もしKindleストアがなくなったら?自分が死亡したら購入した電子書籍はどうなる?

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筆者はKindleの愛用者だ。しかし、先日、ヤマダイーブックのニュースを聞いて、「購入した電子書籍は、これからもずっと読み続けられるのだろうか」と不安になった。そこで、Kindleストアに、直接メールで問い合わせてみた。

●そもそもKindleストアでは電子書籍を販売していない
先日、ヤマダ電機の運営する電子書店「ヤマダイーブック」で、サイトリニューアル後、これまでに購入した電子書籍が読めなくなるというニュースが話題になった。その後、新サイトに引き継がれる方針が打ち出されたが、同様の問題は、他の電子書店でも発生しかねない。

特に気になるのはKindleストアだ。世界最大の電子書店 Kindleストアがいますぐなくなるとは、とても想像できないが、変化の激しいITの世界だ。この先、何があるかわからない。また、意外と知られていないようだが、我々がKindleストアで購入しているのは「コンテンツの使用権」であって、コンテンツそのものではない。これは、Kindleストアの利用規約にはっきり書かれている。

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1. Kindleコンテンツ
……略……お客様個人の非営利の使用のみのために、該当のコンテンツを回数の制限なく閲覧、使用、および表示する非独占的な使用権が付与されます。Kindleコンテンツは、コンテンツプロバイダーからお客様にライセンスが提供されるものであり、販売されるものではありません。……略……
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規約にはっきりと「販売されるものではありません」と書いてある。だから、「けしからん」とは思わない。なぜなら「コンテンツの使用権」だからこそ、端末が変わっても、必要に応じてKindleストアから書籍データや既読履歴がダウンロードされ、つねに同じ読書体験ができる利便性も提供されているからである。



iPhone用のKindleアプリ。Kindle端末およびKindleアプリが動作する端末であれば、つねに同じ読者体験ができる。

●Kindleストアがなくなったら使用権も失われる? 自分が死んだら使用権は残る?
では、仮にKindleストアがなくなったら、購入した使用権はどうなるのか?
疑問はもう1つある。使用権を持っている側、つまり自分が亡くなったら、購入した使用権はどうなるのだろうか?
紙の書籍なら、物理的な蔵書として残り、家族などが引き継げるわけだが、電子書籍の場合どうなるのか? せっかくなので、アマゾンにメールで問い合わせてみた。回答をそのまま掲載しよう。

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◆Q1.仮にKindleストアがなくなってしまった場合、購入した電子書籍を表示・閲覧する使用権はどうなるのか?

◆A1.Amazon.co.jpでは、現状、Kindleストアを停止又は中止する予定はございません。そのため誠に恐れ入りますが、本件についての回答は控えさせていただきます。

◆Q2.Kindleストアで電子書籍を購入したユーザーが死亡した場合、購入した電子書籍を表示・閲覧する使用権はどうなるのか?

◆A2.Amazon.co.jpでは、Kindleストアで電子書籍を購入されたお客様個人に対して、当該お客様の特定の端末上でのみ当該電子書籍を閲覧等利用するためのサービスを提供しております。お客様は、電子書籍の使用権を第三者へ譲渡をすることはできません。これらの点は、Amazon Kindleストア利用規約にも明記しております。従いまして、当該お客様以外の第三者(お客様の相続人を含む)が当該電子書籍の使用権を引き継ぐことはできません。
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●Kindleストアがなくなってしまった場合
Q1については明確な回答はなかった。ただし、常識的に考えると、使用権を付与した側がなくなったら、使用権も失われると考えるのが妥当ではないか。とすると、仮にKindleストアで100万円分の電子書籍(の使用権)を購入しても、Kindleストアがなくなれば、100万円分の権利は返ってこないと思われる。実際に、これだけ大きなストアが終了するとなれば、ポイント等による何らかの埋め合わせはあるかもしれないが。

●電子書籍を購入したユーザーが死亡した場合
Q2の回答は明確だ。第三者に譲渡できない以上、仮にKindleストアで100万円分の電子書籍(の使用権)を購入しても、自分が亡くなったら権利もなくなる。したがって、子供に本を残したいなら、紙の書籍にしておいた方がよいのかもしれない。
井上健語(フリーランスライター)