ー年収1,000万円では、都心で豊かな暮らしを求めることはできない。

結婚後も都心暮らしを視野に据える賢い女性なら、肌感覚として誰もが知っていること。

現実的には年収2,000万円以上あれば...そう考えつつ、年収3,000万円と聞けば浮き足立つ女がいる。

国税庁の「民間給与実態統計調査」から推計すると、年収3,000万以上を稼ぎだすのは、約500人に1人以下。人口の0.2%程度。

そんな経済的に恵まれた男性の妻の座を獲得したのは、一体どんな女たちなのだろうか。

その婚活戦略や結婚後の実態をお届けする。

これまでに、年収1,000万では暮らせないと嘆く真美、同期が偶然御曹司だった麻衣、慶應幼稚舎出身のエリート夫を特別枠で手に入れた典子、ダブルインカムでリスクヘッジを行う友希などを紹介した。今週は?




【今週の年収3,000万の夫を持つ妻】

名前:さゆり(29歳)
夫の職業:建築関連会社経営(37歳)
夫の年収:3,500万
結婚前の職業:外資系飲料メーカー 広報
住まい:広尾


類は友を呼び、そして格差を生む


「そもそも、周囲に年収3,000万以下の男性もいなければ、年収3,000万以下の人と結婚した友人もいません。」

一般女子が理想としている年収1,000万。しかし年収3,000万の夫を持つさゆりは、やんわりとその理想を否定した。



外資系飲料メーカーに勤務していたさゆりが、8歳上の夫・恭平と知り合ったのは27歳の時のこと。大学時代の知人の紹介だった。

身長が高く、目鼻立ちがハッキリとした顔立ちのさゆりは、ミスコン経験者と言うだけあり自分に対する自信の高さが滲み出ている。学習院大学在学中、華麗なる女子大生生活を謳歌していたことは想像に難くない。

若干20歳にして有名経営者やタレントなどと繋がりができ、毎週末、女友達を引き連れては六本木ヒルズ、芝浦アイランドなどのタワーマンションで開催されるホームパーティに頻繁に顔を出していた。

また、当時港区で有名だった某ファンド経営者とも非常に仲が良く、連日連夜西麻布で飲む日々が続く。(当時のさゆりを知れば恭平は結婚していなかっただろう。)

「大学卒業前にして、既に一般人には手が届かないような錚々たるメンバーと交流がありました。だからこそ、今の結婚があると思います。」

俗に“社会人デビュー”という言葉があるが、大人になってから急に富と権力を手に入れた男女は厄介な人が多い。その点、女子大生の時から様々な人たちと出会ってきたお陰で、さゆりは人を見る目が養われたと言う。

「24歳くらいの時に、年収が5,000万を超えると幸せな結婚は望めず、年収1,000万では生活できない。年収3,000万くらいがベスト・バランスだと気がついたんです。」

恭平と出会った時、結婚をするなら彼だと直感で感じ、“若さを武器にできる内に”と計算の上、28歳で結婚まで推し進めた。


年収3,000万の夫vs年収1,000万の夫。妻たちの目に見えぬ格差とは?


夫の年収によって仕分けされる妻たち


元々社交的で顔も広く、友人も多いさゆりだが、恭平と結婚してから “主婦友”としてお付き合いがあるのは、旦那の年収が近しい妻のみだ。

決して嫌味ではなく、“こちらのグループに入ってきたら可哀想だから”と言う。

「例えばホテルのランチに行こうとしても、一回一万円のランチに嫌悪感を示す人もいます。その点、同じような経済状況にいる妻たちの方が気兼ねなく楽しめますから。」

年収3,000万の夫は、ボーナスを月割りとし税金諸々を差し引いて計算すると、月収約150万となる。一方の年収1,000万の夫の月収は、約60万だ。毎月、妻の趣味などに使える金額は当然の如く異なる。

