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あーす、オラ擁護派!待たせたな貴乃花親方、援軍の到着だ!

絶体絶命のピンチに陥った陣営あれば行って擁護する。ネットクソ議論界にその人ありとうたわれた、火中に栗を手で突っ込む男がやってきました。極めて厳しいこの情勢のなかで、僕自身には何のメリットもないけれど、擁護せずにはいられない。いやむしろ、擁護すると決めてから立ち上がった。一騎当一の擁護が貴乃花親方の隣に今到着しましたぞ!

「来るの遅いじゃねぇか!」
「お前、逃げる気だったろ!」
「装備武器はブーメランですか?」

心ないインターネットから聞こえるたくさんの声。なるほど、若干駆けつけるのが遅かったことは否めません。しかし、無策で駆けつけても一瞬で死ぬだけ。今の情勢はそれほどに悪化しています。普段の守備力ゼロの兵装(上半身は貴乃花プリントTシャツ/下半身はまわし/右手にデンモク/左手にアイスピック)では、振り下ろされる社会の鉄槌で即死です。よしんば立ったまま死ぬくらいの意気込みを見せたとしても、親方が投げたブーメランで胴体はまっぷたつです。ある程度の準備は必要だったのです。

そして僕は、華麗にストールをまとって守備力を強化してきました。守備力プラス2くらいあるはずです。すでに貴乃花一門はほぼほぼ瓦解し、兵の大半は阿武松一門へと変節していますが、僕は最後まで貴乃花親方のそばで戦うつもりです。親方と心が通じることは永久にないかもしれませんが(※周波数の違い)、向いている方向は一緒なのだから味方にはなれるはず。僕は本能寺で寝ているときにめっちゃ敵襲がきたからといって、信長様を捨てて逃げたりはしないのです!




共通の目的は角界からの「暴力の追放」である

忘れないでください。我々は敵同士ではありません。角界に蔓延してきた、そして今なお根深く巣食っている「暴力」こそが本当に憎むべき敵です。「かわいがり」という名の虐待であったり、ビール瓶で弟子を殴るといった閉鎖空間での暴力行為こそを憎まなければいけません。

それを声高に叫んだ貴乃花部屋において、「ちょっと入り時間の連絡をミスった」程度でカジュアルにパンチが飛び交うという状況は、極めて深刻な事態ではあります。「お前、全然弟子の指導できてへんやんけ」「鉄アレイで殴らなかっただけマシ説」「支度部屋でキレるヤツが部屋に戻ったらどんだけエアガンを乱射するか想像もつかない」という厳しい声は、襟を正して受け止めなくてはなりません。

しかし、かの風の谷の族長ジルの娘・ナウシカもこう言っています。「この谷の土ですら汚れているの」と。どれだけ清廉を気取ったところで、暴力は角界全体を深く汚染しているのです。汚染しているからこそカジュアルにパンチが飛び交い、あれほど騒いだあとなのに暴行事件が新たに発生し、過去そして現在に至るまでなぁなぁで処理されてきているのです。

貴乃花部屋はまさに自爆をもって、そのことを世間に知らしめ、警鐘を鳴らしたのです。本当に根深いこの問題を、誰が敵で誰が味方でとかではなく、解決していかなければならない。カジュアルにパンチが飛び交う世界を改めていかなければならない。その点については、全会一致で団結していけるはず。真の敵は「暴力」です!

被害者ヅラのときは態度がデカいダブスタ問題、被害届の件

ダブスタ野郎、そのような意見を多数見ました。自分のところの弟子の貴ノ岩が殴られたときは警察に通報し、ダンマリを貫き、日馬富士を引退に追い込んだくせに、自分の弟子がパンチしたときは被害届も出さずに引退もさせない。なるほど、他人に厳しく、自分に甘いかのように見えるかもしれません。

しかし、この点についてはしっかりと擁護をしておきたい。

まず被害届の提出については、本件においてはまったく事情が異なっており、ダブルスタンダードな対応ということではありません。日馬富士デンモク事件の際は、10月26日未明の事件発生直後においてはまったく公表も報告もされず、被害者である貴ノ岩も真相を黙していました。しかし、真相があやふやななかでも「ただ事ではない」ということが察知できる大怪我であったことが、まずは公のこととして警察に真相の「捜査」を託すという動きにつながったわけです。

