(※写真はイメージです/PIXTA)

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普段、Web広告やテレビCMなどで「いまだけ〇〇ポイントプレゼント!」といった宣伝文句を目にしたことはありませんか? 節約の観点から、こうしたポイントを貯める“ポイ活”にいそしむ人も少なくありません。しかし、12万部超えのベストセラー『節約の王道』の著者である林望氏は、「ポイントプレゼントは撒き餌のようなもの」と警告します。その真意と、林氏がスマホアプリを入れない理由を見ていきましょう。林氏の新著『節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由』(朝日新聞出版)より紹介します。

スマホアプリに潜む“甘い罠”

スマホを見ていると「〇〇の会員になれば何ポイント差し上げます」という誘導の文言が、まるで撒き餌のように年がら年中出てきます。

海にいる魚も撒き餌で引き寄せられて、それを食べているうちに人間に釣り上げられてしまう。とにかく「撒き餌に目が眩まない」ことです。 

お店の店頭でもらったチラシ。そこに割引券が付いているとします。その割引券を使っても、そんなに大変なことにはなりません。それ1回の割引で終わりです。 

しかし、スマホは個人情報と密接に結びついています。そこが怖い。 

1回だけの割引、1回だけのポイント利用と思っていても、向こうにしてみれば「この人は食いつく人だから」と、また新しい撒き餌がやって来る可能性があります。 

サイトを閲覧すると、クッキーというフォルダが作成されます。ネットで買い物をすると、個人情報やカード番号などがクッキーに残ってしまいます。そういう大事な情報が、第三者に悪用される危険性もあるわけです。 

こういうリスクがあるから、極力こちらの尻尾を掴まれないように注意しておくべきなのです。

節約の達人はスマホに一つもアプリを入れていない

スマホでアプリを使うと割引になるというのは、私は初めから信用していません。むしろ、そういうのに登録すると、そこから個人情報が洩れる危険がある。だから私のスマホには、一つもアプリを入れていません。

SNSも、一つもやっていません。ショートメールも、LINEも、フェイスブックも、いっさいやりません。

ついでに私は公私ともに電話連絡というのはしないことにしています。原則として、パソコン上のメール、もしくは郵便の封書(ハガキは原則として使いません)ですべての連絡はまかなうことにしています。 

スマホに着信する上記の連絡手段は、こちらの都合にお構いなくやってきますから、迷惑きわまりないというものです。

アプリによって失われる大事なもの

LINEをやっている知人もいますが、その様子を見ていると、ねんがらねんじゅう誰かからの着信があって、まるでスマホの奴隷のようです。それを、忙しいからと放っておくと「既読にならない」と文句を言われ、既読して返事をしないと「既読スルー」だ、といわれる。誰彼となく、“常に常に”返事をしなければいけない義務があるようなのはどうかと思います。 

つまり、LINEによって、一番大事な自分の時間や労力が侵害されているのです。これは非常にわかりやすい例ですが、他のアプリも、基本的に、自分の時間と労力を侵害するものです。だから私はひとつも入れていないのです。

親しき中にも礼儀あり、相手の都合を慮って連絡はすべきで、それも考慮せずに勝手に送信するというのは、少なくとも私は大いに不愉快を感じます。パソコンのメールであれば、こちらがパソコンを開いて、メールアプリを開いて、意志的に読むだけですから、忙しいときはメールを開かずに放っておけばよろしい。まことに当然のことながら、こちらの邪魔をされることがありません。 

かにかくに、スマホというものには、私は一切のアプリはインストールせず、単なる「携帯電話」として使うだけです。

それも、たとえば運転中に電話など掛けられても出ることはできないので、ふつうは電源をオフにしてあります。ですから、実際上は、こちらから事務的な用途で“発信する”だけの道具、というまことに現代にはあるまじき使用法を用いています。

林 望
作家・書誌学者