中国拠点企業に日韓と比べ8倍の手厚い補助金…OECD「価格引き下げ競合他社を出し抜いている」
【パリ=市川大輔】経済協力開発機構(OECD)は1日、政府による産業補助金に関する初めての報告書を発表した。
2005〜24年の20年間で、売上高に対する補助金の比率は、中国企業が他国・地域の企業の3〜8倍と突出していた。
調査対象は、太陽光発電パネルや半導体、鉄鋼、造船など主な製造業15業種の世界大手525社。政府による助成金や税制優遇措置、政府系金融機関などからの市場を下回る金利での借り入れの3種類を補助金とみなした。
中国に拠点を置く企業が得た補助金は、売上高の約2・5%に上った。日本や韓国などアジア太平洋の企業が約0・3%、欧州は約0・4%、北米が約0・9%となっており、3〜8倍に相当する。中国企業が得ている補助金は、低金利での借り入れが圧倒的に多く、助成金が続いた。
欧州連合(EU)などは、中国企業が手厚い補助金を原資に鉄鋼などの価格を引き下げ、市場を席巻していることを問題視している。報告書は、中国企業の05〜23年の市場シェア(占有率)上昇分の約60%が補助金によるものだと説明できるとしている。
報告書は「補助金を受けた企業のシェア拡大は価格を引き下げて競合他社を出し抜いており、生産性や収益性の著しい向上にはつながっていない。短期的に消費者に低価格の恩恵をもたらすが、長期的には技術革新や品質、競争を低下させる」とした。
