配車アプリのロゴをあしらったタクシー車両(19日、東京都千代田区で)

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 スマートフォンでタクシーを呼べる配車アプリの競争が激しくなっている。

 日本に比べてアプリ利用率が高い訪日外国人客の増加を受け、各社は新たな需要の取り込みを目指す。将来の自動運転タクシーの実用化を見据え、資金調達や提携による体制構築も進めている。(仁木翔大)

 国内最大手の「GO」は16日、東京証券取引所グロース市場に上場した。初日の終値ベースの時価総額は約2050億円で、国内で今年最大の新規株式公開(IPO)となった。調達資金は、自動運転車の配車サービスに関する投資に充てる考えだ。

 複数の配車アプリを統合して2020年に誕生したGOは、25年にサービスの展開エリアを47都道府県に広げた。配車可能な車両は8万台を超える。調査会社のICT総研が24年に実施した調査では、利用者は配車アプリで最も多かった。

 サービスはマッチング手数料を得る収益構造のため、乗客と事業者の囲い込みが重要となる。GOの中島宏社長は16日の記者会見で「日本での優位性が揺るがないよう継続して戦っていく」と強調した。

 配車アプリは、地図上で配車場所を選ぶため、大通り以外や住所が分からない場所などにも容易にタクシーを呼ぶことができるのがメリットだ。一方、上乗せした配車手数料がかかる。

 GOによると、配車アプリの利用率は国内が3割弱にとどまる一方、米国や韓国では7〜9割に上るなど、普及は海外が先行している。配車アプリは海外発祥も多く、年間4000万人を超える訪日客需要をにらんだ動きも活発だ。

 「Uber」を手がける米ウーバー・テクノロジーズは4月、ソニーグループ系の「S・RIDE(エスライド)」と提携した。訪日客が自国で使うウーバーアプリを介して、エスライドが契約するタクシーにも乗れるようにした。

 ウーバーは、米国などで浸透しており、日本法人の広報担当者は「自社が提携する車両だけでは賄いきれない需要を取り込みたい」と狙いを語る。

 エスライドも、東京や大阪など都市部を中心にビジネス需要を主力にしてきたが、訪日客需要の取り込みを強化している。1月には中国発アプリで関西や九州で利用が多い「DiDi(ディディ)」と提携した。

 将来、自動運転タクシー(ロボタクシー)が普及すれば、配車の多くをアプリで行う世の中になることも予想されるため、アプリ各社は、自動車会社などとの連携も強化している。

 GOはトヨタ自動車などが出資する企業と提携して自動運転タクシーの社会実装を目指している。利用者の視点に立った車両やサービスの開発につなげる狙いがある。ウーバーも日産自動車との協業を表明している。