養子案への国民理解に相当慎重な制度設計が必要、女性天皇の是非も議論すべき…中道改革連合・笠浩史氏
[論点 皇位継承]
皇族数の確保に関する「立法府の総意」には、我々の主張がかなり盛り込まれたと評価している。
女性皇族が結婚後も身分を保持する案は、立憲民主党の時から優先だと主張してきた。夫と子の身分については、公明党は与党時代に皇族としないと決めていたが、当時の立民は意見がまとまっていなかった。
中道改革の全議員に考えを聞き、意見集約を図る中では、多数が夫と子を皇族にすることに慎重だった。だが、野田佳彦・元首相をはじめ「家族が一体として生活するべきだ」という意見もあり、当事者のご意向も踏まえたほうがいいということで、今回は決定するべきではないと主張し、取りまとめではその点も考慮された。
夫と子も皇族とすべきか否かは、どちらの意見も正しい部分があり、今は決めきれない。前向きな先送りだと思っている。
旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える案は、最終的に制度として認めた。その上で国民の理解が得られるよう慎重な制度設計を訴え、取りまとめの中で一定の了承が得られたのではないか。
養子案は手段としてはあり得るが、相当慎重に制度設計をしないと、なかなか国民の理解は得られないだろう。実際にやってみないとわからない面もある。どういう方が養子に入り、皇族として公務にあたるか。その姿を見ていただく中で理解が深まることもある。
養子案の「一定年数ごと」の見直しについて、衆院の石井啓一副議長が「20年ないし30年が想定される」との見解を示した。正副議長の話し合いでは、「30年」が出てきたと聞いている。具体的に区切れば将来的に不都合な部分が出てきかねないので、取りまとめでは「一定年数」とした。
養子の子に皇位継承資格を与えるか否かは、取りまとめの範囲を超えており、法案では触れないはずだ。
政府は、取りまとめに沿った形で法案を作ることが大前提となる。万が一、それに沿わない法案が出てきた場合は、差し戻す覚悟で臨む。今回の議論は皇位継承の問題を切り離し、皇族数の確保に限ったからだ。
将来的には、安定的な皇位継承に関する議論を立法府で行う必要がある。女性天皇の是非も議論すべきではないか。女性天皇は過去に推古天皇以降8例あり、報道各社の世論調査でも認めるべきだという意見は非常に多い。
(母方のみ天皇の血を引く)女系天皇の議論は時期尚早だ。遠い将来には是非の議論があるかもしれないが、現時点では皇室の歴史と伝統を踏まえることが非常に大事だ。
