「マネーの虎」の冷徹の虎 南原竜樹氏は、60歳で何故YouTuberになったのか?

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今から16年前、「マネーの虎」というテレビ番組があった。
起業家が自分のビジネスプランを「虎」と呼ばれる投資家たちの前で発表し、投資に値する内容であれば、虎が実際に投資をするという内容の番組だ。

南原竜樹氏は、マネーの虎と呼ばれる投資家のなかでも、冷静沈着な判断で異彩を放っていた人物だ。
2020年5月、南原竜樹氏は自身のYouTubeチャンネルに「【冷徹の虎】南原竜樹、再始動」と題した動画を投稿して、YouTuberとしての活動をはじめた。

南原竜樹氏は、なぜYouTuberになったのか?


■南原竜樹氏とは、何者か?
南原竜樹氏は1960年5月29日生まれの60歳。
1984年、大学在学中にひとりで高級外車の並行輸入で起業し、ヨーロッパからの輸入を開始した。
バブル景気真っただ中の1988年2月12日、オートトレーディングルフトジャパン株式会社(現 株式会社LUFTホールディングス)を設立する。

MGローバーの日本代理店になり、順風満帆に思われた事業だったが、2005年3月にMGローバーが経営破綻し、その影響により大きな転機を迎える。突然25億円の負債を抱え、銀行は35億円の返還を求めてきた。ショウルームを売却後、社員を全員解雇し、100億円あった売上が0になる。個人資産も返済に充てたため、六本木ヒルズの公園ベンチで夜を明かした日もあったという。

その後、南原竜樹氏は従業員 本人1人という状態から再起を目指した。
それまで一業種専門にこだわっていたビジネススタイルを多業種に展開することで活路を見出した。
2015年、株式会社LUFTホールディングスに社名変更し、レンタカー事業、車検・整備・板金事業、医療・介護分野に特化したアウトソーシング事業、 寿司・和食等飲食店経営、寿司学校事業、出版物の刊行、新メディア開発、出版コンサルティングなどグループ6社の統括及び運営をした後、多くの事業を売却した。

現在は、
・向月(こうげつ) 寿司屋
・らんたん ステーキ屋
・龍星(たつぼし) 焼き鳥屋
これらの飲食店の経営に加え、自動車の輸入で培ってきたノウハウを活かし、人材派遣業などの事業をおこなっている。


これまでの事業について語る、南原竜樹氏。


■面白さからYouTubeの世界へ
YouTuberになる経緯を聞いた。

南原竜樹氏
「還暦を前にして会社の構成をずいぶんと変えたんですね。ご存じかどうかわかりませんが、自動車屋さんで英国の女王陛下に呼ばれるまで大成功しました。その後、人生ゲームでふりだしに戻ってから、うちの会社で働いてくれている人が全部で5,000人ぐらいになりました。これだけ大きな会社の経営リスクというと、南原さんの健康問題です。実際、友達の中には、脳梗塞で倒れたり、3カ月間音信不通になったりした人が出ています。

人がどう見ているかわかりませんが、24時間365日仕事するのが大好きで、けっこう仕事をしてきて、このまま明日、脳梗塞や心筋梗塞で倒れてしまったら、いろんな困りごとができます。そのリスクを回避するとか、もう少し自分の自由な時間を作るとか、昔とった杵柄から海外で仕事をしようと思ったんですね。

ところが、いきなり新型コロナウイルス感染症が流行になり、海外の仕事が当分できそうにない状況になりました。会社に引きこもって何かやろうと考えたときに、昔々YouTubeに1本動画をあげていたけれども、どうなったかなと思って見たら70万回再生になっていたんです。じゃあ、これちょっと面白いよねと。最初はお金が欲しいんじゃなくて、単なる面白さからはじめました。今ではこれを起業にどうコンサルできるか、いろいろアイデアが出てきて、YouTubeまわりの楽しいことが一杯ありますし、ビジネスもできる楽しさもあります。」

経営者であることから、YouTubeの再生数を追いたくなり、自分の自由な時間を作るつもりが編集会議などでYouTubeに集中するあまり忙しいYouTuberになってしまったという。

2021年1月25日時点で、再生回数が多い動画は、
・【絶対に許せない】テキーラゲームで尊い命を奪った起業家M氏について本気で話します 60万再生
・【残酷な真実】消えていく職業を発表。マネーの虎、南原竜樹が忠告します。 54万再生
・【大炎上で破産寸前】4億円の自腹返済義務を負ったてんちむさんを襲う闇について語ります 46万再生
・【絶対NG】貧乏な人に共通する12の習慣をマネーの虎南原竜樹が話します 36万再生
・【赤裸々告白】無一文から大成功を遂げた南原竜樹の本当にあった凄い話「特別講演」 19万再生
などがある。

元マネーの虎たちとのコラボでは、
・【元マネーの虎たち】過去にマネー獲得に失敗した経営者が今扱っている驚きの商品とは!? 84万再生
・帰ってきた元マネーの虎たち【ダイジェスト版】 68万再生
こちらは飛び抜けて人気だ。

