完全スマホの1つの到達点オッポ「Reno 10x Zoom」にみるディスプレイとカメラ革新

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オッポジャパンが発売したスマートフォンの新ブランド「Reno」シリーズの製品第1弾が
「Reno 10x Zoom」だ。

Reno 10x Zoomをひと言で言い表すなら、
「パーフェクトなスマートフォン」その一つの到達点だ。

スマートフォンの進化は、パフォーマンスの向上だけではない。ユーザーニーズに対応するための機能向上と、新たなニーズを掘り起こすための新機能の実装があった。

とはいえ、全ての機能を網羅して満足のいくものを作ろうと思えば、本体は分厚くなり、重い塊になりかねない。

例えば安易に大画面化を実現すれば、スマートフォンの横幅も広がる、極端に持ちにくくなる。

大画面化しても持ちやすいスマートフォンを実現するために、ディスプレイデバイスの周りのベゼルを細くする狭額縁化が進んだ。横幅を変えずに画面の外枠を細くすることで、一回り大きいサイズのディスプレイデバイスを組み込むことができるようになったのである。

そして次の段階の大画面化では、持ちやすさを維持するため横幅を変えずに表示領域を拡大する縦横比の変更が採用された。
縦横比は、それまでの4:3から16:9へとディスプレイデバイスに変更となった。
ただし、これはテレビや動画コンテンツの縦横比にならったものだ。

実は、この縦長化はスマートフォンでは最適ではなかった。

スマートフォンは画面上部に時間やアイコンなど、各種の通知情報を表示して利便性を高めている。また、Androidの場合は画面下にナビゲーションキーを表示して、シンプルな操作に繋げているからだ。

つまり折角の16:9の縦長ディスプレイなのだが、常に表示される情報のせいで表示領域が狭まってしまっている。そこで横幅を変えない大画面化が進み、さらにこの表示領域の問題解決につながる18:9やそれ以上のディスプレイデバイスが搭載されるようになった。

こうした大画面化と縦長化によって片手操作が難しくなったことから、片手でも操作できるよう表示を縮小する片手モードや、画面上部の通知領域をジェスチャーで操作できる機能を搭載するなどして、ユーザーの使い勝手の改善をサポートする機種も登場している。

この縦長化の進化という経緯を経て登場したのが、究極の大画面化を目指し額縁をなくした“ベゼルレス“という流れだ。正面から見て、画面周りの余白を究極まで減らして、スマートフォンのデザインをシンプルにすると同時に、画面の没入感を高めることが狙いだ。

ディスプレイデバイスの進化による周辺の配線の仕組みや、ベゼルレスでも本体の強度を確保できる設計などから究極のベゼルレス化は実現された。
しかしベゼルレス化を阻む要素として、インカメラ(前面カメラ)や近接センサー(スマートフォンを顔に当てているかを判断する)、通話用のスピーカーを配置する必要がある。


これらのパーツを前面に残したままベゼルレスを実現する。
この命題をクリアしたのが、ディスプレイデバイスに「切り欠き」を入れたノッチデザインだ。
正直なところ、ノッチを採用したベゼルレスデザインがユーザーの求めていたものかは疑問だが、これがスマートフォンの大画面化・ベゼルレスのトレンドとなった。
その後、カメラユニットの設計変更や、スピーカー、近接センサーの小型化など、切り欠きを極限まで小さくすることで、ノッチデザインの見た目の悪さを解消している。


カメラユニットギリギリまで切り欠きを縮小した一方で、指紋センサーの領域確保で下部に切り欠きを追加したシャープのAQUOS R3

画面のノッチデザインに関しては、否定的な意見が多かったが時間とともにユーザー側が受け入れていくような流れになった。

ところがOPPOは、受け入れ始められていたノッチデザインを完全否定した。
収納可能なスライド式のカメラを搭載することで、ノッチがない完全なディスプレイを実現したのだ。

それが昨年発売の「OPPO Find X」だ。


ノッチレスデザインの全画面スマホOPPO Find X

このスマートフォンは本体上面に、カメラアプリと連動したスライド式のカメラユニットを搭載。さらに、前面のカメラだけではなく背面のカメラもスライド式にしている。こうすることで、前面には画面だけ、カメラがない背面はシンプルでフラットなデザインを実現している。

