仕組みをしっかり理解していないと失敗のリスクが大きい

 プロがいるということは、その作業内容は素人とはもちろんレベルが違い、お金を払うだけの価値がある。もちろん自分でできることもあるし、器用だったり、知識や道具が揃っていれば素人でも可能なのも事実だが……。

 ネットが発達したこともあり、プロはもちろん”できる素人”を見て、自分もできると思ってしまうケースが増えている。理解していないのにやるのは危険だし、とくに質が悪いのは、表面上はうまくいっているように見える間違いを参考にしてしまうこと。これが最近とても多いように思える。やたらと自己責任と書いてあるが、なにか起こって取り返しがつかなくなったところで、自己責任と言われてもどうしようもないことも多い。そこで今回は、今まで見てきたなかで「形だけ真似して失敗した」という例を紹介しよう。

1)ホイール

 プロでもベストマッチはすぐに判断しにくいのがタイヤも含めたホイールまわりの寸法。フェンダーに当たりすぎてバースト、さらにツライチを目指して、スペーサーの入れ過ぎでナットのかかりが浅くなり脱輪というケースもある。

2)ブレーキ

 ブレーキは素人はやってはダメという人もいるが、本来は自分で交換してもよく、他人からお金を取ってやるのがダメというだけだ。とはいえ、理解していないでチューニングパッドに交換すると、鳴きが出たり、油の付いた手でパッドやローターの表面を触ってしまい、効かなくなることも。またエア抜きの失敗も多い。仕組みは単純とはいえ、構造を理解していない人がやるのは避けたほうがいい。

走行中のパーツの脱落や作業中に骨折したケースも!

3)エアロ

 ネットで中古のエアロがたくさん出ていることもあり、ここでもトラブルが。まずは色が合わないことが多く、塗り直しを自分でやって失敗。色合わせはエアロだとそんなに気にならないが、問題はムラやタレ。さらにうまくいっても、剥がれてきたりする。色塗りでの失敗は自分が困るだけだが、装着がダメで、脱落すると他車にも迷惑をかけてしまう。

 またGTウイングが流行った頃は、自分で付けるとトランクの裏側の補強を入れておらず、走っているうちにダウンフォースがかかって凹んでしまったという例も見られた。

4)サスペンション

 ネットを見ていると格安工具や裏技を駆使して、ショックやスプリングを交換しました! という記事を見かける。自分も! と思ってやってみると、形だけは成功しても走り出すとコトコト音がしたりして、結局組み直しに。しかも、工具の使い方がおかしいとスプリングが飛び出して、危険な目に合う可能性もある。指に当たって骨折した人も身近にいる。

5)マフラー

 これもまた中古が多く出回っているし、止まっているのも数箇所で簡単そうに思える。しかし、ガスケットや釣りゴムを素人判断でそのまま使いまわして排気漏れ。そもそも、熱で固着してナットやボルトが取れない場合もある。

 ありがちな5つを上げてみたが、絶対にやってはダメというわけではなく、自分でやってみると楽しいことも多い。失敗で共通するのは理屈で構造や作動する仕組みをまずは理解してないと、失敗の確率が高まるということ。工具も必要なものは揃えたいし、素人こそ、工具に助けてもらう部分は多い。手持ちの工具で工夫して、というのはプロがやることだ。

 ネットを見ながら、形だけ真似してみたというのだけは避けてほしい。当然のことながら、失敗のリカバーをプロにお願いしても嫌がられるだけ。なかにはお断りのところもあるのであしからず。