「4年間と4日間」の差が示した4−0--”解任ブースト”も寄せ付けなかった日本代表【W杯】
4年間と4日間--。
その差が如実に表れたゲームだった。
カタール・ワールドカップ後、ベスト16という結果を真摯に受け止め、「良い守備から良い攻撃」を合言葉にチーム作りを進めてきた森保一監督率いる日本代表。選手層を厚くしながら組織としての成熟度を高め、この4年間で着実に進化を遂げてきた。
新監督就任直後には、いわゆる「解任ブースト」を警戒する声もあった。前任者の解任を受けて新指揮官が就任すると、選手たちのモチベーションやチーム状態が一時的に好転する現象だ。しかし、そんな一過性の勢いが今の日本代表に通用することはなかった。
日本は開始3分、鎌田大地のゴールで幸先よく先制。さらに31分には上田綺世が強烈なミドルシュートを叩き込み、リードを広げる。
後半に入っても試合の主導権を渡さない。伊東純也、そして再び上田がネットを揺らし、終わってみれば4−0の完勝だった。
特筆すべきは、その内容だろう。
日本はオランダ戦から4人を変更した(渡辺剛、谷口彰悟、久保建英、前田大然に代えて冨安健洋、板倉滉、伊東純也、田中碧を起用)。それでもチームとしてのパフォーマンスはほとんど落ちなかった。誰が出ても同じ強度と同じ狙いを共有できる。今の日本代表の強さは、まさにそこにある。
一方のチュニジアは、組み立てや仕掛けの局面で“10番”ハンニバル・メジブリの個人能力が際立つ一方、チームとしての連係は限定的だった。攻守両面で一体感を欠き、日本との差は時間の経過とともに広がっていった。
象徴的だったのは2失点目の場面だ。上田綺世に対して誰が対応するのかが曖昧なまま、最終ラインはプレッシャーをかけられずに後退。結果として、強烈な一発を叩き込まれてしまった。
同じ3−4−2−1システムを採用しながら、その完成度には大きな差があった。
もちろん、4−0というスコア自体は偶然の要素もあるだろう。しかし、「4年間」と「4日間」の差がピッチ上に表れたことは偶然ではない。
そして、日本が初戦でスウェーデンを5−1で下したオランダと引き分けたこともまた、決して偶然ではないだろう。
積み上げてきたものが確かな力となっている。
今大会の日本代表は、これまでとひと味違う。そんな期待を抱かせる90分だった。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長/現地特派)
【画像】日本代表のチュニジア戦出場16選手&監督の採点を一挙紹介!8人が7点以上の高評価!最高点は2G1Aの18番
