食後の「コーヒー」に潜む落とし穴!「亜鉛」の吸収を妨げないための食事の適正量

亜鉛を食事から効率よく補うためには、どの食品を選べばよいのでしょうか。牡蠣や牛肉などの動物性食品には亜鉛が豊富に含まれており、食事の見直しが第一歩となります。また、一緒に食べるものを意識するだけで吸収率が変わることも知られています。ここでは、亜鉛を含む食品の特徴と、吸収を助ける食べ合わせのポイントについて解説します。

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)

群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。

亜鉛不足を改善する食事からの取り方

亜鉛を補うための第一歩は、食事の見直しです。このセクションでは、亜鉛を多く含む食品や、食事から効率よく亜鉛を取り入れるためのポイントについて解説します。

亜鉛を多く含む食品一覧

亜鉛は動物性食品に豊富に含まれており、なかでも牡蠣(かき)はとくに含有量が高い食品として知られています。牡蠣100gあたりには約13~14mgの亜鉛が含まれており、一日の必要量を少量でまかなえるほどです。そのほかにも、牛肉(とくに赤身)、豚レバー、鶏レバーなどの肉類にも亜鉛が豊富に含まれています。

植物性食品では、大豆製品(豆腐、納豆など)、ナッツ類(カシューナッツ、アーモンド)、ごまなどに亜鉛が含まれています。ただし、植物性食品に含まれる亜鉛は吸収率が動物性食品に比べて低い傾向があります。これは、植物に含まれるフィチン酸という成分が亜鉛の吸収を妨げるためです。

穀物類や海藻類にも亜鉛は含まれますが、含有量は多くありません。食事から亜鉛を効率よく補うためには、動物性食品を積極的に取り入れることが一つの方法です。また、食品ごとの亜鉛含有量を把握しておくことで、日々の食事を組み立てやすくなります。

亜鉛の吸収を高める食べ合わせ

亜鉛の吸収率は、一緒に食べるものによって大きく変わります。クエン酸(レモンや酢など)は亜鉛と錯体を形成して溶解性を高め、吸収を助ける可能性があるとされています。ビタミンCについても同様の効果が期待されることがありますが、亜鉛への効果については現時点で明確な関係は報告はされていません。たとえば、牛肉のステーキにレモンを添えたり、牡蠣に柚子をかけたりする組み合わせは、亜鉛の吸収という観点からも理にかなっています。

動物性タンパク質も亜鉛の吸収を促進するといわれています。肉や魚と野菜を組み合わせた食事は、亜鉛吸収の面でも効果的です。また、クエン酸(レモンや酢など)も亜鉛と結びついて吸収を助けるとされており、食事に取り入れることで効率が上がる可能性があります。

一方、亜鉛の吸収を妨げる食品や成分も存在します。フィチン酸(玄米、豆類に多い)、タンニン(コーヒー・緑茶に含まれる)、過剰な食物繊維などは、亜鉛と結びついて吸収を阻害することがあります。これらを大量に摂取する際は、タイミングや量に注意することが大切です。食事のバランスを意識しながら、亜鉛を多く含む食品と吸収を助ける食品を組み合わせていくことが、効果的な亜鉛補給につながります。

亜鉛不足を招く食生活の特徴

亜鉛不足に陥りやすい食生活にはいくつかの共通点があります。まず、加工食品や外食が多い食生活は亜鉛が不足しやすい傾向があります。加工食品には添加物が多く含まれており、なかには亜鉛の吸収を妨げる成分が含まれているものもあります。また、精製された白米や白パンを主食にしている場合、糠(ぬか)や胚芽部分に含まれていた亜鉛が精製過程で失われています。

菜食主義(ベジタリアン・ヴィーガン)の方は、動物性食品を摂取しないため亜鉛が不足しやすい傾向があります。植物性食品に含まれる亜鉛の吸収率は低いため、より意識的に多様な食品から亜鉛を摂取する必要があります。また、アルコールの過剰摂取は亜鉛の排泄を促進するため、飲酒量が多い方も注意が必要です。

ダイエット中の方も亜鉛不足になりやすいとされています。食事量を極端に減らすと、亜鉛を含む食品の摂取量も減少してしまいます。健康的な体重管理を続けながらも、亜鉛が豊富な食品を意識的に取り入れる工夫が求められます。自分の食生活を振り返り、亜鉛が不足しやすい習慣があれば、少しずつ改善していくことが大切です。

まとめ

亜鉛は免疫機能・皮膚・味覚・成長・認知機能など、身体の多岐にわたる機能を支える重要なミネラルです。現代の食生活や生活習慣によって不足しやすい環境にあることを踏まえ、亜鉛を多く含む食品を意識的に取り入れ、吸収を助ける食べ合わせを工夫することが大切です。サプリメントを活用する場合は、推奨摂取量の範囲内で適切に利用してください。味覚の変化や肌荒れ、疲れやすさなど気になる症状がある場合は、早めに内科などで相談されることをおすすめします。

参考文献

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

厚生労働省eJIM「亜鉛」

厚生労働省 e-ヘルスネット「ミネラル」

国立がん研究センター「亜鉛・ヘム鉄摂取と大腸がんとの関連について」