販売差3倍!? トヨタ「ハイエース」と日産「キャラバン」と類似コンセプトでも異なる事情

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なぜキャラバンはハイエースに勝てない?

 日本市場において商用バンの巨頭とされているのが、トヨタ「ハイエース」と日産「キャラバン」です。
 
 クルマに興味ない人からすればほぼ似たようなデザインかつボディ形状ですが、販売面では大きな差があるといいます。ハイエースとキャラバンにはどのような特徴があるのでしょうか。

トヨタ「ハイエース」と日産「キャラバン」は商用車の二大巨頭となるモデル

 ハイエースの現行モデルは、2004年8月にデビュー。一方、キャラバンの現行モデルは、2016年6月に登場しています。

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 2018年の新車販売台数によると、ハイエース(レジアスエース含む)は5万7893台、キャラバンは2万3713台となり、3万4180台の差が出ています。

 2019年では、ハイエース(レジアスエース含む)が6万8027台、NV350キャラバンが2万551台となり、4万7476台差を付けて約3.3倍もハイエースの販売台数が上回っているのです。

 現行モデルのデビューから16年もの月日が経過するハイエースに対し、NV350キャラバンは誕生から8年余りしか経過していないものの、なぜ販売台数に大きく差が出るのでしょうか。

 両車のボディサイズは、商用車の4ナンバーに収まる標準ボディの場合、ハイエースが全長4695mm×全幅1695mm×全高1980mm。キャラバンは全長4695mm×全幅1695mm×全高1990mmとなっており、そのサイズ感に大差はありません。

 ただし、顧客のニーズに合わせて展開される多様なボディタイプをについては、それぞれ異なる部分が挙げられます。

 ハイエースは、標準ボディのほかに、全高2240mmのハイルーフ仕様のロング、全長を少し伸ばしたロングのワイド幅/ミドルルーフ(全長4840mm×全幅1880mm×全高2150mm)のほか、全長を延ばしたスーパーロングと呼ばれるワイド幅/ハイルーフ仕様(全長5380mm×全幅1880mm×全高2285mm)を展開。

 一方のキャラバンは、標準幅/ハイルーフ仕様(全長5080mm×全幅1695mm×全高2285mm)とワイド幅/ハイルーフ(全長5230mm×全高1880mm×全幅2285mm)といった全長の異なる2種類のスーパーロングをラインナップに追加しています。

 このように、両車の大きな違いとして、ハイエースのほうが選択肢が多いことがあげられます。

 しかし、基本的なパッケージではハイエースとキャラバンは似通っているクルマであることに変わりありません。しかし、新車販売台数においては、ハイエースのほうが高い人気を誇っています。

 ハイエースを販売するトヨタの販売店では、両車の販売台数に差が出ている背景について、以下のように話します。

「ハイエースのほうが人気を集めている大きな要因は、ハイエースそのものが持つブランド力です。

 実際に、ハイエースを選ばれるお客さまの多くは、『昔から商業者といえばハイエースというイメージが強い』といった声も寄せられています。

 また、ハイエースからキャラバンに乗り換えたものの、再びハイエースに戻ってくるユーザーも目立ちます。こうしたお客さまのなかには、ハイエースのほうがエンジンの振動が伝わりづらく、長時間の運転でも疲れにくいといった意見も多いです」

 では、中古車市場ではどうなっているのでしょうか。ハイエースとキャラバン専門に取り扱う中古車販売店の担当者は、次のように話します。

「ハイエースの人気が高い理由は、リセールバリューが大きいことです。海外市場でも人気の高いクルマなので、キャラバンと比較しても高い値段で取引されます。

 とはいえ、両車を購入するユーザー層は大きく異なります。ハイエースの場合は、カスタムのベース車として楽しみたい人が多いです。一方、キャラバンは仕事重視で選ばれる人が目立ちます。

 それぞれの購入目的が大きく異るため、弊社の販売店ではハイエースやキャラバンの販売台数に大きく差が出ていることはありません」

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 このように、両車の販売台数に差が出る大きな要因は、それぞれのニーズがあげられます。

 キャラバンは仕事メインでの活躍が目立つものの、ハイエースはプライベートでも活躍できるため、幅広いユーザーからの需要を集めていることが分かりました。

 また、前出したハイエース・キャラバン専門の中古車販売店によると、ハイエースはカスタムパーツも豊富なため、自分好みにカスタマイズできる楽しみがあるとも話します。

 さらに、キャンピングカーとしてのカスタマイズも可能なので、近年のキャンプブームにあやかりファミリー層からもじわじわと人気を集めているようです。

直近販売動向は? 人気のグレードやオプションは?

 ハイエースとキャラバンの直近の販売動向はどうなっているのでしょうか。

 前出のトヨタの販売店では、以下のように話します。

「ハイエースは商用車になるので、2月から3月の決算タイミングでは入れ替わりが多くなるものの、年間通しての販売台数に大きなバラつきはありません。8月現在も2台から3台の注文が入っており、先月と大きく変わりがない状況です。

 また、人気のグレードはスーパーGLの注文が目立ちます。荷物を運ぶ用途に合わせ、シートや椅子の素材に乗用車と変わらない室内空間が確保されているので、仕事とプライベートの併用として利用される人に人気です。

 ミニバンと比較すると乗り心地は多少劣るものの、家族でのお出かけなど問題なくドライブを楽しめる乗り心地を確保しています。

 オプションについては、ナビゲーション、バックモニター、フロアマット、ドラレコ、などを付けられる方が多いです」

カスタムパーツが豊富なハイエースはカスタム・チューニングのベース車としての人気も高いほか、キャンピングカー仕様も存在するなど趣味のニーズが高い

 一方、キャラバンを販売する日産の販売店は、次のように話します。

「当店では、コロナ禍により商業車の需要が減っているため、8月中の販売台数はいまのところ0台になります。

 また、キャラバン自体そこまで毎月何台も注文が入るクルマではありませんので、これまでも月に1台から2台程度の注文数になります。

 また、キャラバンで1番人気のグレードは、商業車メインに開発されているデラックスです。

 乗用車としても利用する人には、プレミアムGXも人気のモデルになります。とはいえ、キャラバンはおもに仕事メインで活用されるユーザーが大半なので、全体の販売台数としてはデラックスが一番売れています。

 オプションについては、デラックスとプレミアムGXともに、LEDヘッドランプ、電動のミラーアラウンドビューモニター、といったものが人気です」

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 不動の人気を誇るハイエースは、商用車としての需要だけでなく、個人利用としてのニーズが高いことが販売台数に影響しているようです。

 一方のキャラバンは、仕事メインでの活躍が多いため、購入車層も限られることなどが、両車の販売台数に開きが生じている要因といえるかもしれません。