スポーツブラの本当のメリットとは

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下着メーカー「ワコール」の岡部真由美さんがアドバイス

 女性アスリートが快適なスポーツライフを送るためのサポートをする「スポーツブラ」。バストを守るためにも、女性アスリートには必須アイテムとも言えるが、下着メーカー「ワコール」が2019年2月に行ったインターネット調査では(1年以内にスポーツをした女性817人が対象)、スポーツ時にスポーツブラを着用している女性は約3割にとどまっていることが分かった。スポーツブラを着用しない理由には「普通の下着とどう違うのか、どんな効果があるのかわからないので」という回答がある。

 それというのも、一般にバストやスポーツブラについて正しい知識や理解を持っている人が少ないことに一因があるようだ。

 スポーツブラはバストをホールドして「ユレ」を軽減する他、普段使いのブラジャーに比べて「ズレ」や「ムレ」の少ない設計で、より競技に集中しやすいコンディショニング作りをサポートしている。

 スポーツをする女性の中には、「動きの少ない競技にスポーツブラはいらないのでは?」「バストの大きな人だけが必要なもの」「走ったりジャンプしたりする競技には必要だと思うけど……」と考えている人も多いのでは。だが、実はこういった考えは間違った思い込みのようだ。

激しい動きを伴わない競技でもスポーツブラの着用を

 コンディショニングウェア「CW-X」を手掛ける「ワコール」ウエルネス事業部の岡部真由美さんによれば、たとえ激しい動きを伴わない競技であってもバストにユレが生じるため、スポーツブラの着用をオススメするという。

「陸上やバスケットボール、サッカーといった激しい動きのスポーツの場合、スポーツブラを使っている選手が多いですね。競技によって運動強度や動きが大きく変わってくるので、必要性を感じる時と感じにくい時があるかもしれません。でも、今のスポーツブラは単に押さえつけるだけではなく、ホールド感やつけごこちなど数多くのタイプがあるので、運動の強度ではなくスポーツの特徴に合わせて、フィットするスポーツブラを見つけていただけるのではないかと思います」

 最近スポーツブラを使い始めた女子プロゴルファーから、こんな反応もあったという。

「ずっと普通のブラを使っていたというゴルファーの方に、スポーツブラをオススメしたんです。そうしたら、『このスポーツブラはYバックになっているので、肩甲骨周りが動かしやすいことだけでなく、スイングのフォームがきれいにイメージしやすく、スコアが上がりそうな気がします』ととても喜んでくださいました。スコアに直接つながらないかもしれませんが、そうやって意識できたりポジティブに思えることが自信にもつながっていくと思うんです」

 普段使いのブラジャーだと、ホックが外れてしまったり、肩ひもやアンダー部分がズレてしまったり。プレーに集中できないハプニングが起こる可能性もあるが、スポーツブラを使っていれば、そういった心配も軽減される。「最近はオシャレでデザイン性の高い商品も多いので、スポーツタイツとのコーディネートが楽しめて、気持ちも上がりますよね」。スポーツブラの着用は、女性アスリートを内面からもサポートするメリットもあるようだ。

自身の反省と経験をもとに全国各地でスポーツブラ着用のススメ

 全国各地を訪れ、スポーツブラの大切さを伝えている岡部さんだが、実は学生時代は「あまり意識していませんでした」と笑う。

「私は中学生の時から、バレーボールを始めたのですが、よくない例の典型で(笑)。バストも大きい方ではなかったので、サポートがあるかないか分からないくらいの、スポーツブラのようなもの、をつけた記憶があります。でも、バレーボールを辞めた20代後半頃から定期的に走るようになり、ワコールのスポーツタイツと出会い、スポーツブラの存在を知って、同時に使い始めたんです。その時は、つけごこちのよさや汗をかいても不快感がないことに驚きました。

 以前ウルトラマラソンという100キロ以上の距離を走るレースに数多く出場していた時、バスト上部を押さえてくれるスポーツブラと、そのサポートがない普通のブラの違いを大きく感じました。今では、ランニング時にバストが上下左右に大きくユレることを知り、よりスポーツブラの大切さを感じ、私にとって欠かせないアイテムになっています」

 実際にスポーツブラのメリットを体験したからこそ、一人でも多くの女性にスポーツブラを着用してほしいと願う岡部さん。運動強度やバストの大きさにかかわらず、バストを守り、快適なスポーツライフを送るためにも、スポーツブラを欠かせないパートナーに指名したい。

(インタビューは前後編で掲載、11日配信の後編は「知ってるようで知らないバストの知識」)(THE ANSWER編集部)