【特集】“連勝”の自民と“大敗”の野党 知事選で繰り広げられた与野党の攻防 「原発」一大争点にならず苦戦《新潟》
5月31日に投開票が行われた県知事選挙。そのウラで繰り広げられた与野党の攻防。新人候補を擁立した野党は自民党が支える現職に大差で敗れる結果となりました。
2027年、統一地方選挙を控える中、野党は立て直しを急ぎます。
◆県知事選には新人の土田氏が出馬
県知事選挙に出馬した新人の土田竜吾さん。
選挙戦を中心になって支えたのは中道改革連合や立憲民主党の国会議員です。
<中道 菊田真紀子 衆院議員>
「花角さん、もう言わないほうがいいですよ。『住んでよし、訪れてよしの新潟県』になってないじゃないですか」
<中道 菊田真紀子 衆院議員>
「新人対新人の選挙だったら政策論争をお互いにやればいいけど、花角氏は8年間やってきてる。彼は若いしチャレンジャーだからえげつないこと言わないほうがいい」
選挙経験豊富な先輩議員たち。
しかし、「現職有利」の情勢が伝えられ、土田さんの劣勢が覆ることはありませんでした。
<立憲 森裕子 参院議員>
「我々新潟県内の野党勢力にとって本当に厳しい時だと思います」
◆出口調査では原発再稼働「妥当」が67%
土田さんは柏崎刈羽原発が再稼働に至ったプロセスを批判。常設型の「県民投票条例」の設置などを公約に掲げました。
ただ、TeNYと読売新聞が共同で行った出口調査では柏崎刈羽原発が再稼働にしたことについて、「妥当(どちらかといえば含む)」と答えた人が約3分の2を占めました。
土田さんの演説は、選挙戦後半から原発に関する政策の分量を抑え気味に。代わりに人口減少や医療再編を盛り込みました。陣営幹部は「情勢や地域の実情を踏まえた」と話し、争点化が難しかったことも匂わせます。
一方の花角さんは「再稼働議論には一区切りがついた」として、避難道路の整備や今後の安全対策を強調しました。
◆2月の衆院選で野党全敗
ことし2月に行われた衆議院選挙。
中道改革連合から出馬した野党候補は県内の小選挙区で全敗しました。
自民党が息を吹き返し、与野党の勢力図は一変しました。
知事選をめぐってはその影響を心配する声が上がっていました。
<中道 黒岩宇洋 前衆院議員>
「全選挙区で負けたことはプラスにはならない。でも落ち込んでいるわけにはいかない」
しかし、自民党が支える現職・花角英世さんにダブルスコア以上の大差で敗北。厳しい結果を突き付けられました。
候補者自身も衆院選の影響を感じていました。
<落選 新人 土田竜吾氏>
「1区から5区の総支部長、現職の方も含め落選された方もいるので人員的にも以前と同じとはいかなかった」
◆難航した対抗馬擁立
そもそも衆院選の大敗を受けて知事選への対抗馬擁立も難航。
土田さんが立候補を表明したのは告示まで2カ月を切ったことし3月のことでした。
土田さんがかつて秘書を務めた前衆議院議員の梅谷守さんです。率直な胸の内を語りました。
<中道 梅谷守 前衆院議員>
「今回の選挙はいわゆる勝てる選挙とは異なります。むしろ多くの人は無謀だというかもしれません。しかし私はあえてだからこそこういいます。無謀だからこそ戦う価値がある」
それでも対抗馬を擁立した意義を強調します。
<中道 米山隆一 前衆院議員>
「一体感は出たし(結果は)どうあれ次につながる可能性はある。そういう意味では出して良かったかもしれない」
見据えるのは2027年春に控える統一地方選挙、その先にある2028年の参議院選挙です。
高市内閣の支持率は報道各社の調査でいずれも60%台を維持。
しかし、選挙期間中に来県した中道の小沢一郎氏は「高市人気とよく言うが、票はそれほど増えていない。野党がバラバラでだらしないから負けただけ」と指摘。
2月の衆院選後、地方の首長選挙では自民党の推薦候補の敗北も目立ちます。
この知事選では花角陣営に楽観ムードも広がったことから、来県した自民党の幹部が引き締めていました。
<自民・西村康稔選対委員長>
「地方の首長選挙でやっぱり時々自民党の推薦候補が厳しい結果になる。これは油断。油断すると負けます」
選挙前に、新潟の幹部も。
<自民県連 岩村良一幹事長>
「地方選(の結果)と高市政権の支持率には少し差があるのではないかというような不安はある。油断なく、おごりなく選挙戦に対応たい」
◆自民党は知事選でも勝利
衆院選に続いて知事選でも勝利をおさめた自民党。この勢いを次の選挙戦へつなげられるのか。
<自民党県連 岩村良一 幹事長>
「(県議は)来年のことを想定しながら選挙戦を進めてきた。必ず来年の統一地方選にもつながっていく」
ことし10月には新潟市長選挙を控えています。
中原八一市長は自民党の元参議院議員で過去の選挙では党から支援を受けています。3期目を目指すのか。
<新潟市 中原八一 市長>
「これまでのことを振り返りながら、今後(出馬を)どうするかをしっかり検討して結論を出したい」
知事選の結果を、統一地方選への弾みとしたい自民党。
立て直しが急務となった中道改革連合や立憲民主党など野党勢力。
国政とも連動しながら与野党の攻防が続きます。