しかし再生数をとれなかった動画もある。
たとえば、アメリカの大統領選がニュースで大きく取り上げられていることからYouTubeのネタにしたところ、6,000再生程度と、残念な結果になった。

南原竜樹氏
「皆さんの期待にどう応えていくかとか気になるから、そこで今。色々研究して頑張っています。」


YouTubeについて語る、南原竜樹氏。

南原竜樹氏は、多くの事業に携わった経験があり、得意分野である自動車や飲食ジャンルの動画チャンネルにする選択肢もあったが、あえてビジネス系YouTuberを目指した理由はどこにあるのだろうか。

南原竜樹氏
「皆さん、自動車屋さんだと思っている人がいるかもしれませんが、医療系だとか、出版社だとか、いろいろな会社を経営していました。自動車は15年前に縮小して、現在、自動車の売上は1%ぐらいしかありません。ビジネスには共通項があるので、たとえば、自分の組織の作り方からはじまります。飲食もビジネスのHow toで扱えます。」

話す内容については、最初は話したいことを話していたという。
視聴者から反応で、とくに「凄く良かった」と言われると嬉しくしてモチベーションが上がるそうだ。

動画を撮影するにあたり台本はなく、「今日はこんなことを話そう」と、自分の頭の中に思い浮かんだことを吐き出している。最近はテレビモニターに言うべき数字をメモしたりしているという。

南原竜樹氏
「たまに迷走するんです。話がすっとんきょうなところへ行ってしまって。今日、何を話そうと思ったのか、戻ってこれなくなってしまうこともあります。」


■これからの企業はYouTubeチャンネルを持つべき
ビジネス系YouTuberとしての想いを聞いた。

南原竜樹氏
「みんながリクエストしてくれるところは、南原さんの長年培ってきた経験のHow toみたいなものです。僕、単なるコンサルではないじゃないですか。

すべてが経験したことなので、それを話したほうが面白いという話です。そこに共感してくれる人、コメントに役に立ちましたって言ってくれる人がいます。まあ、ちょいちょい言っているのが、趣味は何?って聞かれると、テレビに出ることと言っているんです。趣味はテレビに出ることが、趣味はYouTubeに出ることになっちゃったような感じです。」

現在の製作スタッフは、秘書とアルバイトの2人。
Googleから多少の広告収益は入ってくるが、YouTubeの編集に協力している人の給料を考えると、まだ赤字だ。
「趣味だったら、トントンぐらいにしてください。」といった厳しい意見もあるという。
今まで週3回ぐらいのアップを、これからは週に5回のペースにするとのこと。

YouTuberになってから、考え方も大きく変わったのだろうか?


南原竜樹氏
「100万倍変わりました。僕は現場に入るのが好きなんですよ。YouTubeの世界に入ってみて、ほかの会社経営者はみんな知らないなと。みんな見ているだけだよね。僕はなかにいるよと。見えるものがすべて違って、凄くたくさんのものが見えてきます。全部の会社がホームページを持っているのと同等に、YouTubeのチャンネルを持つべきだと考えています。そんなことをコンサルできたら面白いよねって、今、思っているんです。」


YouTubeの撮影用にスタジオを作った。

YouTuberになって良かったことを聞いてみた。


南原竜樹氏
「今のところはあまり良かったことはなくて、思った以上に時間をとられるんですよ。コメントも全部返しています。誰かが書いていましたが、コメント欄にコメントが1500入っていて、全部のコメントに返している南原さんは立派だって。そう、あなたが書くのも、また僕の負担が増えるんです。みたいなことを書いたことがあります。とにかくコメントを全部返しています。」

YouTubeを見ている人には、けっこう頭の良い人がいる。コメントの中には、400字詰め原稿用紙2枚ぶんのコメントを書いている人もいるとのこと。きちんとした文体文章で起承転結もあり、最後の挨拶まであるという。

最近はじめたTikTokについても聞いてみた。

南原竜樹氏
「どうせYouTubeをやるんだったら、TikTokもやらない手はないので。おかげさまでもう10万回再生とか、出ています。出だしは、ぼちぼちかな。」

TikTokの動画は、YouTubeとは異なるTikTok独自の話をしているとのこと。
またTikTokの視聴回数が高いネタを、YouTubeで作ることも考えているそうだ。

最後に今後の展開を聞いてみた。


南原竜樹氏
「以前のようにたくさんの社員の人たちを抱えてやるっていうのは、もうやめようと思っています。小さな会社で強くて面白いことをやりたいなと思っています。

僕は、第4クオーター。
第1(クオーター)は学生、第2(クオーター)は車屋さん、第3(クオーター)はいちおう大企業みたいな感じ。
今は60歳を過ぎて第4クオーター。
そこを面白くやるために、YouTubeという面白いものを見つけたから、このYouTubeを生きがいにやっていこうかなと考えています。」


今後の展開について語る、南原竜樹氏。

南原竜樹氏のYouTube登録者数は現在約7万人であり、10万人まであと1歩のところ。
人生の第4クオーターの目標のひとつは暇な時間を作ることだったが、YouTubeの面白さを見つけたことで、今しばらくは忙しい日々が続きそうだ。

南原竜樹 冷徹の虎


ITライフハック 関口哲司