「あの夜、細木数子先生はオンナの顔をしていた」…元担当ホストが明かす、”地獄に堕とされた”思い出とは
【前編を読む】細木数子に愛された「歌舞伎町の名物ホスト」衝撃告白…!ドラマでは絶対に描けない「トイレ事件」とは
細木数子を取り合う「仁義なき戦い」
ホストクラブには独特のルールがある。人気商売だからこそ、店のホストは一ヵ月の売り上げと人気ランキングをホスト同士で競い、月ごとに更新する。その更新日こそが「締め日」であり、この日はホスト自身だけでなくその客さえも巻き込み店内はピリピリとした熱気が最高潮に達する。
1990年代に『愛本店』で人気ホストとしてオラオラ営業で君臨していた美島光司(52歳)。20代後半のときは、占い師として人気急上昇中だった細木数子さんの本指名を受けていた。だが、美島さんとはまったく別のキャラ売りで人気だったホストのKに客の細木を奪われる事態となる。そのきっかけとなるのが、こんな場面だった。
「僕の接客は“暴れん坊で甘えん坊”という、お客様に強気でガンガンいくけどふたりきりの時は甘えん坊になるギャップ売りでした。が、Kは人当たりの良さはもちろん甘い言葉も囁き女性をエスコートし、かつ甘え上手というとにかく甘々接客です。そんなKが、細木先生がいらっしゃって僕が接客してた席に、僕がトイレかなんかに行って戻ってきたタイミングでちゃっかり座ってたんです」
美島さんによれば、本指名のホストのヘルプの立場でもないのに席に座ることは「あり得ないこと」なのだと言う。
「だから僕、すぐ愛田社長(『愛本店』などを創業した愛田武氏)に抗議したら、社長が『まあまあ光司、まあまあ』となだめられまして。とりあえず細木先生をお待たせしたら悪いと思って僕も細木先生のいらっしゃる卓に戻りました。Kはね、甘々だけどグイグイでしたよ。僕が細木先生に話しかけてるのを緩やか〜に邪魔して自分が話しかけたりとね」
ホストクラブの人気ホストといえば、それぞれがヘルプ要員のホストを何人も抱えているため「派閥」がたくさんあるのだという。Kは美島さんの派閥の中にひとりで乗り込んできたのであり、美島さんいわく「甘い顔や振る舞いをするものの、相当に面の皮が厚い」ホストだった。
「面の皮の暑さで言えば細木先生も同じでしたからね。ふたりは似た者同士だったのでしょう。その日から、Kは細木先生がいらっしゃる度に僕の席に一緒に座って同伴だったかアフターだったか、先生と3人で焼肉に行ったのです」
細木が吸ったタバコで「大事件」勃発!
この焼肉店で“事件”は起きた。
「細木先生がタバコを吸い始めたけど吸い殻がなくて。細木先生が『光司、灰皿』って言って、一旦、灰を手の平で受け止めるよう促したんです。僕は『そんなん、熱いですやん』と言い返したら、ものすごい怒って焼肉店の前に付人に停めさせてたベントレーで帰ってしまったんです」
美島さんはその姿をただ見ているだけだった。しかしKはすぐに怒って帰る細木さんを自身の高級車に乗って追いかけて行ったのだという。
「Kがすごい勢いでバーっと追いかけて、僕はその2人を見送って。その後のふたりがどうなったかなんて知らないし聞いてもないですし、本当のことはわかりません。でも僕はこの晩、Kと先生の間には“ナニか”あったなって思います。いま思えばですよ…」
この騒動の後、美島さんが地獄に堕ちる“大事件”が起きる。
「ある締め日確定の日の23時50分、僕の1位はほぼ確定状態でした。ヘルプの後輩とかお客様と一緒にアフターに行こうとご機嫌で店を出ようと準備してました。そんなギリギリのタイミングで細木先生が24時10分でご来店したんです。Kを指名で800万円分をドーンとオーダーして僕はドーンと2位に落ちました」
細木先生が「オンナの顔をしていた」
締めの時間後のオーダーで2位に落ちるのには納得がいかないだろう。美島さんは「なんで?」と愛田社長に聞くも、やはり「まあまあまあ」で済まされてしまったのだという。
「僕はもう納得がいかなかった。だから『こんな仕打ちを受けるくらいなら辞める』と言いました。愛田社長は『細木先生以外の太いお客様を必ずつけるから』と言われましたが、気持ちがどうにも収まらず辞めました。すると、僕が辞めるという噂を聞いたKが、スッとやってきて『光司、お疲れ』って僕に握手を求めてきたのです。甘い顔した悪魔ですよ。僕は細木先生とKに、まさに地獄に堕とされたわけです…」
だけど、と美島さんは振り返る。
「Kのほうが賢かったし、なにより僕は細木先生が求めるホストではなかっただけ。地獄に堕とされたというより現実をわからせていただきました。Kは細木先生の扱いが本当にうまかった。細木先生の腕の弛みをプニプニと揉みながら甘えたかと思ったら、ある時なんか、細木先生がうっとりした目と顔でKにしなだれかかってましたから。ああ、細木先生がオンナの顔してる…って思いましたもん」
店を辞めた美島さんは、この後2年半もの間、遊び呆ける。その間に使ったお金は「3億円ほど」だという。
「24歳から29歳まで月収数千万円近くありましたからね。2年半もの間は毎日のように吉原の高級ソープランドに入り浸ってゴロゴロしてました。残り4000万円位になってだんだん焦り始めた時に、かつての太客様のひとりから連絡があったのです。『光司、そろそろお金もなくなるでしょ? 倍にしてあげるわよ』って。それでその方に3800万円渡して終わり。出資詐欺の被害に遭ってしまいました…」
今は20歳以上年下のキャバ嬢と結婚
電話をかけてきたのはかつての美島さんの本指名客のひとりで、某ラーメン店の女性経営者だった。その経営者は2004年11月に詐欺罪で逮捕。当時の大手新聞などでは「被害者は百数十人で総額は約30億円に上る」と報じられている。
「まさかあの女性経営者が人を騙して得たかもしれないお金で遊んでいるとは知りませんでしたが、よくよく思うと僕のお客様は他にももうひとり、詐欺で捕まった方もいました。3800万円を奪われただけでなく、その後も鬱になって脳梗塞になってと散々でしたから、まさに大殺界なんでしょうか。僕は占いはまったく知りませんし興味もないんですけど…」
金が尽きた美島さんは再び鬱のリハビリを兼ねて『愛本店』に再入店。約一年間勤めて年間No.1になった後、横浜でメンズバーを開くも経営不振でギャンブル依存症になり、脳梗塞にもなるなど不幸に見舞われた。52歳の現在はどうか。
「20歳以上年下のキャバ嬢と結婚し、無職の何もしないおじさんとして穏やかに暮らしています。でもひとつだけ挑戦し続けていることがあります。司法試験です。いつか歌舞伎町の元ホスト弁護士として事務所を構えたいです」
何度も地獄に堕ちた元ホスト。今後二度と地獄に堕ちることはない……のだろうか。
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