密室空間の車内にいると危機という認識がしにくい

 台風による大きな被害が目に付く昨今だが、ただひどいではなく、そこから教訓を学び、次につなげていくのが大切だ。

 とくにクルマの場合は、被害に遭いやすく、水没で不動になるというニュースはよく目にする。冠水時の対応は、今までも紹介されているが、今一度おさらい的に紹介しておこう。

1)車内にいることの心理面

 心理学的にも車内にいると別世界感というか、外とは隔絶されて大丈夫と思いがちとされる。もちろん外と隔てているのはガラスと鉄板だけなので、心理的な勘違いにすぎない。すぐ外では凄いことが起こっていたり、すぐそこにまで危険が迫っていると認識することが大切だ。

2)走れるのはマフラーの出口まで

 エンジン自体は中に入っているオイルが漏れないのだし、バイクは雨だとエンジンに水は当りっぱなしなので、水には強いと言えるのだが、排気ができないと止まってしまう。だからマフラーの出口の高さというのは大きな基準となる。勢いをつけて走りつづければ排気ガスの圧力が水を押し出すが、結局は負けて止まってしまうので過信はダメ。さらにエンジン内の水が入った場合、あとでスターターを回すと内部はオシャカになるので注意が必要だ。

沈むとドアを開けるのが難しくなる!

3)ボディの半分ぐらい浸かると電装系がダメになる

 今や窓の上げ下げも、ロックも電子制御。もちろん電気は水に弱く、だいたい車高の半分ぐらいまで浸かると、電気系が不動になってしまう。そのままとどまるか脱出するかの判断は難しいこともあるが、いずれにしても車内は隔絶されているから大丈夫と思うのだけは避ける。まさか、自分は大丈夫だろうと進んで行くのが一番怖い。

4)ほぼ沈んでしまうとドアは開かない

 水圧というのは凄くて、沈んでしまうとドアを押し開けることは不可能なほど。もし開いたとしても一気に水が流れ込んでくる。普段着、そしてシートに座った状態から、的確な脱出はかなり難しい。

 とりあえず知っておいてほしい、4つの注意点を紹介したが、もっとも重要なのは最初の心理的なところ。水害、地震など、自分だけは大丈夫と思ったがゆえの被害拡大は多い。とくにクルマの場合は密室だけに、過信しがちなので、とにかく慎重になることが大切。災害時に慎重になりすぎて悪いことはないのだ。