今年6〜7月にアメリカ、カナダ、メキシコで開催されるFIFAワールドカップ2026に臨む日本代表メンバーの26名が、5月15日についに決定。森保一監督の会見コメント、これまでの出場歴などから、ポジション別に序列や起用法を考察する。

【画像】第二次森保ジャパンの全試合フォーメーション図

 シャドーは森保監督が最も人選で頭を悩ませたポジションだろう。昨年12月に南野拓実(モナコ)が左膝前十字靭帯を断裂すると、今年3月のイギリス遠征でWBからシャドーに回した三笘薫(ブライトン)も5月に入ってハムストリングを負傷。いずれもエントリー断念を強いられた。

 主力2人欠場のダメージはまさに甚大。森保監督も会見で、「すべてのポジションで最後の最後まで悩んだ。ただ、最後に三笘が怪我をして選出できない状況になったので、最後にまた考えた」と苦しい心情を吐露した。

 最終的に、いわばスペシャリストとして選出したのは久保建英(レアル・ソシエダ)と鈴木唯人(フライブルク)のみ。鈴木は5月3日に鎖骨骨折を負ったが、メディカルスタッフの判断でW杯に間に合うとして選出された。

 一方で3月に試した佐野航大(NECナイメヘン)をはじめ佐藤龍之介(FC東京)、相馬勇紀(FC町田ゼルビア)、北野颯太(レッドブル・ザルツブルク)などは落選。これまでWBと兼任してきた伊東純也(ゲンク)、堂安律(フランクフルト)、中村敬斗(スタッド・ランス)はもちろん、本来CFの塩貝健人(ヴォルフスブルク)や後藤啓介(シント=トロイデン)、さらには指揮官がシャドー併用を示唆した前田大然(セルティック)でカバーする構成になった。もちろん鎌田大地(クリスタル・パレス)を回す手もあるが、ボランチの層の薄さを考えると、試合終盤など限定的になるはずだ。

 アジア最終予選とその後の親善試合は「南野+久保か鎌田」がシャドーの基本戦略だったが、今大会は「久保+誰か」の組み合わせがベースになるはず。そう、右シャドーは万全なら久保で確定だ。前回大会は決して得意とは言えない左ウイングを担い、守備に奔走し、2試合とも前半のみの出場、最後は発熱でラウンド16欠場と悔しい想いをしたが、今大会は攻撃の核として期待される。

左シャドーは臨機応変な運用も

 一方で左シャドーは、現時点でまったくの不透明。純粋なクオリティーと実績で言えば伊東だろう。右サイドのイメージが強いが、ゲンクでは左サイドでも使われている。日本代表だとシャドーに入る際も右サイドが基本で、左サイドはあまり経験がないものの、スタッド・ランスで同僚だった中村と近い距離で連携しやすいというメリットもある。

 また、プレッシング能力と打開力のバランスが最も南野に近い鈴木、フィニッシュ精度が高い中村、前からハメにいくなら右に出る者がいない前田も、先発候補に十分になりうる。

 ちなみに、堂安の右シャドー起用は、久保を休ませる際のオプションか。塩貝と後藤はあくまでもFWであり、ボランチと絡んでのビルドアップなどMF的な仕事はあまり期待できない。彼ら2人はスタメン候補というよりスーパーサブ候補で、起用する際は実質的に2トップに近い形になるだろう。何度か試してきた3−2−3−2、3月のスコットランド戦で試した3−1−4−2などの布陣だ。

 ただ、南野のプレッシング能力とここ一番での決定力、三笘の突破力とゴールセンスは誰か1人で埋められるものではないうえ、伊東、中村、前田、堂安などをシャドーに回す際には同時に両WBの起用法にも大きな変化が生じるという課題もある。左シャドーは明確な一番手を決めず、選手のコンディション、対戦相手、試合展開に応じて臨機応変な用兵を見せていくかもしれない。

 実際、森保監督は会見で、「誰が出ても勝つ、誰が出ても機能する、がチームコンセプト。このW杯もチームの総合力で勝っていきたい」と改めて強調した。

 はたしてW杯前最後のテストマッチであるアイスランド戦(5月31日)で、森保監督が左シャドーに誰を使うのか。先発はもちろん交代カードにも要注目だ。

(ABEMA/サッカー日本代表)