By Hersson Piratoba

Googleが数多くのロボット企業を買収してロボット開発を行ったり、Amazonが人件費削減のため倉庫ロボットを導入したりするなど、人工知能(AI)の開発が世界規模で進められています。日本でも野村総合研究所が「今後、人工知能やロボットなどで代替可能な職業100」を発表し注目を集めました。人工知能やロボットの開発が活発に行われている中で、アメリカを代表する起業家や投資家たちが集まり、AIをオープンソース化する非営利の研究機関「OpenAI」を設立しました。

OpenAI

https://openai.com/blog/introducing-openai/

How Elon Musk and Y Combinator Plan to Stop Computers From Taking Over - Backchannel - Medium

https://medium.com/backchannel/how-elon-musk-and-y-combinator-plan-to-stop-computers-from-taking-over-17e0e27dd02a

非営利の研究組織となるOpenAIは、劇的なスピードで開発されて人間レベルの能力を持ったAIが、自己利益よりも人類に貢献できるかどうかを判断できる研究機関の存在が必要になることを考えて設立されました。開発したAIで特定の企業や政府だけが恩恵を得るのではなく、世界中の人々がAIの恩恵を受けられるようにするのが、設立の目的になっています。

OpenAIに寄付を行ったのは、スペースXテスラモーターズを手がけるイーロン・マスク氏、LinkedInの共同創業者のリード・ギャレット・ホフマン氏、PayPalの創業者であるピーター・シール氏、Y Combinatorの共同設立者のジェシカ・リビングストン氏というそうそうたるメンバーたちで、マスク氏とY Combinator社長のサム・アルトマン氏が共同で会長を務めます。また、職員としてGoogleやFacebook 、DeepMindといった企業でAIの開発に携わってきた研究員たちを雇用したとのこと。



By JD Lasica

マスク氏は以前に「人工知能は核よりも危険になる」と、AIの危険性について懸念を示し、AIの悪用を防ぐ研究を行う研究プログラムに1000万ドル(約12億円)を寄付したことがある人物ですが、Y CombinatorはIT企業に対しては投資を行うものの、AI分野に対しては大きく目立った投資を行っていません。

しかしながら、IT関連メディアのMediumが2人に行ったOpenAIに関するインタビューでY Combinatorのアルトマン氏は「何が将来的に人類にとって最も重要なものになるのか考えてみてください。そのリストの中には、おそらくAIが含まれているはず。これがOpenAIを設立した理由です。人類に貢献できるAIを開発する研究機関がOpenAIです。また、非営利なので、開発結果は我々ではなく人類の間で共有されることになります」と設立理由を明かしています。



By TechCrunch

一方でマスク氏は「我々はAIを世界中に広めたい。もしAIが実現したら、たくさんのAIが欲しいですか?それとも少ないほうがよいでしょうか?我々は、AIがたくさんあるほうが世界にとって良いことだと考えました。AIは人間の拡張機能のようなものです。メールやSNSやアプリを使っているとき、あなたはそれが他人とは思えないはず。つまり、メールやSNSやアプリはあなたに特別な能力を与えて拡張しているようなものなのです。この考え方を、我々はAIにも取り入れたい」と、OpenAIの設立理由を語りました。

また、マスク氏は「AI開発の上で人類にとって危険な要素が見つかれば世間に公開するつもりです」と述べ「私がAIの危険性について懸念していることは、すぐには起こらないでしょう。危険性ではないですが、AIの開発でチャレンジとなるのは自動化によって、多くの職業がAIやロボットに置き換わってしまう可能性です」とAIが人類に悪い影響を及ぼす可能性について言及しました。



By NASA HQ PHOTO

さらにマスク氏は、研究機関を非営利化することについて「AIの間違った使い方に対する最大の防御は、多くの人がAIを所有できるように促進することだと我々は考えています。もし全ての人がAIを持ったら、『少数の人だけ人間を超越した能力を持っている』という状況を避けることができますからね」と話します。また、アルトマン氏は「もちろんOpenAIで収益を上げることは可能ですが、我々は利益をあげることを考えていないので、株主がOpenAIで大もうけするような事態は起こらないのです」と非営利化の理由を語りました。