自己愛と紙一重!? 「嫉妬」は自分のためだってほんと?
サークルや部活で避けられないのが「嫉妬(しっと)」。相手がうらやましいことよりも、自分を守るために起きるのはご存じでしょうか? 学生およそ160人に対する調査では、理由のほとんどは「自己愛」がらみで、イヤな気持ち、裏切られたことへの怒りなどが上位を占め、自分のほうが上だと思う「優越感」はほとんどありませんでした。なかでも特異的なのが「注目」や「賞賛」で、
周囲のひとからどう思われているかが重要と判明。相手への感情よりも、自分がらみの気持ちが嫉妬につながっていたのです。
■嫉妬はやきもち? それとも逆ギレ?
ジェラシーとも呼ばれる「嫉妬」を辞書で調べると、
・やきもち
・優越者をねたむ気持ち
・憎悪
などの意味が記され、「いいなぁ〜」と「憎い」の2つに大別できます。自分もそうなりたいと思っているうちはハナですが、「ねたむ」は長所や「良い状態」を憎む気持ちですので、どちらにしてもゴールは「憎しみ」。なるべく持ちたくない感情なのは確かです。
嫉妬はなぜ起きるのでしょうか? 20歳を中心とした若者およそ160人に対しておこなわれた調査では、
・抑うつ … 0.91ポイント
・怒り … 0.77ポイント
が理由の上位を占め、この場合の抑うつは「気分の落ち込み」、怒りは「裏切られた感」を意味します。どちらも自己愛、つまり自分を守るために起きることがわかったのです。
逆に「優越」に関する回答は、
・自己主張 … マイナス0.06ポイント
・有能/優越感 … 0.39ポイント
と圧倒的に少数。嫉妬を「優越者を憎む」と訳すなら、自分のほうが有能! とひっくり返せば根本的に解決するはずなのに、「優越」は忘れ去られ「自己愛」が中心に……。この状態だけをクローズアップするなら、理由<自分がかわいそう、ですから、逆ギレと呼ぶべき状態になっているのです。
■「優越」しても解消しない嫉妬
さらにヘンな結果も出ました。「注目」「賞賛」が原動力となっているひとが0.73ポイントと中間を占め、優越に自己愛にも当てはまらないパターンが意外にも多いのです。
嫉妬と賞賛は、どうつながるのでしょうか? いっけん無関係に思える要素は、
・(自分が)周りのひとに賞賛されたい
しかし、
・(自分よりも)賞賛を集めている人物がいる
ことが嫉妬として現れます。抑うつや怒りは自分が生み出す感情なのに対し、注目や賞賛は他人からの評価なので自発的なものではありません。しかし、自己愛が過剰になると「周囲の注目を集めている自分が好き」に発展、これを阻害されると「自分かわいそう」に変わり、嫉妬心が芽生えるのです。
ありがちな話では、高級ブランド品をたくさん持っていたり、高額なクルマに乗っているひとが嫉妬の対象になりますが、じつはそれらは二の次で、真の原因は「周囲」の反応。そう聞くと、ちょっとさびしい気分になってしまいますが、同じものを手に入れても解消しない、の意味でもありますので、ムリに張り合わず、注目される別の方法を考えたほうが建設的のようです。
■まとめ
・嫉妬は「憎悪」と、ほぼ同じ意味
・優越者に対する感情なのは確かだが、自分の優越感はあまり関係ない
・もっとも多かったのは自己愛。自分を守ろうとする気持ちが憎悪に変わる
・周囲からの評価が原因のひとも多く、根本解決できない嫉妬もある
(関口 寿/ガリレオワークス)