その後、非難されるべきは日本相撲協会側の動きです。当然なされるべき加害者側から協会への報告はついになく、また警察からの連絡を受けたのちも対外的に公表する動きはなく、「なぁなぁ隠蔽」へと協会はまっしぐらに進んでいきます。内々に伊勢ヶ濱親方から貴乃花親方への謝罪もあったうえで迎えた事件後の九州場所でしたが、フタを開けてみれば日馬富士は普通に出場しており、報道によって事件が発覚するまで何事もなきような状態でした。

加害者側からの一方的な聞き取り内容を基にした中間報告の発表や、被害者側の承諾を得ずに公表された診断書による情報誘導、最終的に貴乃花文書において指摘された被害者側主張との食い違いなどなど、一連の動きは貴乃花親方の態度を硬化させるに十分なものでした。「もともと態度がカッチカチ」という説もありますが、より一層硬化したという面は否めないでしょう。「この人たちは、殴ったことをなかったことにしようとしている」「ていうか、コッチがスマホをいじったのが悪いという話にされてる」「なんだこれ」と思うのは当然です。

だからこそ、貴乃花親方は再三の要請を拒み、「捜査」のための被害届を取り下げることなく、ひたすらに第三者に事態を委ねたのです。「加害者側弁護士」のような状態の協会聴取には応じない、情報は与えない、それは決して身勝手な行動ではありません。自衛のための行動です。被害届は処罰を与えるためのものではなく、第三者である警察を動かして公平に真相を暴いてもらうための一手です。

しかるに今回の貴公俊のカジュアルパンチ★アウト事件。本件は支度部屋という新聞記者らも出入りする公開の場で行われており、発生した直後から広く世間に知られるモノとなりました。第三者による報道、居合わせた人々の証言と、加害者である貴公俊、被害者である付け人の証言はおそらく一致しているのでしょう。「アイスピックを持ったかどうか」などの主張の食い違いがなく、同じ方向の話としてまとまった。

そのことをもって、貴乃花親方は「事実」を受け止めたのです。弟子が心にもない反省の弁を述べている可能性はあるかもしれませんが、弟子の言うことを信じるのもまた親心。ふたりが同じ話をしており、目撃証言とも一致しているなら、「わかった、そういうことか」と親方的には納得しているわけです。そこに捜査して暴くべき「なぁなぁ隠蔽」や「密室での暴力」はないものとして。

傷害は親告罪ではなく、被害届があろうがなかろうが、このような事態が明らかになった以上、警察は独自の判断で刑事事件化することができます。その判断は警察の手にすでに委ねられており、必要があれば捜査の手が伸びるでしょう。それを甘んじて受ける、親方は被害者・加害者両方の立場で明鏡止水の心持ちなのです。




被害者ヅラのときは態度がデカいダブスタ問題、引退の件

日馬富士の引退、そして貴乃花親方がデンモク事件に居合わせた面々を非難した「神事に反する」発言などからは、今回強パンチ連打コンボを決めた貴公俊は引退不可避という意見もあるでしょう。即レスで引退を発表しないというのは、身内に甘いという見方になるのは無理からぬことです。

しかし、それは横綱とそれ以外との立場の違いによるものです。

「品格力量抜群」であるからこその横綱という地位。いかなる理由があろうとも、他人の頭が割れるほどデンモクでぶん殴るのは許されない行為です。それは「品格が抜群ではない」ことを示すものであり、横綱にふさわしくない行為です。

横綱という地位は下がる場所がありません。横綱にふさわしくない者は土俵を去るしかないのです。犯罪を犯した者にも更生の機会を与える社会通念に比して、デンモク一発アウトは厳し過ぎる処分かもしれませんが、それが横綱なのです。日馬富士もそれを自ら悟り、協会の判断を待たずして横綱の地位を辞しました。

貴公俊への処分は、横綱に対するものとは扱いが異なったとしてもおかしくはありません。貴乃花親方が示した「前相撲からやり直させる」という更生への道は、序の口まで陥落後に全休して番付から外れたところからの再出発ということであり、出場停止1年から2年に相当する処分です。

この提示を重いと見るか、軽いと見るか。「こんなにカジュアルにパンチするヤツはとっととクビにするのが吉」「無免許運転でもクビなんだからクビじゃん?」「今クビにしておけばよくいる荒くれ者という評価でセカンドキャリアを始められる」という意見ももっともですが、「真摯な反省を見せるならばやり直してきなさい」という意見もあり得るはずです。あとは協会がどう判断するかです。

ひとつだけ言えることは、とっとと貴公俊をクビにすれば貴乃花親方自身への非難が和らいだのは間違いないということ。世間の誹りを受けてもなお弟子の未来を自ら絶たなかったという意味では、僕は一概にその「甘さ」を責めることはできないのです。



