スマホ版『Office Mobile』はどのくらい使い物になるのか?

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マイクロソフトから、iPhone・Androidユーザー向けのアプリ『Microsoft Office Mobile』が発表された。アプリをダウンロードすれば、パソコンで作成したWordExcel、PowerPointのファイルをスマホからも閲覧・編集できる。利用にはMicrosoftアカウントでのログインが必要。

スマホの画面は小さくて一からファイルを作成するのには不向きかもしれない。しかし出先でWordExcelファイルを確認したり、ちょっとした編集を行ったりしなければならいケースは、意外にあったりするもの。

たとえば、「見積書の金額をここだけ修正したい」「発注の個数が変更されたので修正したい」など、外主時に限って発生したという経験のある人も多いのではないだろうか。

「できない」と「できる」の差は大きい。


●まずは『Office Mobile』を使ってみよう
アプリをダウンロードしてログインすると、「OneDrive」に保存しているファイルが表示される。出先で確認したいファイルは、あらかじめ「OneDrive」に保存しておくと便利だ。また、新規作成したり、編集したりしたファイルも、スマホ本体ではなくこの「OneDrive」に保存される仕組みだ。保存したファイルは、メールに添付して送信することもできる。

なお、現在のバージョンでは新規作成に対応しているのはWordExcelのみで、新規作成の際は、白紙から作成するほか、WordExcelそれぞれのテンプレートも用意されている。PowerPointは既存文書の閲覧と編集のみ行え、新規作成は非対応となる。




Office Mobile』のWord


●パソコン版とは異なり制限がある編集機能
スマホ版では、パソコンと同じ編集機能をすべて利用できるわけではない。

Wordは、文字入力のほか、太字・斜体・アンダーバー・取り消し線・フォントの色・蛍光ペンなどの簡単な文字飾り、コメントの入力もできる。検索機能もあるので、単語を入力して、効率よく目的の箇所を表示することができるだろう。
書類の確認やシンプルな文書の作成には十分と言える。しかし校正履歴の表示や適用など、編集機能は制限されているので、文書や書類の本格的な編集に使いたい人には、まだ不十分に思えるだろう。




Office Mobile』のExcel


Excelは、Word同様に簡単な文字飾りを行えるほか、セルの書式を日付・通貨(¥)・%、数値から設定でき、オートSUMやAVERAGE、カウントなどの簡単な関数を利用可能だ。グラフの作成、データの並べ替え、検索なども行える。マクロなどは利用できないが、出先でのデータ閲覧、編集は十分に実用になりそうだ。


Office Mobile』のPowerPoint


自由度がいちばん低いのはPowerPointだ。可能なのは、文字編集とノートの追加、スライドの並べ替えなどで、グラフなどは挿入できない。パソコンで作成したスライドの閲覧と文字修正などの利用に限られる。編集機能こそ少ないが、スマホは画面の外部出力に対応した機種も多く、プレゼンテーションツールとして重宝しそうだ。

●初版としては中々の完成度
スマホの画面は小さい。パソコンのようなフル機能の利用はできないが、これが意外と侮れない。動作もキビキビとしており、いつでもどこでもファイルを閲覧・編集できるのは、ピンチのときこそありがたいものだ。出先で慌てないためにも、アプリをダウンロードしておきたい。なお、iPhone版とAndroid版では、メニューアイコンのデザインや表示位置が多少異なるが、機能に差は無いようだ。