-結婚相手に求めるならば、最低年収1,000万は欲しい。

東京で遊んでいる女性からよく聞くこの言葉だが、実際にはそこまで華やかな生活は送れないことをさゆりは知っていた。

ホテルランチもドゥ・ラ・メールの1個3万円を超えるクリームも買えない。エクシブの会員権も買えなければ、ハリー・ウィンストンの指輪も貰えない。

年収1,000万の夫を持つ妻と最初は話が噛み合っていても、徐々に歯車が合わなくなっていく。それは結婚後、さゆりが肌で感じたことだった。

「ホテルのランチに誘えば、“毎日暇そうで羨ましい”なんて嫌味を言われたりすることも。その点、同じ区分にいる妻たちは意外に僻み合わないから。」




低層“階”のタワマンより、低層マンションを


現在広尾の低層マンションに恭平と二人で暮らしているさゆりだが、年収3,000万の家庭は意外に堅実であり、タワーマンションに対するこだわりもなければ見栄もない。

それよりも、専有面積や将来売却する際に高額で売れるか否かの方が重要である。また引っ越してから、遊ぶ相手も広尾界隈に住む人が必然的に増えた。

「年収云々に加え、住んでいる場所でも別れています。」

さゆりは二子玉川側や豊洲界隈のタワーマンションに住む妻たちとの交流がない。出会う機会もなく、共通の知り合いも見つからないからだ。

住む場所は顕著にその人の人間性を表わすと言われている通り、さゆりの交友関係は、夫の年収だけでなく居住地でも綺麗に線引きされていた。


結婚するなら年収3,000万の男性。その心とは?


夫にするなら均衡の取れた年収3,000万の男性


数々の男性を見てきたさゆりだが、恭平との結婚の決め手は彼の生活バランスにあった。

年収が3,000万を超すと月収は上がる分、他で使い始める夫が多い。港区おじさんと化し、若い女子へ投資したり、別宅として自宅以外に部屋を借りている強者もいる。

その一方で、年収1,000万だとさゆりが望むような生活は送れない。

その中間におり、適度に仕事も忙しく他の女性に行く時間も限られているのが年収3,000万クラスだ。

家におらぬ時に何をしているのかという不安も抱かずに済む上、行動も可視化しやすい。さゆりは身の落とし所を弁えていた。




年収3,000万の夫を持つ妻が集う場所


買い物は銀座の三越や六本木ヒルズ、ミッドタウンが多く、食料品などは広尾の『明治屋 広尾ストアー』或いは『ナショナル麻布』で済ませる。

また現在月に二回ほど『一二三庵』や『キャンティ 飯倉片町本店』などのお料理教室に通っているさゆりだが、料理の勉強は勿論のこと、そこに集う似たようなバックグラウンドの夫を持つ妻たちとの出会いが好きなのだそうだ。

「まだ子供はおりませんが、将来的に子供が生まれたらインターへ行かせるつもりです。そんな情報収集も同じような年収の人でないと聞きにくくありませんか?」

さゆりに悪意はないように見えた。しかし夫の年収で自然とコミュニティーが別れている様は、社会の縮図の表れのようでもあった。

▶Next:3月7日火曜日更新予定
公共事業を請け負う一生安泰の年収3,000万の夫は、まさかのボンクラ息子

【これまでの年収3,000万の夫】
Vol.1:”年収1,000万ゴール”説の嘘。それっぽっちじゃ都心で暮らせない
Vol.2:ただの同期がまさかの御曹司。無垢な心で掴んだ計算ずくの勝利
Vol.3:亭主稼いで留守がいい。夫が稼ぐほど、妻の愛は他へうつろふ
Vol.4:慶應幼稚舎出身・年収3,000万の夫。凡女子が入れぬ“特別枠”を6歳で手にしていた妻
Vol.5:飾りじゃないのよ、年収は。夫の実情を知らなかった妻の大誤算
Vol.6:損して得とれ。割り勘に拒否反応を示す傲慢な女ほど損をする