亡くなった婚約者を見つめる男性(画像は『The Sun 2019年10月23日付「ETERNAL LOVE Heartbroken groom, 35, marries his fiancée’s corpse so she can realise her dream of being a bride after cancer death」』のスクリーンショット)

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中国遼寧省に住む35歳の男性が、愛してやまない女性と結婚式を挙げた。嬉しいはずの結婚式はしかし、女性との最期のお別れの場ともなった。『Mirror』『The Sun』などが伝えている。

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遼寧省大連市のシュー・シナンさん(Xu Shinan、35)が今月20日、12年間をともに過ごしてきた亡き婚約者ヤン・リューさん(Yang Liu)と結婚式を挙げた。式は葬儀も兼ねており、友人や家族がピンクの花で飾り付けられた棺で眠るヤンさんに最期の別れを告げた。この日ヤンさんが身に着けていたのは、彼女の生前の‟夢”だったという純白のウエディングドレスだ。

ヤンさんとシューさんは大学のクラスメイトだった2007年に出会い、6年後に婚約した。しかし幸せの絶頂にいたヤンさんは、ちょうどこの頃から胸の痛みを訴えるようになり、28歳の時に乳ガンと診断された。すでに2人は結婚式の計画を立て始めていたが、ヤンさんは化学療法や手術を受け、乳ガンの治療を優先した。

ヤンさんの症状が改善した2017年、2人は新居を購入するための貯金を始め、結婚式の準備を進めていった。しかしその翌年、ヤンさんの乳ガンが再発。ガンは身体中に転移しており、2人は一縷の望みにかけて中国中の医師を訪ね歩いたが、今年7月にヤンさんはついに寝たきりとなってしまった。その後、ヤンさんの身体は咳をするだけで骨にヒビが入るほど衰弱し、医師らは今月6日にヤンさんを薬による昏睡状態に置いたが、1週間後の14日に息を引き取った。乳ガンの告知を受けてから5年半が過ぎていた。

「彼女は最期、もう私が誰かも分からなくなっていました。きちんとさよならもできないまま、彼女は逝ってしまいました」―悲しみに暮れるシューさんは、葬式が行われるまでの数日間をヤンさんの亡骸と一緒に過ごし、そして‟あること”に気が付いた。ヤンさんは生前、ウエディングドレスの候補を数着、オンラインショッピングのカート内に残していたのだった。

シューさんは心が引き裂かれる思いで、ヤンさんの亡骸に「一番美しいドレスを買ってあげるからね」と約束し、その翌日には彼女が選んだであろう純白で美しいドレスを手に入れた。シューさんによると、事情を知った店のオーナーがシューさんの話に心打たれ、1元(約15円)でいいからと譲ってくれたそうだ。

結婚式当日、ウエディングドレスを纏ったヤンさんに、シューさんは誓いの言葉でこう語りかけた。

「私は一生、心に痛みを抱えたまま生きるでしょう。でも私は負けたりはしないから。」

「私に唯一できることは君の望みを叶えること。そしてウエディングドレスを君に着せてあげることこそ、私の望みだよ。」

そしてヤンさんとの式を終え、彼女を妻に迎えたシューさんは最後にこう明かした。

「妻には生前、『私が死んでも泣かないでね』と言われました。でも彼女が荼毘に付されるために連れていかれるのを見たら、溢れる涙を止めることなどできませんでした。」

このニュースは中国のSNSで拡散し、「来世ではきっと一緒になれるよ」「これこそ真の愛なのかな」「美しい話だけど、悲しい」「運命は残酷」「もう一度幸せをつかんで欲しい。彼女もそれを望んでいると思う」といったコメントがあがっている。

画像は『The Sun 2019年10月23日付「ETERNAL LOVE Heartbroken groom, 35, marries his fiancée’s corpse so she can realise her dream of being a bride after cancer death」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)