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急募、オープンカーのタクシー!

「毎日コロナ」という状況の日本。スポーツイベントもめっきり少なくなりました。今はまだ海外での試合はそれなりに行なわれていますが、北米・欧州でもじょじょに感染拡大の兆候が見られ、1ヶ月ずれくらいで向こうも一斉休業の流れとなるのでしょう。終わりのない不安に、心情的にはだいぶ疲れてまいりました。

そんななか日本の希望と言えるのが大相撲。「国技という責任感を背負った江戸時代」を標榜し、物事を深く考えないことで彼らは前に進んでいます。「コロリを踊りでねじ伏せよう」みたいなノリで生きています。深く考えたら何もできなくなってしまうとき、こういう人たちは貴重かもしれません。野球でさえ再来週まではナリをひそめているというなかで、無観客とは言え今週末からフル興行をぶち上げようというのですから。塩さえまいていれば恐れるものなど何もない!

もちろん何の対策も講じていないわけではありません。土俵上での所作についても、「完全に飛沫」「ある意味汚染水」「今後とも止めるべき」と懸念しかなかった力水について「エア力水」とすることを宣言しました。何となく、より感染力が強まった感もある名前になってしまいましたが、これには力士たちも安堵したことでしょう。

↓「海洋深層水」「活性水素水」につづく新しいアヤしい水、「エア力水」!

「相撲取りがクチに含むことでイオンが…」
「大地の精霊のパワーを取り込み…」
「海水に近いミネラルが含まれ…」
「ノドをうるおして吐き出すことで…」
「強い清めの効果がウイルスを撃退…」
「勝ち運がつくとも言われている…」

力水(300ml*24本入)
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まぁ僕も「力水禁止!」って言ってたクチなので、同じレベルっちゃレベルなのですが、理想論で言えば「毎回ひしゃくと水は新しくて清潔なものに交換し、取組前にそれでうがいをする」が正解だったような気もします。「ほぼうがい」という行為をせっかく元から導入していたのに、何も止めることはないなと今さらになって思います。

「塩禁止!」なんてのもただ禁止すればいいのではなく、たとえば塩の代わりにアルコール消毒液を置いておきまして、仕切りのたびに手をプシュッとやるほうがよかったのかもしれません。アルコール消毒液プシュッ、手パンパン、手をひらひら乾燥、地面に手をついて汚染、アルコール消毒液プシュッ、手パンパン、手をひらひら乾燥、地面に手をついて汚染…無駄かもしれませんが。

そんな大相撲は土俵外の部分でも相撲取りなりの知恵を絞って対策を講じています。このたび発表されたのは場所入りの際の移動手段についての対策。かねてより「満員電車は危険なのでは?」と懸念されるなかで、相撲取りは真っ先にそこに切り込んできました。5日の日本相撲協会の発表によると、春場所の移動手段は「原則として公共交通機関は使用せず、自家用車やタクシーとする」ことを決めたのです。

↓次々に具体策を打ち出す日本相撲協会のスピード感!

なお、協会からは「発熱が蜂窩(ほうか)織炎によるものなど、ウイルス性ではないという診断書があれば出場を認める」との発表も!

ウイルス性でなければ働いてOKです!



幕下以下の人間の権利がない力士たちは、クルマを持つ金など到底ありませんので、普段の場所においても電車通勤をしています。そんな彼らが満員電車で感染すれば、力士間での感染、付け人⇒関取衆への感染、親方への感染、行司・呼出しへの感染…と瞬く間に感染は広がってしまいます。親方・行司などは「高齢」か「持病持ち」か「高齢&持病持ち」のどれかですので、非常に危険だと言わざるを得ません。

現在のところWHO(世界保健機関)から「一般人⇒力士への感染」「力士間での感染」についての症例報告は1例もなく、力士に対する感染力は極めて弱いのではないかとも推察されますが、何せ相手は未知のウイルスです。警戒するに越したことはありません。普段は電車通勤の若い衆も、今回ばかりは避けたほうがいいという点については、まっこと同意であります。

本来なら、全員が自家用車で場所入り…と行きたいところですが、角界においては力士の運転は原則禁止されています。力士が事故をやらかしやがるので「運転禁止!」の御触れを出しているのです。ときに御触れを無視して無免許運転をやらかしたりする輩もいますが、そうした輩を容赦なく解雇するほど、角界は力士本人の運転を厳しく禁じています。

