[6.20 W杯F組第2節 日本 4-0 チュニジア モンテレイ]

 4-0で迎えた後半39分、最後のカードでピッチに入ったのがチーム最年少21歳のFW後藤啓介(フライブルク)だった。これがW杯デビュー。1トップに入りながら幅広い範囲で献身的な守備を見せ、後半アディショナルタイム5分には右サイドから左サイドまでプレッシャーをかけ続けてボールを奪い切り、ファウルを獲得するファインプレーも見せた。

「終盤はそれを求められて入ったので、しっかりやるべきことはできたかなと思う」。無失点での逃げ切り勝利に貢献し、「4-0というのもあったし、やるべきこともハッキリしていたので、あまり緊張することはなかった」と持ち味を発揮した。

「しっかりゼロで抑えて終わらせるという状況だった。もちろんパスが出てくればという思いはあったけど、(オランダとの)得失点差をプラマイゼロにできたので良かった」

 日本の試合前にオランダがスウェーデンに5-1で大勝。オランダと勝ち点で並んだ場合、直接対決の結果が引き分けのため、グループ全体の得失点差で順位付けをすることになる。「4点差だけじゃなく、取れるだけ取ろうと話はあった」と明かした後藤は「(オランダとの)得失点差4をひっくり返すという中で4点を取れた」と胸を張った。

「この大会に出れたことは価値ですし、出場時間は短かったけど、良いイメージはできた。次につながるかなと思う」。待望のW杯デビュー。14日のオランダ戦(△2-2)は出番がなかったが、ポジションを争うFW塩貝健人が後半39分から途中出場し、一足先にW杯デビューを果たしていた。

 JFA公式YouTubeチャンネル「Team Cam」で公開された映像では、チュニジア戦に向けた選手ミーティングでDF長友佑都が、ベンチの一番前で声を張り上げ、チームのために行動する後藤の姿勢を称えるシーンがあった。オランダ戦に塩貝が途中出場する際、後藤が水のボトルを塩貝に手渡し、声をかけている姿を見て、「悔しいと思うけど、そういうことを若手とかベテラン関係なく、みんながやっている最高のチーム」と、後藤の言動を引き合いに出して、チームの団結を改めて求めていた。

 ミーティングでの長友の言葉について後藤は「見ていてくれる人がいて、あの言葉を聞いたときはめちゃくちゃ嬉しかった」と感謝。「(長友)佑都さんも(ピッチに)立てていないのに、しっかり見ていてくれた。やっぱりベテランだなと思うし、本当にありがたい」。この日、後藤がピッチに入る際は長友が後藤の背中を叩いて声をかける姿もあった。「次は佑都くんと一緒に戦って、佑都くんからのボールで決めたい」。チーム最年長39歳の長友と、最年少21歳の後藤。新たな師弟関係が、チームの一体感をさらに高めている。

(取材・文 西山紘平)