出勤1秒、「あーす」などの勤務態度の件

かねがね報告が遅いとか電話に出ないとか、ファックスのゴリ押しなどと勤務態度への批判が多い貴乃花親方。コミュ障的な側面は、横綱・貴乃花としては孤高のチカラとなり、親方・貴乃花としては不器用さを強調する正負あいまった性質です。暴力の問題とは関係ない別軸の話題ですが、とかく親方の勤務態度は評判が悪い。

ただ、僕は言いたい。貴乃花親方は改革の士であると。

よくよく考えてみてください。親方は連日のように「出勤1秒」「あーす」「連続無断欠勤」などと勤務態度を非難されていますが、それで何か困りましたか?貴乃花親方の現在の職務は、指導普及部副部長ですが別にコレといってすることはないのです。仕事内容は「相撲伝承のため相撲技術の研修、指導普及相撲道に関する出版物の刊行等を行う部署」とされており、本場所の運営をする部署ということでもありません。

そりゃ、手が空いていればトイレの見回りくらいするかもしれませんが、ひとりくらい何もしなくても差し支えないのです。実際問題、貴乃花親方がいないことで迷惑しているという話ではないわけでしょう。だからこそ、貴乃花親方は弟子の様子を見守るために、どこかに消えていくこともできるのです。(※どこでどのように見守るかは自由/テレパシーなど)

ズバリ、これは「働き方改革」なのです。

一般に言われる「裁量労働制」を本気で実践するとああなるのです。1秒でも出勤扱いですし、仕事の進め方については労働者に裁量がある。まさに未来の働き方。貴乃花親方を何となく非難したくなるのは、社畜根性の表れであり、これから日本人が変えていかなければいけない部分です。

部屋に住み込んでいないとか、女将さんも部屋にいないとか、貴乃花親方の仕事ぶりには多くの批判的意見があることは僕も承知していますが、「そっちのほう」が普通でしょう?旧来の相撲のやり方とは違うかもしれませんが、部長の奥さんが毎日会社に詰めてて、ことあるごとに説教とかメシの支度とかしてきたら、うっとうしいでしょう?

今回の貴公俊のピストン・フラッシュ・マッハ・パンチを受けて、「毎日監視しないとダメだなぁ」「よし、カメラを仕掛けよう」「テラスハウス並みのノープライベート空間へ」という方針転換はあるかもしれませんが、自分の部屋なんですから自分なりの運営をしてもいいはずです。それでちゃんと関取も輩出しているわけで、成果は十分に出ています。貴乃花親方は仕事はしています。貴乃花にできそうな範囲で頑張っています!




宗教ガー、右翼ガー、元弟子ガー、教祖様ガー、元顧問ガーとさまざまな声があったとしても、それはそれ、これはこれ。信仰や信条・交友関係は、暴力を追放しようという改革の志とは別問題です。貴乃花親方が変わり者であることと、暴力をなくそうとする心意気とは無関係の問題です。本来なら、もっと社会性のある面々が、時代に合わせた角界というものを作ってこなければいけなかったのです。そして、貴乃花はチョコンとその神輿の上に乗れば一番イイ形だった。

しかし、それがままならなかったことで、貴乃花親方という不惜身命の男がひょんなことから立ち上がってしまった。どうすればいいかわからないけど。貴乃花親方が立ち上がってしまった以上、いくところまでいくしかなくなる。どうすればいいかわからないけど。そういう性質の男だということは、ずっと前からわかっていたわけじゃないですか。貴乃花親方に折り合いとか妥協という言葉はないのです。たとえ、派手に自爆することになったとしても。

今、貴乃花親方の情勢が不利だからと言って、ここで貴乃花親方を殴って事態を終わらせるのは「カジュアルに殴ってOK」の角界をただ生き長らえさせるのと同じこと。ほかに立ち上がる志士がいればソッチを応援したいのはヤマヤマですが、誰を応援すれば改革がなされるのか、率直に言ってわかりません。みんな「なぁなぁ隠蔽野郎」に見えてしまう。その点において貴乃花親方は引きつづき、暴力を追放する意志を持つ、角界における稀有なる人物であることは間違いないのです。ここで貴乃花親方を殴っても貴乃花親方が世渡り上手になるわけでもなく、角界から暴力が一掃されるわけでもありません。

面白いサンドバッグを殴るためではなく、角界から暴力を追放するためにこそ、その拳を使おうではありませんか!

暴力を憎んで、貴乃花親方を憎まずです!



「あ、このパターンも殴っちゃダメなんだ」をまたひとつ角界は学んだ!