当然のことながら「若い衆が2人くらい運転手になってピストン輸送すればいいのでは?」なんて解決策は取れません。ましてや親方が運転して送り迎えなど上下関係本末転倒あり得ないこと。ということでタクシーという話が出てくるわけですが(※貸切バスは手配が大変なので諦めた)、費用はどうなるんだということが心配ですよね。お金がないから電車通勤してるのに、急にタクシーって言われても困りますよね。

その点についても対策は万全です。何と協会は「タクシー代を全部負担する」というのです。いくらになるかの試算は現状していないようで、タクシー代が高額になる可能性もあります。しかし「金よりも命」が大相撲の選択。「なるべく3人など乗り合いで来てほしいというのはある」としながらも、「そんなことより、一切ウイルスを持ち込まないということが前提」だと、金に糸目はつけない構えです。

大・英・断!

僕などは性根がケチなもので、ついつい「歩いてこい」「会場そばのビジホ泊まったほうが安かったりしない?」「若い衆が2人くらい運転手になってピストン輸送」と言ってしまいそうになるのですが、そこで示した「タクシー代は協会が全部出す」の太っ腹。ひとりでも感染者が出たら場所を中止すると覚悟した男たちの本気、ここにアリです。約660人ほどいる力士たち、彼らが仮に「3人乗合・初乗り運賃」で15日間往復しただけでも「660人÷3×680円×15日×往復=448万円」となりますが、そこは「金よりも命」です。安いもんじゃありませんか。500万円くらい。

大相撲はこれから未知なる敵との大一番に挑みます。15日間の途中で力士に感染が発覚した場合、打ち切りになってしまうのか。14日目で発覚した場合、本当にそこで打ち切れるのか。優勝が決まったあと打ち切りになったら扱いはどうなるのか。打ち切りとなったとき、春場所の勝ち負けや翌場所の番付の編成はどうなるのか。考えていない問題は山積みです。

どうぞタクシー会社のみなさんも、もし手持ちの車両でオープンカーがございましたら、積極的に相撲部屋からの手配にまわしてやってください。相撲取り3人が1車両に乗り込んだら、その時点で満員電車より密度は濃厚になってしまいます。冷静に考えると、それぞれバラバラに電車に乗ったほうがいいんじゃないかという気もしてきます。

もしもオープンカータイプ車両があれば、その懸念はグッと低減するでしょう。春場所では優勝パレードはやらないそうですので、相撲取り恒例のオープンカーでバンザイはなくなります。せめて場所入りのときにオープンカーに乗せてあげられたら、力士たちにとっても忘れがたい思い出になるのではないでしょうか。パレードみたいだったね…と。

そして、プロ野球・Jリーグなどもどうぞ大相撲の先行事例をご参照ください。いや、社会全体にとっても真剣に検討すべきアイディアでしょう。これまでも深夜帯などにタクシー代を負担してきた会社はあるはずです。公共交通機関に懸念があるのなら「タクシー全額負担」というのは、雇用側にとって当然考えるべき範囲の手段です。「タクシー代を払ってまで来てほしい人間かな?」という別軸の検討材料はあるかもしれませんが、僕は社会全体にこうした意識が広まることを切に願うものです!

↓自転車の運転の練習をしたこともありましたが、自転車通勤よりタクシー通勤ですよね!

「コロナ心配やな…」
「従業員のことはどうでもいいが」
「持ってきてワシにうつされたらかなわんな…」
「満員電車はアカンで…」
「でも時差通勤とか」
「在宅勤務とか」
「そんなんあり得へんし…」
「せや、歩いてこさせよう」
「何、遠い?」
「じゃ、自転車でこさせよう」
「ん、キツイ?」
「いやいやいやいやいや」
「ロードバイクなんて」
「200キロくらい走るぞ」
「いけるいける」
「自転車が最適解」
「ん、タクシー?」
「アホなこと言うな」
「お前の稼ぎより足代が高くなるやろ」

なんてブラック企業とは一線を画す対応!


タクシー会社さん!何回も乗るんで同じ運転手さんキープでお願いします!