようです。いずれにしても、投資家も慣れている問題といえます。10月の予想レンジは次の通りです。

●ドル円・・1ドル=110円−113円 
●ユーロ円・・1ユーロ=128円−133円 
●ユーロドル・・1ユーロ=1.15ドル−1.19ドル 
●英国ポンド円・・1ポンド=147円−153円 
●豪ドル円・・1豪ドル=79円−82円

 ――10月相場で注意する点を教えてください。 

 10月相場で問題になるのは、やはりどこまで円安が進むのか、ということだと思います。チャート上ではすでに、日足、週足ともに一目均衡表の雲を抜けており、残るは月足のみとなっています。月足の雲の上限が1ドル=112円60ー70銭というところです。この月足の雲を抜けると、さらなる円安が進む可能性があります。

 ただそこまで進むには、ある程度時間がかかるかもしれません。あまり、何が何でも円安というイメージを持たないで、相場の状況を細かく判断して、売買のタイミングを判断することが大切だと思います。ポジションを細くして、こまめな売買を心がける、そんな売買がオススメです。(文責:モーニングスター編集部)。