大久保が1位に選ぶ「13年の川崎」の布陣。MVPには山本、MIPにはレナトを挙げている。

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 5月28日発売のサッカーダイジェストでは、「Jリーグ歴代最強チーム」と題し、現役選手や元日本代表など総勢50名に“歴代で最強だと思うチームトップ3”を選んでもらっている。ここでは、J1最多の通算185ゴールを誇る大久保嘉人(東京V)の“トップ3”を紹介しよう。

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大久保嘉人が選ぶ“最強チームトップ3”」
1位:2013年の川崎フロンターレ
2位:2003年のセレッソ大阪
3位:1994年のヴェルディ川崎
 
 強さを基準にすると、選ぶのが難しい……。かなり迷ったので、実際にプレーして楽しかったチームから考えました。

 まずは03年のセレッソ。J1に昇格したばかりで、開幕前に実力が疑問視されていたけど、それを払拭できたシーズンです。森島(寛晃)さん、アキさん(西澤明訓)の名コンビに、布部(陽功)さん、久藤(清一)さん、助っ人のバロンと実力派のメンバーが揃っていて、2点取られても3点取るような攻撃的なサッカーが魅力でした。

 リーグでは9位と上位ではなかったし、天皇杯では決勝で磐田に負けてしまったけど、観ている側からすれば見応えがあったはず。俺が観客だったら、絶対に好きになるチームやと思う。

 しかも、この年は俺自身にとっても思い出深いです。前年にJ2で18点取っていて、じゃあJ1でどれくらいできるのかと、不安と楽しみな気持ちを同時に抱きながら臨んだプロ3年目。終わってみればリーグ戦で16ゴールを決められて、A代表にも初めて呼ばれて、「意外といけるやん」と自信が確信に近づいたシーズンでした。

 ただ、その03年以上に転機になったのが13年でした。川崎加入1年目の年で、世間からは「大久保は終わった」と見られていて、なんとか挽回しないとって、かなり危機感を持っていたなあ。

 そんな俺が26点を取って得点王になれたのは、この年の川崎のサッカーのおかげです。 風間さんが目指していたスタイルは、俺の理想と合致していて、やっていて本当に楽しかった。止めて・蹴るという基礎技術が高い水準で求められ、常に頭をフル回転させるからかなり疲れるんですけど、プレーしていて心地良いっていうか。なんか公園で遊んでいる感覚やった。おそらく試合に出ていた全員がそういう気持ちでいた。このサッカーを体現できるチームは、今でもほとんどないんじゃないかな。
 
 特にボランチの(山本)真希は頼りになった。俺と一緒に入団して、すぐにパスサッカーに順応すると、ディフェンスもしっかりこなすし、アシストもするし、影でめっちゃ効いていた。真希がいなかったら、この年のサッカーは成り立たなかったんじゃないかな。あとはレナトも凄かったな。ひとりでガンガン運べるし、何気ないクロスやスルーパスの一つひとつが上手い。俺が得点王になれたのは、彼のアシストがあったからです。

 あと1チームは、実際に俺は在籍していないですが、小さい時に受けた衝撃が忘れらなくて入れました。94年のヴェルディです。

 チャンピオンシップの広島戦で見たラモス(瑠偉)さんのループシュートには度肝を抜かれましたね。「そんなシュート打てるのか」って。当時は何度何度も真似をして、ガッツポーズまで完全にコピーしていました(笑)。

 チームとしてもやたらと強かった。ラモスさんの他にもカズさん(三浦知良)、北澤(豪)さんとかスター選手が多くて知名度も抜群だったのを覚えています。今でもヴェルディを知らない人ってほとんどいないでしょ。それだけ影響力があったということ。当時、あの緑のユニホームに憧れていたのは、俺だけじゃなかったはずです。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

※『サッカーダイジェスト』2020年6月11・25合併号より転載。

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