わずか半年でベルギーの名門アンデルレヒトへステップアップ移籍。現地の番記者は森岡をどのように見ているのか。(C) Getty Images

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 ベルギー・リーグはレギュラーシーズンの全日程を終え、3月30日から始まるプレーオフに向けて、束の間のブレイクタイムに入っている。

 そんなジュピラーリーグには今シーズン、一躍注目の的となった外国人選手がいる。昨夏にポーランドからベルギーにやって来た森岡亮太だ。

 類稀なゲームメイク能力、得点力、アシスト力と三拍子揃った大活躍で、10ゴール・12アシストを記録した無名の日本人は今年1月、ワースランド=ベベレンからアンデルレヒトへと国内ステップアップ移籍を成し遂げた。

 日本代表にも再招集された森岡のレギュラーシーズンでのパフォーマンスを、ここでは『ル・ソワール』紙や『スドプレス』紙で執筆するチームの番記者、ベンジャミン・ヘルソン記者に振り返ってもらった。

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-―ベンジャミン、冬のメルカート締め切り寸前でアンデルレヒトにやって来た森岡に対する、君の期待は?
 
「ベベレン時代の森岡は、本当に素晴らしい印象を私に残してくれた。だがアンデルレヒトでは、初めから過度な期待を抱いてはいけない。アンデルレヒトでプレーするのは、決して簡単なことではないからだ。アンデルレヒトに来たタイミングも理想的ではなかった。あの頃のアンデルレヒトは、会長交代をめぐる騒ぎだったり、チームが絶不調だったりして、ピッチ内外で多くの問題を抱えていた。
 
 とはいえ、森岡のアンデルレヒト加入は、クラブにとってポジティブな補強だったと思う。なにせ彼は、今シーズン前半戦のベルギー・リーグにおけるベストプレーヤーの一人だったからね」
--森岡はアンデルレヒトで6試合プレーした。ここまでの評価は?
 
「もっと良いプレーができると思う。移籍直後のプレーは、やはり難しそうだった。先ほども説明したように、1月末のアンデルレヒトはピッチ内外でさまざまな問題を抱えていたから、その影響を受けてしまったのは否めない。
 
 ここまでの森岡を10段階で採点すると、5.5(やや足りない)から6(合格)。もうちょっと速くプレーしたほうが、良い場面が見受けられる。それでも、直近の2、3試合に関しては、7(よくできた)を与えるに相応しいパフォーマンスだった」

-―ベルギー国内では、「森岡はアンデルレヒトのようなビッグクラブに足るクオリティーの持ち主か?」という議論がありました。あなたはどう思いますか?
 
「今の時点では、答えを出すのは難しい。間違いなく、森岡のパスは正確で質が高い。だがアンデルレヒトでは、ベベレンとは比べ物にならないプレッシャーのなか、もっと速くプレーしなければならない。

 アンデルレヒトで活躍するということは、チャンピオンズ・リーグでプレーするクオリティーを持つということ。彼はアンデルレヒトでプレーするリズムを、しっかり掴まないといけない。森岡がその段階に達してから、君の質問の答を探そうじゃないか」
 
--プレーオフ1に挑むアンデルレヒト。この厳しい戦いを前に、森岡に期待することは?
 
「最近、(森岡と2シャドーを組む)ゲルケンス、ストライカーのテオドルチュクとのコンビネーションが向上している。そこがどう働くかを、プレーオフ1でも注目している。
 
 しかし、森岡はまだ入団から間もないからね。繰り返しになるが、過度の期待は慎むよ。まずはヴァン・ハーゼブルック監督から託された仕事を、しっかり理解すること。そして、直近の2、3試合で見せた活躍が、決して偶然でなかったことを示すことだ」
 
取材・文●中田 徹