このスライド式の構造は30万回以上の耐久性があるとしている。実に4年以上使っても問題なく動作する計算である。

このようにして、ユーザーが潜在的に抱いていた不満を技術で解決する。
一つの提案をしたモデルがFind Xなのである。


そして、Reno 10x ZoomもインカメラをFind Xよりシンプルな片側ポップアップ式構造にすることで、ノッチがない画面を実現している。
可動部分があることから、低価格スマートフォン向けの仕組みではない。
しかし新しいブランドでこうしたチャレンジブルな取り組みは、ほかのスマートフォンとの差別化を強烈にアピールすることができる。

さらにReno 10x Zoomでは、カメラ機能でもこれまでのスマートフォンではできなかったことを実現している。


それが、背面のアウトカメラの10倍ハイブリッドズームだ。
35mm判のカメラで換算すると、超広角16mmから望遠の160mm相当の撮影が可能なのである。


それを実現するのが
・4800万画素の高解像度メインカメラ
・800万画素の広角カメラ
・1300万画素の望遠カメラ
このトリプルカメラ構造だ。

光学的には、超広角レンズと広角レンズ、そして望遠レンズの3つのレンズによって実現している。超広角レンズは最近のスマートフォンのカメラでも多く見られる構造だが、望遠カメラに関しては実現できた例は多くない。
屈曲光学式のレンズを搭載して望遠レンズを実現したスマートフォンは、日本でも発売が決定したファーウェイの「HUAWEI P30 Pro」(NTTドコモ)、そして過去にはエイスースの「ASUS ZenFone Zoom」などがあるが、まだまだ望遠レンズに対する決定的なアプローチはないようである。

スマートフォンでの望遠撮影のアプローチを振りかえってみると、画面の一部を切り出して拡大補完するデジタルズームが今でも主流である。複数のカメラを搭載するようになってからは、画素数は同じだがメインカメラより小さいイメージセンサーを搭載することで、デジタルズームで必要だった拡大補完をイメージセンサーそのものの解像度で実現可能となり高画質化することができるようになった。

また、画質劣化につながるデジタルズームで拡大補完するのではなく、イメージセンサーを高画素化し、出力解像度をイメージセンサーの画素数より低く見積もることで、ギリギリまで劣化が少ないデジタルズームを実現するという手法もある。
例えば、イメージセンサーは2000万画素だが、通常は1200万画素に縮小する。
望遠撮影時はイメージセンサーから1200万画素までのトリミングなら各ピクセルが拡大されることなく、高画質な望遠撮影を実現可能になるというわけである。


Reno 10x Zoomは、劣化が少ないデジタルズームとイメージセンサーのサイズの違いそして薄い筐体のなかに光を90度折り曲げるプリズム式の屈曲光学式レンズで“光学5倍ズーム”相当の望遠レンズを搭載することで160mm相当の望遠撮影を可能としている。


Reno 10x Zoomの超広角レンズ。赤丸の部分を60倍ズーム(デジタル)で撮影したのが次の写真


デジタルズームなので画質低下が見られるが、何が写っているのかは十分判断できる


画像劣化なしの光学5倍ズーム。スマートフォンのカメラは高画質で遠くのものの一部を切り出せるようになった

このように新製品Reno 10x Zoomは、メーカーが理想とする
・ノッチがない全画面化
・ユーザーニーズを広げる高倍率ズームレンズ
これらを具現化することで、スマートフォンの弱点を克服した。
一つの究極のスマートフォンを作ってみせたのである。


Reno 10x Zoomのポップアップ式のインカメラ

ノッチのない全画面化と高倍率ズームレンズは、OPPOの方法とは異なる方法で解決することもできるのかもしれない。

しかし後発のスマートフォンは、今回のReno 10x Zoomを意識せざるを得ないだろう。

今後こうした技術がどのように進化していくのか、そして低価格モデルにどのようにして広がっていくのか、注視していきたい。
執筆  mi2_303